ニューサイクリング 1969年12月号(No.64)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1969年12月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1969年12月号は、通巻64号です。
この号の表紙は「晩秋の奥秩父」です。
通巻64号の目次をページ順に追うと、
口絵 第二回クラブラリー
10 ツーリング 飛騨の合掌造りを求めて 日本の文化財・合掌造りの中心を行く
17 これくしょん
18 ツーリング 祕境柳久保池と過疎部落 下り坂の快感をかみしめる
23 外誌から
24 養老川を遡る 一つの河を河口から源流までのツーリング
28 コースガイド 三浦半島の静かなコース 交通のはげしい所をさけたコース作り
32 メカニズム オーダーメイド読本(28) 基礎的な知識のうち応力の問題
36 メカニズム 自転車道楽 5 一人で車種別に持った自転車 スポルティーフ3回目・各パーツのはなし
41 メカニズム ダイナモの構造 ジョスのダイナモを分解して見ると
52 考証・エッセイ 古東海道を探る(第4回) 鎌倉への道として昔の紀行文から種々巡る
58 考証・エッセイ あの道この道シリーズ(14) 旧中山道 木曽路の最終宿馬籠から美濃へ
61 デザインコンクール
61 製品メモ
62 パニアバッグ
64 クラブグループだより
65 交換案内
68 '69年度総目次
72 本誌取扱代理店
72 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「飛騨の合掌造りを求めて」
この文は、アルプスの萩原慎一氏が飛騨をサイクリングした時の紀行文です。筆者は上野発の夜行北陸一号に乗って富山乗り換えで高山線の角川駅まで輪行しました。自転車を組立て駅を出発した筆者は、途中で道を行く地元ナンバーのクルマにサドルバッグとテープレコーダーが入ったサブザックを預けて道中の農協に届けるように頼みます。雨が降り出したなかクルマを進め、天生峠を越えて萩町迄下って合掌造りの民宿を手配します。その後隣町まで行き、どぶろく祭りを見学しました。翌日は他の集落へ合掌造りの家を見に行ったり、自動車に便乗して青空の天生峠を見に行って、昼を食べてから萩町を出発して大牧ダムに向かいます。白川村からバス停に湖底に沈んだ集落名の残されている御母衣湖沿いの道を走り荘川村に入り、この日はこの村の旅館に泊まります。三日目は朝出発前に民俗館を見学してから猿丸、惣制、黒谷、三尾河を通ってから登りに掛かります。新軽岡峠を越えて六厩まで下った後は、この旅に終止符を打つこととして高山行きのバスを待つことにしました。
「これくしょん」
このコーナーでは、自転車関連の雑貨類を紹介しています。今回取り上げているのは、自転車競技の切手、皮製のコースターとなっています。
「信州紀行のうち 祕境柳久保池と過疎部落」
これは今井編集長の執筆による、信州サイクルツーリング紀行です。今回のプランは、柳久保池とその周辺の集落を見に行くことを主に長野を起点としてコースを計画しました。ツーリング三日目は糸魚川街道を進んだ後、神代から峠という集落を抜け、長い下りを楽しんでからとある神社の境内で食事にしました。この後はただの帰り道という体で長野市内に向かいました。
「パリ・マッチから」
ここでは、エディ・メルクスを大きく取り上げている一般誌「パリマッチ」と、インターナショナルサイクルスポーツの16号を紹介しています。
「養老川を遡る」
この文は、房総半島の川を遡るコースを走ったサイクリング紀行です。筆者は川に沿って河口から源流まで走ってみたいと考えて地図で探しているうちに房総半島を流れる養老川を見つけます。10月の中旬、筆者は一人でサイクリングに出ます。筆者は河口から養老川を走り始め、養老渓谷を過ぎて源流らしくなってきたところまで進みましたが、最後は川は路から離れていきました。そこからは分水嶺を越えて小湊へ向かい、鯛の浦まで走ってここで宿泊しました。翌日は海沿いを走って九十九里まで行き、一ノ宮から茂原、千葉と通って東京へ帰りました。
「サイクリング施設上の問題点とその対策案」
この記事では、当時のサイクリングの一般化とその認識の乖離に対し、三浦半島サイクリング施設の問題をとらえてその実情と対策を述べています。
「連載講座 オーダーメイド読本」
このコーナーは、これからオーダーをしたい、あるいはオーダーをしたけれど何となくしっくりこないという問題を持っている人達の視点で考えていく企画の連載です。第28回は「オーダーに必要な予備知識」として、自転車のオーダーに関する考え方について解説しています。今回は自転車以外のものに関する内容ということで、物体に働く力について光弾性写真を用いながら解説しています。
「自転車道楽 5 一人で車種別に自転車を持つ シクロスポルティーフ(3)」
この記事は、メカニズムにふれていく企画ものの連載です。今回は前回から引き続き、当時今井編集長が所有していたシクロスポルティーフについて、構成部品を紹介しています。今回取り上げているのは、ホイールとトランスミッションとなっています。
※目次と本文では連載回数が「5」となっていますが、正しくは連載6回目となります。
「ダイナモの構造」
この記事は、ジョスのダイナモ「V8S」の分解過程を分解写真とともに紹介しています。
「古東海道を探る」
ここでは東海道の原型となった古東海道の、主に神奈川県下に残された跡とその周辺を紹介しています。第四回は「鎌倉への道(二)」と題し、前回に引き続いて三冊の紀行文、海道記、東関紀行、十六夜日記から三つに共通した対象を比較検討して当時の東海道の悌を類推しています。今回は「宿」「道路管理」「沿道の生活」「鎌倉」「鎌倉遊覧」について取り上げています。
「あの道この道 旧中山道 その十四」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。今回は、木曽路最後の馬籠から美濃に入って中津川から恵那の大井宿あたりまで走っています。
「第5回 日本自転車デザインコンクール作品募集中」
ここでは、自転車および部品それぞれの部門の課題と、応募規程などを掲載しています。
「新製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、パターソンズハウスのパイプ製ガードステーを取り上げています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号はバッグ、タイヤとリム、BB周りに関する質問などが寄せられています。
「ぐるーぷ、くらぶ便り」
ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回も群馬と宮城のクラブから便りが寄せられています。またクラブから届いた会報6誌を紹介しています。
「1969年総合目次」
「1969年総合目次」は、NC誌1969年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。
1969年12月号の裏表紙広告は、日米富士自轉車の「富士ブラックトップファイブ」でした。
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