ニューサイクリング 1969年9月号(No.61)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1969年9月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1969年9月号は、通巻61号です。

この号の表紙は「セントルイスにて」です。

通巻61号の目次をページ順に追うと、

口絵 ある女性サイクリング

10 特集女性サイクリング 女性サイクリング活動について 女性サイクリングの実状と対策を取材した男性側の意見

18 特集女性サイクリング 座談会 女性サイクリスト大いに語る 実績とキヤリヤの豊富な5名のサイクリストウイメンの経験談

26 特集女性サイクリング 女性用サイクリング用車の設計(上) 女性用としてどんな自転車を提供すべきか、その考え方と設計

32 メカニズム 自転車道楽 2 一人で車種別に自転車を持つ シクロツーリストの二回目、その細かい仕様と部品のエツセイ

39 メカニズム オリンピック出場のトラックレーサー メキシコオリンピックに出場して活躍した井上選手のトラックレーサー

42 考証エッセー 古東海道を探る(1) 古事記・日本書紀の記述を実地に探索し古代文化に及ぶ

48 考証エッセー あの道この道シリーズ(11) 旧中山道 塩尻峠から鳥居峠にかかり、いよいよ木曽路に足をふみ入れる

51 ツーリング 富士登山八人のさむらい 女性一人を含み、全員自転車をかつぎ上げて富士にいどんだ

54 フィチュア 自転車のサスペンス小説 タンデムの怪談、フランスの小説

56 ツーリング 信州山地周回 和美峠・神津牧場・志賀越を押し上げての山地ツーリング

70 レース イタリアのレース界(1) 二年間にわたり実際にレースを追尾して来たイタリアレース界の実状

72 代理店名簿

74 クラブグループレポ

75 交換案内

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「女性のサイクリングについて」

これは今月号の特集で、この章では女性サイクリングの実状と対策を取材した男性側の意見を編集部でまとめたものになります。意見を聞いたのは、JCA専務理事、浦和第一女子高校サイクリング部顧問、港サイクリングクラブ理事、立教大学サイクリング部渉外部長およびOBの5名の方となっています。


「女性サイクリスト大いに語る」

これは今月号の特集で、この章ではキャリアが豊富な5名の女性サイクリストに過去の思い出や体験を語ってもらっています。


「女性用サイクリング車について 1」

これは今月号の特集で、この章では沼勉氏が女性用サイクリング車ついて条件を五つ挙げて、その考え方やアウトラインについて書いています。


「自転車道楽 2 一人で車種別に自転車を持つ シクロツーリスト(承前)」

この記事は、先月号から始まったメカニズムにふれていく企画ものの連載です。今回は前回に続いて、当時今井編集長が所有していたシクロツーリストの仕様についてアッセンブルパーツを詳細に、またポンプやバッグなどの付属品についても紹介しています。


「メキシコオリンピック出場のトラックレーサー 日本代表井上三次選手の使用車」

ここではケルビムの今野仁氏が、井上選手用に製作したトラックレーサーについて、製作時の留意点などを交えて解説しています。


「古東海道を探る」

ここでは東海道の原型となった古東海道の、主に神奈川県下に残された跡とその周辺を紹介しています。第一回は「古事記の地名考」と題して古事記に登場する地名を現在の場所に置き換えるべく古事記の内容を紐解いています。


「あの道この道 旧中山道 その十一」

このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。前回までに辿って来た諏訪から塩尻峠、塩尻、洗馬、本山を通って境橋を渡り、木曽路に入ります。木曽路はにえがわ、奈良井、雨のため鳥居峠を越えずに国道のトンネルを利用して藪原まで進んでいます。


「富士登山八人のさむらい 女子一名を含みえんえんと自転車をかつぎ上げた」

筆者は仲間とともに「富士登頂アルペンサイクリング」を計画し、当初13名の予定から減った9名で7月中旬実行に移します。登頂前日は河口湖のキャンプ場に泊まり、翌日の朝、準備をしてから出発しクルマでスバルラインを登ります。五合目の駐車場で自転車を組み立てて11時に出発、登山口まで自転車で走ります。ここからは押していくことになりますが、1名が体調不良のためクルマに引き返したので、8人で登頂を始めます。六合目までは押していったもののその先は押せず、担いで先へ進むことになりましたが17時半頃無事に全員が頂上まで辿り着きました。頂上で記念撮影などをして18時に下山を開始、強風の中慎重に下りながら八合目で食事をし、その後砂走りを行って雪渓を横断しながら21時に駐車場に帰りつきました。


「自転車のサスペンス小説ーフランスー アンリー・トロワイヤ LE TANDEM」

ここではアンリー・トロワイヤ作の小説で、日本語訳名「自転車の怪」という題のタンデムが登場する怪談の自転車が登場する場面の描写と物語のあらすじを紹介しています。


「山地周回サイクリング ひたすら押し上げて標高一、二五〇メートルを越える」

この文は上田を発着点として初夏の軽井沢とその周辺を走ったサイクリング紀行です。筆者は午前5時に友人と上田駅で待ち合わせます。しかし、筆者は寝坊してしまいます。ところが友人も寝坊しており、予定より1時間半遅れで上田駅を出発し新軽井沢を目指します。新軽井沢からは南軽井沢を通って和見峠を越え、下仁田に向けて下ります。本宿まで下ったあとは市野萱、神津牧場と進み、志賀越を越えて岩村田へ下りたのち上田に向かいました。


目次にはありませんが、69ページには「外誌紹介」というコーナーがあり、「ミロワール」の110号111号112号、「インターナショナルサイクルスポーツ」の13号、「バイシクリング」の7月号を紹介しています。


「イタリアの自転車レース界」

この文は、二年間余りイタリアで生活していた日本人によるイタリアの自転車レース界の事を綴る連載です。今回はイタリア国内での自転車レース事情や、サッカーと自転車レースの人気度とスポーツ界での発言力について伝えています。


「ぐるーぷ・くらぶ便り」

ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回はクラブメンバーの紹介やサイクリング開催の告知などが届いています。またクラブから届いた会報8誌を紹介しています。


目次ではニューサイクリング誌の取扱店一覧を72ページ「代理店名簿」とありますが、本誌には「本誌特約取扱スポーツ車販売店」として78・79ページに掲載しています。また目次にはありませんが、編集後記を「編集メモ」として80ページに掲載しています。


1969年9月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ブラックトップファイブ」でした。

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