ニューサイクリング 1974年5月号(No.114)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1974年5月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1974年5月号は、通巻114号です。
この号のグラビアは「マイパスハンティング 15」です。
通巻114号の目次をページ順に追うと、
14 レース 私が参加したヨーロッパのレース (2)
20 座談会 フレーム工作側の意見と希望(続)
34 エッセイ 風景について
42 ツーリング ばがぼんどつーりんぐだいありー 4
52 エッセイ 土鈴・富士
55 エッセイ 駅
58 10年前のバイコロジーブームの文章
60 エッセイ 道志の思い出
61 エッセイ 冬が去って、春が来て
66 ツーリング 雪の日の二つの峠
70 ベテランサイクリストの集い参加記
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「私が参加したヨーロッパのレース(2)」
この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。今回は、渡欧してフランドリア本社を訪ねたこと。翌日からはメカニックルームで見た壊れた部品類からプロロードのすごさを感じたことと、メカニシャンの仕事ぶりについて伝えています。
目次にはありませんが、19ページには「シクリズムよもやまばなし (5)」が掲載されています。この記事は、自転車のメカに関する話題を色々と取り上げていく連載です。今回は「太いタイヤ、細いタイヤ」と題し、細いタイヤで山道や未舗装の道を遠慮しないで飛ばす気持ちよさを語っています。同時に太いタイヤは悪路用、細いタイヤは快走用という先入観を考え直す必要があるのではと提案しています。
「座談会 オーダーメイドについて フレーム工作側の意見と希望 (後)」
この記事は自転車のオーダーメイドのマンネリ化、画一化がみられる当時の状況を鑑みて、オーダーとは何かということを一緒に考えてみようという意図で企画された座談会の記録です。今回は前回に引き続いて東叡社の大越義則氏、ズノウ製作所の蔭山照雄氏、梶原製作所の梶原利夫氏、今野製作所の今野仁氏に進行役の今井編集長を加えた5名での会談です。その話題は、当時のオーダーの現状やオーダーメーカーの姿勢について、フレーム作りに関する基本や小物について、フロントフォークやラグの有無について等となっています。
目次にはありませんが、29ページには「製品メモ」のコーナーが掲載されています。このコーナーは、自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、サンツアーの「サイクロン」の前後変速機、グランコンペのサイドプルブレーキ、吉貝の記念品として製作されたブレーキ部品をアクリル樹脂に封じた文鎮を取り上げています。
「風景について」
この文は、綿貫益弘氏によるエッセイです。今回は筆者の落花狼藉の話、サイクリングと酒の話、サイクリング先での故障とフリーのフタが外れた話、塩山駅での出来事について綴っています。
「ばがぼんどつーりんぐだいありー 4」
この文は、しばらく仕事から離れてみようと思い前年にそれを実行した筆者による風来坊旅日記です。今回は「スカンジナビアを南下する」と題し、国境を越えてノルウェーに入り、カラショク、ラクスエルブ、レプボーグと走り、ここからフェリーに乗ります。着いた先はマーゲル島のホニングスボーグで、ここからノールカップまで走りテント泊します。翌日は天気が良ければ1日ゆっくりしようと考えていましたが、朝は雨だったため荷物をまとめて港に向かいフェリーに乗って移動、その後は道路E6を走ってスカイディを経由してアルタの先までの出来事を綴っています。
「土鈴・富士」
このエッセイでは、筆者が訪れた山梨の釜額を訪れた時に魅入られた土鈴の話と、富士山を訪れて思ったことを綴っています。
「駅」
この文は、サイクリング中輪行のために訪れた駅での出来事や駅長とのやり取りを綴ったエッセイです。
「10年前のバイコロジーブームの文章」
ここでは読者から送られてきた、昭和39年に書かれたものという「サイクリングは最苦輪愚」だろうかと題した後のバイコロジーブームを予測した文章を紹介しています。
「道志の思い出」
この文は、まだほとんどの道のりが未舗装であった道志街道を走った時の思い出を綴ったエッセイです。
「冬が過ぎ春が来て」
この文は、サイクリングで訪れた宿に着いてからのことを綴ったエッセイです。
「雪の日の二つの峠」
この文は、元日の朝から広島の盤之谷峠と坊地峠を越える雪中サイクリングに出た時の様子を綴ったサイクリングレポートです。
目次にはありませんが、69ページには書籍紹介の記事が掲載されています。ここでは、前年にアメリカで発行された本が講談社から日本語版として「ポスター・アート 自転車の100年史」という題名で発行されているものと、パールイズミのカタログを紹介しています。
「ベテランサイクリストの集い参加記」
この記事は、前年の12月にミノムシサイクリングクラブ主催により沢渡温泉で行われたベテランサイクリストの集いに参加した筆者によるイベントレポートです。
目次にはありませんが、72ページには「LETTER TO EDITOR」と思われる記事が掲載されています。思われるというのはタイトルスペースが欠落状態となっているためです。この記事では、オーダーメイドに対する意見が2件と、中央大学サイクリング同好会春合宿だより、そしてMCC(港サイクリングクラブ)の記念タバコ製作の情報が掲載されています。
1974年5月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ロードマン」でした。
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