ツール・ド・フランスを追いかけて
本日の1冊
今回は「ツール・ド・フランスを追いかけて」を取り上げます。
「ツール・ド・フランスを追いかけて」は、1970年代からツールを追いかけてきた著者による取材記で、1991年に発行されました。
著者は1976年に別のスポーツ取材でヨーロッパ各地を訪れた際に、ジロ・デ・イタリアの最終日にエディ・メルクスの走りを目の当たりにした。そこで、翌年からメルクスの走りを見たいという思いに駆られて、ツール・ド・フランスの取材を始めることとなったそうです。
同書は、文章とともにフォトグラファーである著者の写真が多く掲載されています。その内容はレースそのものの取材記というよりは、レース前後や移動、その他のレース以外の舞台裏やサイドストーリーが主多く語られています。写真もレース以外、レース観戦に訪れた観客やレースの通過する街の人々の風景を切り取ったものがあり、雑誌のレース速報だけでは見られないツールのもう一つの顔を知ることができます。
「ツール・ド・フランスを追いかけて」は、1970年代後半から80年代にかけての取材が元になっています。掲載写真では、エディ・メルクスをはじめ、同時代に活躍したベルナール・イノーやグレッグ・レモン、ローラン・フィニヨン等のスター選手を見ることができます。文中ではツールに参加した日本人メカニックの話もあります。ツールのことを知りたい。特にレースレポートだけではわからない、ツールにまつわる周辺の話を知りたいと思っている方には楽しめる1冊だと思います。
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