ニューサイクリング 1989年1月号(No.294)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1989年1月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1989年1月号は、通巻294号です。
カラーの口絵は、「魔物について」「LOOK Cycle Race」です。
294号の目次をページ順に追うと、
20 特集 新春エッセイ集 マインド オン ツーリング
46 私をとらえる魔物について
58 市川雅敏インタビュー 今年の世界戦は、表彰台を目標に走るよ
66 ニューパスハンティング 林道広河原逆川線
76 ホップ ステップ 軽量! 遊びとしての軽量車へのアプローチ
82 NCヌーベル トゥーリズム ジャポン
91 モノディスプレイ
92 杉野 安の舌万歩計から ケルン
98 自転車レースを本当にやりたいヒト(女性)達へ私からのメッセージ
100 '88全日本学生選手権個人ロードレース大会
105 第19回クラブラリー
106 NCサロン
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「特集 新春エッセイ集」は毎年1月号の恒例となったエッセイ特集です。この年のテーマは「マインド オン ツーリング」で「ツーリングの気配が漂ってきたよ。さあ、出かけてみようよ自転車で」と副題がついています。この年のエッセイは全9編で、タイトルをご紹介すると「僕的自転車旅行-君が読むべき僕の独り言」「ツーリング症候群」「生活の句読点、年間60日、5千km」「すべては、走ることから」「わがクラブの旅のフォーマット」「マイツーリング―私だけの時間」「ツーリングを発掘するのは、あなたの想像力です」「'89年、私の650B」「ウィークエンドキャンプ」となっています。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、大学技官の方がオーナーのカロッツェリア・オミノのタンデムが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「タンデムのブレーキ系に関する考察」です。
「市川雅敏インタビュー 今年の世界戦は、表彰台を目標に走るよ」は、プロ2年目のシーズンを終えた市川雅敏選手が一時帰国した際に行ったインタビュー記事です。2年目はチーム内での自身の地位を確立できたこと、機材に関する悩みがほとんど解決したことなどから調子も成績もよくなってきたといいます。そして、翌シーズンに向けての抱負として世界選手権で3位以内を目標にすると言って話を締めくくっています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「奥武蔵から秩父へ スケール抜群の新林道」と題し、林道広河原逆川線を紹介しています。コースは青梅駅をスタートし、吹上峠、小沢峠をパスして下名栗から林道広河原逆川線へ入ります。林道を登ってピークをパスした後は途中林道未通の小径を辿らなければならないものの、やがて下から開いてきた林道になり、ダウンヒルを堪能しながら西武秩父駅に至る53.6kmです。
「ホップ ステップ 軽量! 遊びとしての軽量車へのアプローチ」は、今井編集長によるサブリエールのスポルティフ製作記です。冒頭では、自転車の本質は軽いことだという持論を展開します。製作については、基本的に考えたことを挙げるとともに、出来上がった自転車について詳細なスペック・アセンブル表を各部の重量とともに載せています。さらに、主要部分については簡単ですが解説文もつけています。このサブリエールをスペック表の数字で見ると、フレームはヘッドとBB付きで1,600g、完成総重量は6,796gとなっています。
「エポック!ツーリング車の新指向 実走NCオールテラインランドナー」は前年の8月に始まった企画「NCヌーベル トゥーリズム ジャポン」で製作したペガサスのオールテラインランドナーの実走レポートを伝える新連載です。今回は「ランドナーバージョンで林道へ」と題し、ドロップハンドル、700×35Cを装着したランドナーバージョンでの実走レポートです。舗装路ではスポルティフ感覚で軽く走ることができ、ダートでも思ったよりも楽に走れるということです。加えて、読者からの要望があったとのことで、ガードの取付について詳しく解説しています。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、パナレーサー「ストラテシ セタ」、カンパニョーロのATBコンポーネント「ユークリッド」等を紹介しています。
「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「ケルン」です。ケルンショーからの帰国途上にある筆者は、昔の勢いのまま残っているメーカーは数えるほどしかなく、ヨーロッパの自転車界は大きく変わってしまったといっています。それでもヨーロッパの人達は自転車が大好きで、自転車をより美しく見せたいということに日本以上の努力が注がれているといいます。食べ物の話は、まずパリで二つ星レストランに行った話です。その店の味は、間もなく三ツ星になるとの評判通りの味だったといっています。ケルンショーの場では、ザックスに招待されたドイツ料理とイタリー料理の店が印象的だったし、ホテルのレストランでの料理も水準を越えたレベルを保持していたということです。
「自転車レースを本当にやりたいヒト(女性)達へ私からのメッセージ」は、主催者の方から女子選手に向けたメッセージと、高知での合宿開催案内です
「'88全日本学生選手権個人ロードレース大会」は、前年の11月に群馬サイクルスポーツセンターで行われた大会のレース写真とレース結果を掲載しています。
「第19回クラブラリー」は、23クラブ140名が参加し、三浦半島の城ヶ島で開催されたクラブラリーの開催報告です。あわせて、過去19回の開催記録(開催期日・主催クラブ・開催場所)が掲載されています。
「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」にはフランスで開かれるサイクリングイベントの情報と、信濃毎日新聞が東京でも定期購読できるようになった案内が掲載されています。「LETTER TO EDITOR」には、「舌万歩計から」で触れられた競輪場でのカントについて、競輪関係者の方からの説明が掲載されています。「BOOK」のコーナーには、ムック本とエッセイ集が各1冊紹介されています。最後には、NC誌主催の初詣サイクリングの開催告知があります。
1989年1月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック・テーラーメイド」でした。
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