ニューサイクリング 1974年7月号(No.116)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1974年7月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1974年7月号は、通巻116号です。

この号のグラビアは「一志から美杉へ」他です。

通巻116号の目次をページ順に追うと、

18 ツーリング 秘められた沼と二つの峠

26 ツーリング われらさいはてに (上)

36 エッセイ 風景について

42 サイクリングとスポーツについて

48 レクチュア ポリテクニーク 2

56 レース エディ・メルクス 7 〈ヨーロッパのプロレース〉

66 レース ヨーロッパのレース(4)

70 ツーリング アフリカグランドツーリング(11)

76 ツーリング ばがぼんどつーりんぐだいありー

82 輪行車の新しい工夫〈富士カセットサイクル〉

84 お便りから

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「秘められた沼と二つの峠」

この文は、今井千束氏による奥羽山中へ走りに行ったツーリング紀行です。筆者は昔本で読んで興味を持った魚取沼とそこにいる鉄魚を見ようと父の今井彬彦氏とともに山形市から走り始めます。東根を抜けて峠に向かいましたが同行の父が引き返すというので、その日は東根温泉泊としました。翌日は背炙峠を越え銀山ダムまで走り、この日は銀山温泉に投宿しました。次の日は、魚取沼を目指して完全舗装の母袋街道を母袋過ぎの登りまで順調に進みます。しかし、宿泊した温泉宿の番頭さんからその年はまだ鍋越峠越えてきたものを知らないという通り、宮城・山形県境周辺の道は雪に覆われていました。峠を越し街道の入口から魚取沼への道に入るとすぐに道の判別もつかないような積雪になっていました。行けるところまで行ってみようと先に進みますが、やがて雪の上に自転車を放置して進まなければなくなりました。そして尾根をいくつかまき、一つのヘアピンを過ぎたところで道は雪の絶壁にとけこんでおり、引き返すことを余儀なくされました。この後筆者達は中羽前街道等を走って古川市で一泊、翌日強い向かい風の中を仙台まで走ってツーリングを終えています。


「我ら、さいはてにて・・・ (上)」

この文は、神奈川大学CCの北海道合宿ツーリングのクラブ員によるレポートです。クラブの合宿は東京から乗船予定のフェリーが悪天候の為に欠航となるハプニングからスタートしました。釧路に上陸した一行は厚岸、風連湖、納沙布岬、厚床とキャンプ泊をしながら移動し、5日目は尾岱沼の民宿に泊まりました。今回はここまでの道中の出来事と、最後にサイクリング本質論として筆者の考えを述べています。


「風景について」

この文は、綿貫益弘氏によるエッセイです。今回は信濃川上から三国峠越えて中双里まで下りるまでの道中やそこで見た風景について以前の体験も交えながら綴っています。


「サイクリングとスポーツについて」

ここでは「サイクリングの位置づけの一考察」と副題をつけ、スポーツの定義を紹介しながら筆者の考えるサイクリングの定義とスポーツの中に占める範囲について考えを述べています。


「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引き 2」

この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回は最初にフレームについて、当時の「フレームにパーツを組み付ける」という古い発想を捨てなければならないとし、その意図を説明しています。次にパーツの良否について、実用車からスポーツ車の時代になって、以前の耐久性重視から性能重視に変わってきているが、当時の日本は性能判定の基準がなかった為いろいろな「神話」や「迷信」が生まれたことや「高い月謝」を払わされることになる状況であることを述べています。そして昭和25年ごろから「輸入外国車自転車研究」事業によって海外からの情報がもたらされたことと、それがその後の日本のパーツ開発に与えた影響などを解説しています。


「エディ・メルクス」

この記事は「彼の生活とレースと自転車」と副題をつけた、当時のエディ・メルクスに関する様々なことを伝える沼勉氏によるレポートの連載です。連載7回目は前回に引き続き本題から少し外れますが「ヨーロッパのプロレース(続)」と題し、年間約200レースといわれるプロロードレースの出場資格や、2月から10月までのスケジュールから主だったレースについて解説しています。そして最後には、これらプロレースの価値のランク付けはどのように決まっていくかの解説も加えています。


「私が参加したヨーロッパのレース(4)」

この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。今回は、5月に行われたチューリッヒ選手権、シマノケッティングが参加したアマチュアオランダ1周レースをレポートしています。そして、ジロデイタリア開始前のチームの様子と、メカニシャンからの視点でとらえたレポートも綴っています。


「アフリカ自転車旅行レポート 11」

この文は、アフリカでサイクルツーリングをしている大学生から送られてきた旅のレポートを紹介している連載です。今回は「サハラ横断の挫折」と題し、ガーナのアクラで8人の日本人旅行者とともに過ごしたり、コートジボアールのアビジャンでクリスマスを過ごしたことを自転車旅行以外のこととして伝えています。その後アクラからツーリングを再開した筆者はオートボルダ、ニジェールと進みますが再びマラリアにかかり、念願だったラクダに乗ってサハラ横断することを断念することとなりました。


「ばがぼんどつーりんぐだいありー 6」

この文は、しばらく仕事から離れてみようと思い前年にそれを実行した筆者による風来坊旅日記です。今回は前回同様「北極圏のきびしさ ノルウェー北部」と題し、ボグネスからファウスケ、モイラナ、モスジェーン、マヤバトン、スマローセンまでを雨、そして雪に降り続けられ、さらに自転車の不調が続出しながらもキャンプ泊しながら進んでいきました。


「輪行車の新しい工夫 富士カセットサイクル」

この記事では富士自転車が発表した、フロントフォークの分解方法に独自の方式を採用した輪行車を紹介しています。フォークの分解方法はステムの引き上げ望を緩めるとフォークコラムも分離ができるもので、分解時の写真も掲載しています。


「LETER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、編集方針に関する意見や、掲載記事に関する情報などが寄せられています。


1974年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストン自転車「ロードマン」でした。

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