ニューサイクリング 1974年6月号(No.115)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1974年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1974年6月号は、通巻115号です。
この号のグラビアは「北山ポタリング」「フォトメンテナンスシリーズ 1.」です。
通巻115号の目次をページ順に追うと、
18 レクチュア ポリテクニーク 1〈部品の評価と選択〉
22 レース エディ・メルクス 6 〈ヨーロッパのプロレース〉
38 レース 私が参加したヨーロッパのレース (3)
42 メカニズム ラレーカールトンを見る
48 ガイド 私の峠コースガイド
54 ツーリング 奥利根・玉原越え
62 ツーリング アフリカグランドツーリング (10)
71 ツーリング ばがぼんどつーりんぐだいありー
80 ツーリング センチュリーをやろう
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引き 1」
この記事は今月号から始まった鳥山新一氏執筆による新連載で、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図しています。そして、サイクリストが自分の車に採用する部品の、その判断や根拠をどこに置くかという点が、当時は意外に突き詰められていない現状であったので、何らかの方向を各人が得られることを目標としています。今回は前段として、「良い車」「良いパーツ」とはどんなものか、それらをどうやって評価するかといったことを解説しています。
「エディ・メルクス」
この記事は「彼の生活とレースと自転車」と副題をつけた、当時のエディ・メルクスに関する様々なことを伝える沼勉氏によるレポートの連載です。連載6回目は「ヨーロッパのプロレース」と題し、今回も本題からは少し外れるが自転車レースの歴史と形態によるレースの分類、そしてプロロードレースの名前による分類について解説しています。
「私が参加したヨーロッパのレース(3)」
この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。今回は、筆者が1973年に見たロードレース21戦を一覧で紹介。そして初レースとなるパリーニースから4月に行われたツール・ド・インドル・ロワールまでの9戦のレースレポートを、最後には一番印象に残ったという宿で出された白ワインの味について綴っています。
「新着ラレーカールトン「プロフェッショナル」の雰囲気とそのメカニズム」
この記事は、当時新たに入荷した英国ラレーカールトンのロードレーサー「プロフェッショナル」を写真とともに紹介しています。
「私の峠コースガイド」
ここでは、筆者のすすめる山岳サイクリングのコースを地図と文章で紹介しています。取り上げているコースは、奥多摩の高水三山、菩提峠、奥高尾縦走、石老山、穴路峠、天城峠、風速峠、国士越、忍野八海となっています。
「奥利根・玉原越え」
筆者は前日の天気から一転した雨の中、前夜泊まった山小屋を出発します。藤原湖まで下って藤原ダムを過ぎ玉原越えにかかります。道はやがて藪と化し、ガスも出てきました。藪からやがて熊笹に変わるなかを進みようやく峠に辿り着きます。筆者はここで軽い食事をとってから、紅葉に覆われた緩やかに下りを下っていきました。
「アフリカ自転車旅行レポート 10」
この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。今回は「第六部 西アフリカを行く」と題し、中央アフリカの首都バンギを出発してからカメルーンの首都ヤウンデまでの出来事、ピーナッツばかり食べておなかを壊したこと、アフリカ美人のこと、マラリアに罹患したことを報告しています。他にも自転車の状態も悪く、フロントフォークにひびが入ったりしているがヤウンデのサイクリングショップは貧弱で希望したものが手に入らないことを伝えています。筆者はさらにカメルーンからナイジェリア、ダホメ、トーゴ、ガーナと進んでおり、各国々での出来事を伝えるとともに、アフリカ諸国統一の大きな障害について筆者の意見を述べています。
「ばがぼんどつーりんぐだいありー 5」
この文は、しばらく仕事から離れてみようと思い前年にそれを実行した筆者による風来坊旅日記です。今回は「北極圏のきびしさ ノルウェー北部」と題した内容です。筆者はアルタを過ぎてから自転車の不調に見舞われ、また自転車と船を使ってトロムソまでの移動中は体も不調になります。そして、トロムソでは目当てのユースホステルが閉館していたのでテント泊することに。その先は冷たい雨に悩まされつつ走って、カスルベルゲトからフェリーでボグネスへ渡りました。
「「センチュリイ」をやろう!」
この記事では、鳥山新一氏が走るサイクリングとしてのセンチュリイ・ランを提唱しています。筆者はイギリスの「スタンダード・ラン」と「センチュリイ・ラン」の違いを解説しつつ、センチュリイ・ランを提唱する理由を説明しています。
目次にはありませんが、84ページからは「書評」のコーナーが掲載されています。今回はごま書房から刊行されたテクノロジー・アセスメントという視点から書かれた「自転車の科学」が取り上げられています。
1974年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ロードマン」でした。
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