ニューサイクリング 1974年4月号(No.113)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1974年4月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1974年4月号は、通巻113号です。
この号のグラビアは「冬の三陸海岸行」「マイパスハンティング 14」です。
通巻113号の目次をページ順に追うと、
14 座談会 フレーム工作側の意見と希望〈オーダーメイドシリーズ3〉
26 レース 私が参加したヨーロッパのレース〈メカニシァンとして〉
30 レース エディ・メルクス(5)ヨーロッパのチームと選手
40 ツーリング アフリカグランドツーリング 9
48 エッセイ しくりずむよもやまばなし(4) 完成車とは
54 エッセイ 風景について
60 ツーリング ばがぼんどつーりんぐ 3〈ラップランドで〉
66 「自転車専用レーン」の問題点
68 エッセイ 雨・少女そして富士
72 20分の1 ミニチュアモデル
73 お便りから
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「座談会 オーダーメイドについて フレーム工作側の意見と希望 (前)」
この記事は自転車のオーダーメイドのマンネリ化、画一化がみられる当時の状況を鑑みて、オーダーとは何かということを一緒に考えてみようという意図で企画された座談会の記録です。3回目となる今回は、東叡社の大越義則氏、ズノウ製作所の蔭山照雄氏、梶原製作所の梶原利夫氏、今野製作所の今野仁氏に進行役の今井編集長を加えた5名での会談です。その話題は、ユーザーから出される工作上できない注文や角度寸法の指定、工作する側の実際や特殊工作について等となっています。
「私が参加したヨーロッパのレース(1)」
この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。シマノは、1973年からベルギーのフランドリア社が有するプロ自転車チームのスポンサーの一員になり、またチームにジュラエースを供給することとなりました。そこで試作室でテストライダーをしていた筆者が、各地のレースに同行してジュラエースの使用状態を日本人の視点で日本語のレポートをするために、半年の予定でヨーロッパへ出張することとなりました。今回はレース参戦記の前段として、シマノがフランドリアと契約することとなったいきさつ、そして筆者のこれまでのヨーロッパのレースとのかかわりについて綴っています。
「エディ・メルクス」
この記事は「彼の生活とレースと自転車」と副題をつけた、当時のエディ・メルクスに関する様々なことを伝える沼勉氏によるレポートの連載です。連載5回目は「ヨーロッパのプロチームと選手」と題し、本題からは少し外れるがメルクスの総てを理解するための知識の一つとしての、ヨーロッパのプロチームとプロ選手についての説明となっています。説明ではヨーロッパプロチームが大別して二つのタイプがあること、そしてプロ選手たちの生い立ちや生活についてライセンス制度を交えて語っています。
「アフリカ自転車旅行レポート 9」
この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。今回は「第五部 ザイールからセントラルアフリカへ」と題し、前回の続きとしてキサンガニに上陸してからルブツを経由してブカブ、ブカブからは船に乗ってゴーマへ移動。ゴーマでは自転車の部品を手に入れてから出発、ニーラコンゴ山を見学してからブテンボー、ベニ、イシロ、ボンドを経由して国境の町まで進みます。その後オーバンギ川を渡って中央アフリカのバンガスに到着した筆者は、ケンベを経由して首都バンギに到着。ここは自転車の部品も豊富で、筆者はプジョーの店で部品を色々と買ってオーバーホールをします。しかし、試運転でトラブルが発生してリア変速機のアルビーを曲げてしまいます。それでも何とか修理、以前よりも調子よく動くようになりました。
「シクリズムよもやまばなし (4)」
この記事は、自転車のメカに関する話題を色々と取り上げていく連載です。今回は「完成車とは・・・」と題し、筆者が読者と手紙のやり取りをしたなかで話題となった完成車について、その意味をベル、ライト、リフレクターの装備という視点で筆者の考えを綴っています。
「風景について」
この文は、綿貫益弘氏によるエッセイです。今回はメンデルスゾーンのレコードジャケット、買えないレコード、通学用自転車、春休みの出来事を題材に綴っています。
「ばがぼんどつーりんぐだいありー 3」
この文は、しばらく仕事から離れてみようと思い前年にそれを実行した筆者による風来坊旅日記です。今回は「ラップランドへ向かって」と題し、今回はロバニエ郊外からソダンキュラ、イバロ、イナリ、カーマネンまでの道中記、さらにカニガスニエミまで走ってここの税関でひと悶着があったことを綴っています。
※本文では今回の題目が「ラップランドへ向かって」となっていますが、前回までで筆者はラップランドに入っています。この点から推察すると、今回の題目は目次に出ている「ラップランドで」が正しいと思われます。
「「自転車専用レーン」の問題点」
ここでは当時全国的に騒がれ始めていた自転車専用道路(レーン)について、自転車協会の仕事をしている筆者が、欧州旅行で自転車道を見てきたことを踏まえて意見を述べています。
「雨・少女、そして木賊峠の富士」
このエッセイは信濃川上から信州峠、木賊峠を越えていくサイクリングの中での、雨のサイクリングで感じること、宿泊したユースホステルでの忘れることのできない少女の思い出、そして木賊峠で見た景色のことを綴っています。
「1/20モデルのミニチュアレーサーの手作り」
ここでは読者が市販のプラモデルZ432に合わせたルーフキャリアとピスト・ロードの2台のレーサーを製作し、実際に積載した写真を製作過程とともに紹介しています。
「LETER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、教師を目指す大学生からの中高生サイクリストとの交流のことや、ニューサイ主催の映画上映会での出来事が寄せられています。
1974年4月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ダイヤモンド」でした。
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