ニューサイクリング 1973年4月号(No.101)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1973年4月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1973年4月号は、通巻101号です。
この号のグラビアは「マイパスハンティング2」「クラシックウイングナット」です。
通巻101号の目次をページ順に追うと、
10 ヨーロッパ=車界探訪 5 マドンナギザロ・デローザ・チネリなど
28 カンパニョロカタログNo.16紹介
36 自転車に対する考え方とトップチューブについた悲しい傷の話
40 佐久への道
43 ペダルモア運動とは?
48 南紀山岳ツーリング
56 オランダサイクリング参加記 下
64 私のサイクリング日記
69 第二回ヨーロッパサイクリング
70 ル・シクル一三五号から
72 製品メモ
73 コレクションメモ
74 読者の便りから
77 七三年サイクルショウ
77 ビブリオテーク(新刊紹介)
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「車界探訪」
この文は「ヨーロッパ各地気まま旅行記」と副題をつけた、当時の杉野鉄工社長の杉野安氏による見聞記です。今回は、「イタリアにて」と題し、イタリア各地を訪れた見聞を記しています。はじめは、ミラノに入ってから宮田自転車の沼氏に聞いたというマドンナ・デル・ギザロ教会を長澤氏の案内で訪れた事。あわせて、当時イタリアで修業を積んでいた長澤義明氏の人物について語っています。続いてはイタリア料理のこと、キオルダー社の工場見学のことを綴っています。そしてその後はデローザを訪れて工房を見学したこと、長澤氏のアパートを訪ねて会話した色々な内容を記しています。翌朝はチネリを訪問して商談を行ったことと、同社に対する当時の感想を述べています。
「カンパニョロカタログNo.16から」
この記事では、カタログ16号の内容を紹介しています。冒頭では、このカタログには従来とは変わってランクを一つ下げた一般サイクリング又はスポーツ車用の部品ばかりを掲載しているとしています。取り上げている内容は、前後変速機、シフトレバー、ペダル、チェンホイールセット、シートピラー、ヘッド小物、ポンプアダプター、エンド、シートピン、固定ギアなどとなっており、カタログページの写真とともに製品の仕様を紹介しています。
「シリーズエッセイ 自転車に乗らないサイクリスト」
ここでは「サイクリングと言えるとか、言えない」は別として、筆者が自転車に乗らない楽しさのようなものを綴るエッセイです。今回は「自転車に対する考え方とトップチューブについた悲しい傷の話」という題。自転車を大切にするあまり乗らなくなってしまうよりはかけた費用以上に乗ったほうがよいという筆者の意見と、あるサイクリストに自転車を見せたら傷つけられてしまったという経験談を語っています。
「佐久への道」
この文は、秩父から佐久まで走ったサイクリング紀行です。4月の終わり頃、筆者は輪友とともに列車とバスを使って小鹿野まで移動します。輪行袋から自転車を出して組み立てて午後から走り始め、最初のうちはゆっくりと、しかし登りは一気に上って志賀坂峠に辿り着きます。ダウンヒルは傾いた夕陽を見ながら走り、乙母の宿に入ります。翌日は神流川に沿って走り、武道峠を目指します。途中、川の流れに足をつけて冷やしたり、食事をとったりしながら峠の頂上に達します。峠を越えてからは佐久に入り、そこから国道141号線で海ノ口駅前まで快調に飛ばして進みます。ここで食事をとりながらこの日の宿を相談、野辺山に泊まろうと移動を開始しましたが、途中で乗せてもらったトラックが信濃川上まで行くというので、結局川上の宿に泊まることとなりました。
「島野工業が始めている「ペダル・モア」運動」
これは、企業ぐるみでもっと自転車を活用しようという趣旨のもと始められている運動について解説している囲み記事です。
「南紀山岳ツーリング」
