ニューサイクリング 1970年2月号(No.66)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1970年2月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1970年2月号は、通巻66号です。
この号の表紙は「ディレイラーのある静物」です。
通巻66号の目次をページ順に追うと、
口絵 これくしょん
口絵 自転車のある年賀状誌上展
10 特集 '70春シーズンにアピールする車種 1 我が社のこの春の目玉車種はこれだ! と 各社自薦のスポーツ車誌上展
18 メカニズム 最近のヨーロッパの自転車 '69度のイタリーミラノのサイクルショウの見聞記、とくにミニサイクルの動向
22 メカニズム プレス加工について 自転車部品に多いプレス製品についての知識 その性質と製造法など・・・
38 ツーリング 海の男のモーレツサイクリング 元旦の朝からペダルをふんで千葉県一周へ モーレツサイクリングで足を痛め、あわやダウン
45 考証・紀行 VOICE OF CYCLIST 樹林のライフサイクル
46 ツーリング 枝折峠、銀山湖への道 電源開発のダムで変貌して行った秘境への再訪、そこで見た物は・・・
53 考証・紀行 旧中山道(15) 京は近く、関ケ原合戦の跡・・・
56 考証・紀行 古東海道を探る(6) 古道をさぐって、古代の東海道を走る
61 くらぶ・ぐるーぷだより
62 パニアバッグ
68 代理部だより
69 交換案内
72 編集後記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「春のシーズンにアピールする!! '70メーカー自薦車種 1」
この記事は今月号の特集で、この年の傾向と各メーカーの自転車を紹介しています。この年の傾向は、大きな流れとしてセミドロップバー、ワイドレシオ、各種の電装、黒の塗装が多く、それらを使い分けて高級車から一般車、子供車までが構成されています。自転車が取り上げられているメーカーは、片倉自転車、ゼブラケンコー自転車、日米富士自転車、ブリヂストンタイヤ、丸石自転車、宮田工業の各社。自転車は、スポーツ車を中心に写真入りで紹介しています。
「最近のヨーロッパの自転車」
これは、イタリアのミラノショーを視察した日米富士の部長にインタビューした見聞を記事にまとめたものです。当時のヨーロッパではミニサイクルが流行しており、市中でも相当目立っていたということです。一方ミラノショーでは、4年前に見られた多種類のミニサイクルが、この年のショーではフレームの形や細かい仕様がある傾向に絞られてきており、ミニサイクルが試行錯誤段階から第二段階へ移行したように感じたといいます。スポーツ車に関しては、日本と違って色々なアクセサリーをつけたにぎやかな自転車が一つもなかったということ。また、子供用の自転車がよく考えられていて、細身のフレームパイプやそれにマッチした部品までがあり、子供用でもバランスの良いものが出来ているということです。
「プレス加工のはなし」
ここでは自転車部品によく使われている、金属のプレス加工について解説しています。最初にプレスの素材と金属の結晶と繊維組織について解説。ついでプレスの加工方法とプレス加工品の性質について少し専門的な内容も含めて解説しています。
「海の男のモーレツサイクリング」
この文は、記録映画の仕事をしている筆者が数年ぶりに自宅で過ごす正月休みを利用して房総一周二泊三日のツーリングに出たサイクリング紀行です。実家となる安食を元旦の朝に出発した筆者は、前夜の寝不足と元旦で大半の店が休みのため食事にも難儀しながら大原まで走って割烹旅館に空きを見つけて宿泊します。翌日は出発時にくるぶしに激しい痛みを感じましたが、そのまま出発します。予定では千倉、白浜を巡って館山へ行くつもりでしたが、痛みのために鴨川から保田へ抜けることとします。保田からは富津まで走り、青堀温泉の宿に泊まりました。最終日はくるぶしの痛みがさらに増したため普通にペダリングできず、右は踵でペダルを踏んで走りました。筆者は木更津、千葉から酒々井、成田を抜け安食の自宅に夕方帰着することができました。
「VOICE OF CYCLIST 樹材のライフサイクル」
ここでは、植物一般のライフサイクルのバランスについて述べています。かつて「暗く恐ろしい」といわれた箱根を走っても現在はかやとの原が多くなっている例を筆者は挙げています。これは、植物は群生することによって自らの生活環境を維持している所がどこかで切り離され、ライフサイクルのバランスが崩されて再生が不可能になったことが要因であるとしています。そして、この当時の富士スバルライン周辺の道路整備と森林の後退を上げ、森林保護と道路整備について意見を述べています。
「枝折峠・銀山湖への秘境ツーリング」
これは、アルプスの萩原慎一氏によるサイクリング紀行です。筆者は11年前に訪れた地を再訪するために旅装をととのえて8月の初めに三日間の山旅に出ます。上越線小出駅から前日の晩に誘ったACFメンバー一人とともに枝折峠へ上って行きます。峠の頂上は450台も駐車できる広場もできて、前回訪れた時からは全く変わり果てていました。峠を後にして下りてからは銀山平の宿に泊まりました。翌日は宿を出た後に中荒沢から銀山湖を渡る船に乗って終着点から再び走り始めます。七入りまで走って一泊し、翌日は湯山峠を越えて尾瀬沼に出て、更に三平峠を経て沼田まで出る計画を紹介して紀行文を終えています。
「あの道この道 旧中山道 その十六」
このコーナーは、現在でも残っている旧街道の道のりや名残などを紹介しています。今回は旧中山道を辿っています。今回は岐阜から河渡、美江寺、赤坂、垂井と走って関ヶ原まで進んでいます。
「古東海道を探る」
ここでは東海道の原型となった古東海道の、主に神奈川県下に残された跡とその周辺を紹介しています。第六回は「箱根越えの道を探る」と題し、足柄道、湯坂道、碓井道を辿るサイクリングを行っています。
「ぐるーぷ くらぶ便り」
ここでは、各地のクラブやグループから届けられた情報を紹介しています。今回は大学の2クラブと仙台のクラブから情報が寄せられています。
「パニアバッグ」
このコーナーは、読者に開放されているページです。今月号は各種の質問が多数寄せられているほか、投稿によるフィクションのショートストーリーが掲載されています。
1970年2月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車の「シャインスター」でした。
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