ニューサイクリング 1974年10月号(No.119)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1974年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1974年10月号は、通巻119号です。

この号のグラビアは「フォトメンテナンスシリーズ4」「道」です。

通巻119号の目次をページ順に追うと、

10 メカニズム 座談 自転車を囲んで

18 ツーリング CYCLING IN AMERICA (1)

28 メカニズム ポリテクニーク〈性能試験の背景〉

34 エッセイ ある日曜日のぼやき

38 ツーリング ガイド風エッセイ 蔵王連峰へのいざない

44 レース ヨーロッパのレース(7)〈ツールのメカニズムについて〉

52 エッセイ 「火」のおはなし

58 エッセイ 全国ラリー広島大会に想う

64 エッセイ 峠笛吹き考〈地名研究〉

66 ツーリング 津軽

72 製品メモ

75 VÉLO SPOT

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「自転車を囲んでお話ししよう」

この記事は、以前に今井千束氏が作った自転車を題材に今井彬彦編集長を始め、自転車界の7人の識者たちが話し合った座談会の記録です。題材となった自転車はもともとロードレーサーだったものをスポルティーフに改造したものです。座談会で話題になったのは、自転車の雰囲気やムードと色彩、直付け工作の追加や部品の交換について。他にもブレーキレバーの左右の選択や自転車の表と裏についても議論されています。


「CYCLING IN AMERICA」

この記事は、杉野安氏によるアメリカでのサイクリング体験記です。今回は「アメリカのグループサイクリング1」と題して、筆者がロサンゼルスで取引先の社長に誘われて取引先の全社員とその家族が参加するサイクリングに加わって走った経験を伝えています。そしてその経験から杉野の社員もカリフォルニアでのサイクリングを体験させたいと希望者を募って行ったサイクリングの様子も綴っています。


「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引き 5」

この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回は、前回結果を紹介したチェンホイールの性能試験とその背景について、測定の指標や測定方法について詳述しています。


「ある日曜日のぼやき」

この文は、ある日曜日久しぶりに自転車に乗ろうとして土曜の夜から色々と自転車を整備しているときの様子、そして日曜は結局雨になってしまったことなどを綴ったエッセイです。


「蔵王連峰へのいざない」

この文はガイド風エッセイと称した、筆者の言う蔵王連峰7つの峠のうち、3つの峠を越えて走るルートを設定して峠の概要を案内しています。今回紹介している峠は、二口峠、笹谷峠、船引峠となっています。


「私が参加したヨーロッパのレース(7)」

この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。今回はツール・ド・フランスで実際に見てきた当時のメカニカルな部分に焦点を当てています。その内容は、この年からサンプレのクリテリウムが姿を消してスーパーLJに変わった事。プジョーチームでは、マファック・コンペティションのアーチワイヤーが走行中に外れるトラブルが出たため全てを旧型のレーサーに変えた事。クランクは身長にかかわらず、170mmのクランクを使用している事。他にもホイールの穴数の事や、ジュラエースをつけたシマノ・フランドリアチームがツールを完走したことも伝えています。


「「火」のおはなし」

この文は、サイクリストと火について綴ったエッセイです。ここでは当時のサイクリストが一般的に使用していた固形燃料「メタ」と「エスビット」の特徴や使用方法、併せて使用する調理器具について綴っています。


「第18回全国ラリー(広島大会)に想う」

この文は「マンネリ化した全国ラリーの問題点」とうたって、全国ラリーに対する意見を述べています。筆者が挙げているのは、参加者数の問題、あいさつや祝辞がすべて代理、代読であること、マスコミPRの問題、運営上の問題、参加するサイクリストの質の問題となっています。この記事の後には今井編集長が「全国ラリーの性格の違い」と題した意見文を掲載しています。


「峠笛吹き考」

ここでは「地名研究」と称して、古代にあっては音を立てるということは意味のあることであったらしいとの見地から、「笛吹」という地名について考察しています。


「サイクリングレポート 津軽」

筆者は旅サイで杉野氏が書いた「津軽旅情」に魅かれて冬の津軽を走りに行くことにします。筆者は夜行で訪れた鯵ヶ沢の駅で自転車を組み立ててから雪の降る中を走り始めます。途中で雹に降られながらも十三湖に取った旅館に辿り着きました。翌日は昼過ぎになってから、雪の積もった中を出発します。この日は下前に宿を確保、荷物を宿においてから付近をポタリングして過ごしました。そしてその夜は真夜中に部屋で津軽の地図を見ながら思い出に浸っていました。


「製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、丹下鉄工所の新ヘッド小物「レビン」、東叡社オリジナルプレーズド小物5点、カンパニョロの段付きブレーキ貫通ボルト、TAのフロントキャリア・フロントバッグ・工具3種、ブルーメル軽合ポンプ等を取り上げています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「自転車、最近の傾向と二、三の問題」と題して、当時の一般車およびスポーツ車の販売動向やサイクリングの傾向を伝えています。また問題点として、一般の人がサイクリングに専門的な自転車を使うこととなったために出てきた問題や、サイクリストにおけるオーダー論争について言及しています。


目次にはありませんが、76ページには三重県の合歓の郷で開催される「ニューサイクリング読者の集い」の告知が掲載されています。


1974年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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