この文は、南紀の六つの峠を越えて走ったサイクリング紀行です。初日、筆者は天王寺発の列車に乗って紀伊田辺駅まで輪行した後食事をとってから出発します。会津川に沿って上流へ進み、そこから小米峠を越えさらに虎ヶ峰峠も越えて龍神温泉まで走ってから宿に入ります。二日目は戸津川方面へ向かって雪道となった中を押しながら午廻越を越えて十津川から川湯へ抜けてユースホステルに宿泊します。3日目は宿を出てから県道、宮井で国道に出て竹筒から蟻越峠を越えて玉置へ下り、渡し船で木津呂へ渡ります。ここからは担いだり乗ったりしながら田戸へ、田戸からは小川口まで定期便の船に乗って下ります。小川口からは矢ノ川を通って熊野に向かう予定でしたが、道を間違え風伝峠を越えることとなります。峠からは阿田和まで下り海沿いを走って熊野へ入り、青年の家に宿泊しました。最終日は早朝散歩をして朝食をとってから出発、鬼ヶ城へ行ってから小坂峠を越えて熊野市駅に下り、そこで自転車を袋に収めて列車で大阪へ帰りました。
「オランダサイクリング参加記 下」
これは、筆者がオランダサイクリングのツアーに参加した海外サイクリング紀行です。前回はアムステルダムからロッテルダムまでを巡ったところまでで、今回はその続きとなります。サイクリング七日目の筆者一行はロッテルダムの宿を出発してロッテ川沿いに走り、風車で有名なキンデルダイクを目指します。キンデルダイクでは昼食をとったあとハウダに向かいます。ハウダでの宿泊は民泊で、2名ずつの分宿となりました。翌日は午前中のチーズ市でチーズの試食をした後出発、オーデワータ、ウェルデンを経由、途中からはバスに乗ってユトレヒト郊外ナイエンロード城の公園内にある宿まで移動して宿泊します。サイクリング最終日は調子よくスタートしたものの、アムステルダム近くから雨になるなかをホテルまで走ります。ホテルでは自転車を分解して輪行袋に詰め、この旅でのサイクリングは終わりとなりました。翌日は自由行動だったので筆者はカメラを携え、バスや電車を使って市内観光を楽しみました。次の日からは飛行機とバスを利用しながらスイスとフランスと観光しながら移動し、最後は空路でパリ、アムステルダム、羽田と飛んで帰国しました。
「私のサイクリング日記」
この文は、小倉のサイクリングクラブに所属する女性サイクリストによる自転車エッセイです。今回は、筆者が自転車を乗るきっかけとなったことからサイクリング車をオーダーした話。サイクリングのことは津和野路に一人で走りに出かけて行った時のことや、クラブのメンバーとともに唐津へ活きづくりを食べに行くサイクリングをしたことを綴っています。
「第2回ヨーロッパサイクリングの旅」
これは、前年開催して好評だったオランダをサイクリングする旅の告知と、その旅のために特別価格であっせんされるブリヂストンのサイクリング用自転車の写真と主な仕様を掲載しています。
「LE CYCLE No.135から」
ここでは、フランスのル・シクル誌の135号でサロンドパリに展示された新製品を中心に編集された記事のなかから掲載されたイラストを3点紹介しています。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、プラスチック製のセーフティフレームカバーを取り上げています。
※目次では掲載ページが72ページとなっていますが、記事は73ページに掲載されています。
「コレクションメモ」
このコーナーでは、自転車に関する雑貨類を紹介しています。今回は、自転車柄のシルクスカーフと綿のTシャツ、フランスの自転車切手等を紹介しています。
※目次では掲載ページが73ページとなっていますが、記事は72ページから掲載されています。
「お便りから」
このコーナーは読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、アフリカツーリング紀行を連載してい筆者への応援文、紀行文の筆者からの手紙、ニューサイ誌100号のお祝いの言葉などが届いています。
「'73サイクルショウ」
この記事は、4月の下旬から東京晴海の国際見本市自転車館で18日間にわたって開催される展示会の告知です。
「BIBLIOTEHQUE」
ここでは、サイクリングに関する新刊書を紹介しています。今回は「CYCLING」というイタリア原本で英訳された自転車レースの洋書と、第一法規出版発行の「信州の峠」を取り上げています。
1973年4月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「BS-27」でした。
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