ニューサイクリング '70年代読本
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング '70年代読本」を取り上げます。
「ニューサイクリング '70年代読本」は、ニューサイクリング誌の2010年11月増刊号として発行されました。
同書はタイトルの通り、1970年代の月刊ニューサイクリングに掲載された記事から抜粋・再編集して1冊にまとめたものです。なぜ70年代かというと、編集部による巻頭の言を借りると「ロードやMTBのブーム以前のサイクリングブームは1970年代。その70年代は、自転車で遊ぶ精神性においては光り輝く時代であった。その時代を知らない21世紀の自転車乗りの皆さんに、日本のサイクリングの黄金期をご案内」することを目指しているとのことです。
記事は、「ツーリング編」3件、「メカニズム編」12件、「スポーツ編」4件、「基礎知識編」6件が掲載されています。また「懐かしの70年代広告」として、「メーカー編」「オーダー編」の計14件が紹介されています。他にも、この増刊号のみの書下ろしによる寄稿3件が掲載されています。
現代は大手の数メーカーによる寡占時代といってよいと思いますが、1970年代はサイクリングブームがあったり、コンポーネントパーツの黎明期という背景もあり、パーツメーカーひとつとっても百花繚乱の時代でした。またマスプロメーカーによるスポーツ車も廉価車から高級車まで多数あり、ユーザーにとっては選択肢、そして自分なりの創意工夫がいくらでもできる時代でした。
「ニューサイクリング '70年代読本」は、サイクリストや自転車愛好家にとっての「古き良き時代」の集大成。ベテランにはその懐かしい時代を思い出させてくれる。若い世代にとっては「古き良き時代」を知る手立てとして興味深く読むことができる1冊といえるのではないでしょうか。
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