ニューサイクリング 1973年12月号(No.109)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1973年12月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1973年12月号は、通巻109号です。

この号のグラビアは「ツーリングの印象 乗鞍で」「信州・塩田の古刹めぐり」「マイパスハンティング 10」です。

通巻109号の目次をページ順に追うと、

14 座談会 オーダーメイドを考える

26 メカニズム 小径輪行車の製作5〈ホイールその他〉 チタニウムのフレーム

34 エッセイ サイクリング雑論〈自転車に乗らないサイクリスト〉

48 ツーリング 郷愁の街道〈杖突街道・大平街道〉

56 ツーリング 初秋の峠越え〈馬越峠・武道峠〉

62 ツーリング 金沢峠慕情

66 レース シクリスム〈ドーピングの問題〉

71 コレクションメモ〈だるま自転車各種〉

73 '73総合目次〈No.98~No.109〉

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「座談会 オーダーメイドを考える」

この記事は自転車のオーダーメイドのマンネリ化、画一化がみられる当時の状況を鑑みて、オーダーとは何かということを一緒に考えてみようという意図で企画された座談会の記録です。座談会は今井編集長の司会で業界関係者3名が出席して、オーダーに関してその目的、手順、動機、車種、個性、基本その他について語り合っています。


「輪行サイクリングを目的とした自転車の製作手記 5」

この文は当時千葉大のサイクリングクラブに所属していた筆者による小径輪行車製作記の連載です。今回は最初に、フレーム製作時に治具を作らずにボトムブラケットをロー付したためにチェンラインが出ない大失敗をしたことを挙げています。その他には、チェーンステーの加工、塗装、ホイール、ブレーキ、キャリアのことについて作業過程を紹介しています。


「チタニウムのフレーム スピードウェル輸入(日直商会)」

ここではイギリスのスピードウェル社から輸入されたフレームを写真入りで紹介しています。

※目次では他の記事と混同して「チタニウムのフレーム」として掲載ページが26ページと出ていますが、実際には33ページに掲載されています。


「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」

ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「サイクリング雑論」という題で、サイクリングトロフィー、パターソン・ブック、スポーティ・ミニベロ、女性用サドル、誌上討論会について自身の経験や意見を述べています。


目次にはありませんが、38ページからは「アフリカ自転車旅行レポート 5」が掲載されています。この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。今回は「第三部 スワヒリ圏にて〈その1〉」と題し、タンザニア、ケニア、ザイールで見聞したことを送ってきています。


「郷愁の街道を行く」

筆者は新宿発の夜行に乗って移動、早朝の茅野駅に降り立ちます。駅前で自転車を組み立てサイクリングを開始、まずは杖突峠を目指します。開店時間前に峠の茶屋を過ぎて峠を越え、そのまま杖突街道を高遠まで下っていきます。さらに美和ダム、市野瀬、分杭峠、鹿塩と過ぎて松川町で宿を探して旅館に泊まりました。翌日は三州街道に出て飯田まで走り、ここで食料を買い込んで飯田峠に向かいます。大平街道を進みやがて松川ダムが完成すると湖底に沈む谷を過ぎ、飯田峠と木曾峠を越えて妻籠宿へ入ります。妻籠では役場で紹介された民宿に泊まりました。翌日は深夜に雷の音で目を覚まし、止むことを願って朝まで寝ましたがはたして雨は止んでおらず、予定を短縮して馬籠へ向かいました。馬籠峠へ上る途中では雨から雪に変わりますが、峠の茶店で休んでから外に出ると雲の切れ目が見えていました。天候の回復を願って下っていくと雪はやがて雨に変わり馬籠宿に着く頃には雨も上がりました。そしてここで筆者は木曾路に別れを告げて中津川の駅に向かいました。


「初秋の峠路を行く」

筆者は新宿発の夜行で移動してまだ夜が明けぬうちに小淵沢の駅に降り立ちます。ここで小海線に乗り換えようとしましたが混雑のために乗れず、居合わせたもう一人のサイクリストと話して2時間後の列車を待たずに小淵沢駅から走ることにします。駅前で自転車を組み立てた筆者は清里へ向かう道を走り始め、途中で乗せてもらったトラックで信濃川上まで一気に進みます。川上では食料を仕入れてから馬越峠に向かいます。峠を越えてからは北相木辺りまでと考えていましたが思いのほか早く着けたので、この勢いに乗って武道峠を目指すことにします。武道峠を越えてからは浜平鉱泉まで下りていきますが目当ての宿は筆者を向かいいれる余地がなく、仕方なく乙母まで下って民宿に泊まりました。次の日は楢原まで戻ってから塩ノ沢峠への道に入ります。途中、集落の公民館で郷土芸能をやっていたので見学、地元の人のもてなしを受けてから再び峠へ向かい、峠を越えたあとは一気に下仁田に向けて下って行きました。


「金沢峠への慕情」

この文は、長野の伊那で店を営む御子柴慶治氏によるサイクリングエッセイです。筆者は朝地元を出発、高遠から杖突街道に入って2時間ほどで藤沢の集落に到着します。ここで杖突街道からそれて、金沢峠への道に入ります。途中からこぶし大の石がゴロゴロする道を登って行きやがて千代田湖に辿り着きます。ここで一息入れた後、さらに5分ほど登って金沢峠へ出ます。そして、この日は湖近くの山荘に泊まりました。翌日は宿を出てから再び金沢峠に行き、ここから杖突峠を目指します。筆者は宿の女将さんが「めちゃくちゃな道」と評する、激しい上り下りを繰り返す道を進みます。杖突峠ではレストハウスで休んでから分水地点を越え、ダウンヒルを楽しみながら途中叔母の家によって自宅へ向かいました。


「シクリスムの科学 2」

この記事は、イタリア自転車連盟のスポーツ学校が1972年に発行した「CYCLING」の英訳版の抄訳を掲載しています。今回は前回に引き続き「第一部 サイクリングとその科学」から「第二章 スポーツ衛生学」にある性の衛生学とドーピングとの闘いについてを取り上げています。


「COLLECTION」

このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、スペイン製の人形が乗っただるま自転車、手作りの日本製だるま自転車のミニチュア、ブルックボンド紅茶の景品のプラモデル、文字盤にだるま自転車が描かれたセイコー製の腕時計等を紹介しています。


目次にはありませんが、72ページには「お便りから」のコーナーが掲載されています。このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、春日渓谷と大河原峠を走った報告と、権兵衛峠の現況が寄せられています。


「'73総合目次(No.98~No.109)」

「'73総合目次(No.98~No.109)」は、NC誌1973年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。


1973年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。

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