ニューサイクリング 1974年12月号(No.121)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1974年12月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1974年12月号は、通巻121号です。
この号のグラビアは「自転車競技会2つ」「フォトメンテナンスシリーズ6」「雨の南房総 」です。
通巻121号の目次をページ順に追うと、
10 メカニズム カンパニョロのカタログNO.17から
20 ジャーナル サイクリング界最近の動きから(サイクリング)(メカニズム)
28 エッセイ 杉野安のヨーロッパレポート その1 エナールとは?
44 メカニズム ポリテクニーク〈マルティフリー〉
52 ツーリング アフリカグランドツーリング最終回〈さらばアフリカ〉
60 ツーリング 熊笹の峠
64 製品メモ
68 VELO SPOT
74 '74総目次
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「カンパニョロ新カタログから」
この記事は「新製品スーパーレコード」と称して、当時のカンパニョロ最新カタログのNo.17の内容をページの写真とともに紹介しています。まず初めに紹介しているのは、このカタログの目玉といえるスーパーレコードシリーズです。他にはレコードシリーズ、グランスポルトシリーズや、ワイドタイプトリプルチェンホイール、ワイドレシオディレイラーのラリーを取り上げています。
「サイクリング界最近の動きから」
この記事は「年末特集 CYCLING'74」と銘打って、サイクリングとメカニズムの傾向について書かれています。サイクリングの傾向については「新しい時代への転換」と題して、この頃から細いタイヤを使ってするサイクリングの傾向や組織離れの傾向について考察しています。メカニズムに関する傾向については「自転車部品最近の傾向」と題して、部品の高級化や高価格化、軽量化の追求や材料の変化について具体的な製品を例示しながら解説しています。
「杉野安のヨーロッパレポート」
この記事は杉野安氏による、当時のヨーロッパ自転車界の状況を伝える見聞記です。今回は「その1 ミラノにて」と題してイタリア自転車レース界の様子を伝えています。はじめは長義和選手がダニエル・モレロンからオリンピック優勝ジャージを合宿中のレースに勝ってもらったことを披露しています。また、その長選手がイタリア滞在時に世話になったというので、ミラノに行ってデローザで働いている長澤義明氏に会いに行ったことと、メルクスの自転車を作っていた長澤氏のことを伝えています。他にもそのころのメルクスのレース動向や自転車の変遷も伝えています。そして今回副題として挙げている「イタリアもうひとつの車連エナールとは?」の説明とともに、ミラノで伴走車に乗って観戦したエナールのレースレポートを届けています。
「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引き 7」
この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回はマルティフリーを取り上げ、その重要性やチェンジ性能テストについて測定方法や測定資料、そして測定結果と解析した内容を解説しています。
「アフリカ自転車旅行レポート 最終回」
この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。最終回は「第八部 さらばアフリカ」と題し、アルジェリアでは警察にパスポートをなくされて3週間近く足止めを食ったこと、その後モロッコに入国してからスペイン領のメリリャに入ったことを伝えています。それとともに、アフリカの人々の外国人に対する態度とスペイン領に入ってからの外国人に対する態度の違い、また外国を旅する時の言葉に対する姿勢についても筆者の意見を述べています。最後はフェリーに乗ってアフリカを離れたことを伝えてレポートを終えています。
「熊笹の峠」
筆者は頂上付近に道が無いという木曽の白巣峠のことが越えられるか越えられないかが気になり、とにかく行ってみることにします。友人とともに新幹線で移動し、その日は渡合温泉のランプの宿に泊まります。翌日峠に向けて走りますが、幾度も道を間違えてしまいます。ようやく正しい道を辿ることができましたが、最後は熊笹に行く手を阻まれ引き返す以外に道はなくなってしまいました。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、イタリアから数台輸入されたアルミ合金製フレームの自転車「ALAN」、杉野鉄工所の「マイティビクトリー」、ユニバーサルスーパー68のブラック、TA社の軽合金製ボトルゲージ、TTTの新型ピラー等を取り上げています。他にも新刊本として、サイマル出版会発行の「世界ペダル紀行」と朝日新聞社発行の「サイクルガイド'74・'75」も紹介しています。
「VÉLO SPOT」
このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「第五回クラブラリーの後で」と題して、クラブラリーの自由度の高い独特な運営方法に触れ、趣味というものは自分の考えに立って自分で考えて実行するべきであるという意見を述べています。
目次にはありませんが、69ページには丸石自転車が発表したエンペラーシリーズ5車種の紹介記事が掲載されています。
目次にはありませんが、70ページには「LETER TO EDITOR」のコーナーが掲載されています。このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、自転車の歴史がみられるロンドンの科学博物館の情報の他、NC誌主催のロードタイムトライアル大会の結果を掲載しています。
「'74総目次」
このコーナーは、NC誌1974年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。
1974年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ダイヤモンドシリーズ」でした。


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