ニューサイクリング 1975年10月号(No.131)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1975年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1975年10月号は、通巻131号です。

この号のグラビアは「CHAPIONNAT DU MONDE 1975 BELGIQUE」「第3回クラブ対抗自転車競技大会」「野麦峠」です。

通巻131号の目次をページ順に追うと、

16 特集えっせい サイクリングの印象 「上り」と「下り」

22 レース 連載パリからの便り TOUR '75

32 レース 世界選手権から

34 犬越路周辺の地質

40 雑学のたのしみ

54 あるクラブの記録から 東京→新潟耐久ラン

58 えっせい わが避暑行始末

60 シリーズ 路傍の文化財(15)

62 パターソンブックを見て想う パターソンの印象

72 No.128の宿題と解説 レイノルズ531のメリット

80 旅 若い二人の自転車旅行 松姫峠

84 お知らせ

87 製品メモ

89 VÉLO SPOT

90 LETTER TO EDITOR

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「サイクリングの印象 「上りと下り」」

この記事は、10月号の特集エッセイです。最初は今井編集長が山に向かうサイクリストの心情、サイクリストだけが感じ取っている上りや下りの魅力について語っています。そしてその魅力を語るものとして「坂を上る」「坂を下る」と題したエッセイを綴っています。その後には他の筆者による「バンダとヒラ」「乗鞍からの自信」と題したエッセイ2編も掲載しています。


「NOUVELLES DE PARIS」

この文は「パリからの便り」と称した、加藤一氏執筆による連載です。今回は「随想IXツール'75その2」と題して、前回から続いてこの年のツール・ド・フランスの勝者ベルナール・テブネやエディ・メルクス他主要選手のレース展開を主に伝えています。他には、これからのツールの方向性について議論が出始めていることについても言及しています。


「75年世界選手権から」

この記事は、ベルギーで開催された世界選手権のなかから、日本の阿部良二選手が3位になったプロスプリント、4000m個人追抜、4000m団体追抜の様子を千葉洋三氏がレポートしています。


「犬越路周辺の地質について」

この文は、大学のサイクリング同好会による地質学レポートです。レポートでは、丹沢の生い立ちに始まり、犬越路の地質巡検ランで調査した断層や岩石の様子など地質に関する報告を行っています。またこの調査に基づいて、丹沢に崖崩れが多い理由について考察を述べています。


「この頃考えていること7」

この記事は、アルプスの萩原慎一氏の執筆による連載です。今回は「雑学のたのしみ2」と題し、前回に引き続いて自転車で旅に出た時に役に立つであろう知識としての雑学について、天気図に関連することとして移動性高気圧と台風の進路について、また天気とは離れますがナイトランでのトラブルとその解決法などを述べています。


「あるクラブの記録から 東京→新潟耐久ラン」

この記事は、クラブの定例会で東京から新潟まで1日で走り切ろうとなって3人が挑戦した記録です。3人は東京を出発して国道17号を北上して三国峠、火打峠を越えて長岡から国道8号に入ってトップの走者が1時間ほどの休憩を含めて16時間余りで、そして3人とも新潟駅前にゴールするまでの過程をレポートしています。


「わが避暑行始末」

この文は、筆者が上高地の帝国ホテルへ避暑に出かけた時のことを綴ったエッセイです。最初のうちは値段を気にせず飲み食いしていたところ、帰還前日に予算が尽きたことに気づき、残りの一日と帰りの日は先に帰った連れが残していった乾パンで過ごすことになりました。


「路傍の文化財15」

この文は、筆者がサイクリングの際に見てきた路傍の文化財を紹介していく企画の連載です。1972年から1973年にかけて連載されていた企画記事の続編です。連載第15回は「(続)地蔵様」と題して、前回に続き地蔵様について奈良時代からの変遷や六体造立の根拠、各地の六地蔵について紹介しています。


「パターソンの印象」

ここでは、フランク・パターソンが活動していた時代、まだ写真を豊富に使えなかった頃のイラストの報導性についてとパターソンの画風について述べています。あわせてパターソンの人物像に触れたり、ベロ出版社が復刻したパターソンブックに対する感想も述べています。


「128の宿題から REYNOLDS531のメリット」

この記事は鳥山新一氏執筆による、レイノルズ531を取り上げてその名声やメリット、行ったテスト結果について解説しています。記事の後半には、1975年7月号の記事中に出した宿題「531のフレームは実際に乗って走ったときに、サイクリストについて本当にどれだけのメリットがあるのだろうか」という問いに対する読者からの解答を4件と鳥山氏による批評も掲載しています。


「松姫峠 若い二人の自転車旅行」

結婚して半年の筆者は、妻とともにツーリングに出発します。初日は都内を出発して青梅街道から奥多摩湖を経由して小菅まで走って宿に入ります。翌朝は雨が降っていましたが出発する頃には止んだので予定通り松姫峠を越えることにします。2時間ほど進んだところで峠に到着、ここで食事をとったあと下りにかかります。下りは途中で大きな土砂崩れがありましたが、自転車を担いで通り抜け猿橋までのダウンヒルを楽しみます。そして甲州街道に出てからは昼食を食べて再出発する頃から降り出した雨の中を走り続け、夕方無事自宅に帰り着きました。


「お知らせ」

ここでは、「第6回クラブラリー」「NC誌主催第三回ロードタイムトライアル」の開催告知と、「第三回クラブ対抗自転車競技大会」の運営内容を伝えるレポートを掲載しています。


「製品メモ」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、ハンドルに取り付けるキャリアやバッグサポーター、ミロワール・ド・シクリスムの合本用ファイル、カンパタイプのブレーキレバーパッド等を取り上げています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「自分だけの世界を」と題し、日本人の通性といわれている「付和雷同」や「・・・一辺倒」はサイクリングの世界でも著しい。しかし、サイクリングはより個性的であるべきだとしています。また、自転車のメカニズムにしても懐古趣味的に部品を追い求めるだけではなく、それに関する歴史的背景やその過程などを追及する心がけがあってほしいといっています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、パターソンブックを入手した感想、しらびそ峠の道路状況、輪行車のありかたに対する疑問が寄せられています。


1975年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル工業「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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