0916実用カタログ'87

 本日の1冊

今回は「実用カタログ'87」を取り上げます

「実用カタログ'87」は、サイクルスポーツ誌の1986年11月臨時増刊として発行されました。内容は自転車、主にスポーツサイクルといわれるジャンル、ロードレーサーやランドナーに使用するパーツを掲載しているカタログ本となっています。

各パーツは、写真1点にスペックと販売価格という構成で掲載されています。多くのページはモノクロですが、一部のパーツは巻頭のカラーページに掲載されています。チェンホイールやディレイラーもカラーで見ると、金属やアルマイトの質感がより分かりやすくなっています。また、同書ではカラーページの企画として内外のフレームが掲載されています。フレームは色やデザインが各ブランドで特徴があるので、カラーで見られるのはありがたいですね。カラー企画には、「コンポーネントパーツ」と称してカンパニョーロ、シマノ、サンツアー、スギノの各コンポーネントが取り上げられています。現在ではパーツのコンポーネント化は当たり前になっていますが、1970年代頃からレーシングパーツで登場してくるまでは、グレードやメーカーをまたいだ単品の組み合わせでのアッセンブルが当たり前のように行われていました。80年代後半でもコンポーネントパーツは、企画で取り上げるほど特別なものだったのですね。

そして、「実用カタログ'87」の大きな特徴は、一部のパーツについてスモールパーツリストが掲載されていることです。一例をあげると、シマノ・デュラエースやサンツアー・シュパーブプロの前後変速機とWレバーの展開図と各パーツの名称と価格が載っているといった具合です。

「実用カタログ'87」は、当時のパーツカタログとしてランドナー系のサンプレやユーレーも網羅していますし、一部ではありますがスモールパーツリストも掲載されていますので、クラシックパーツのコレクターや、レストアラーにとって役に立つ1冊だと思います。

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