ニューサイクリング 1975年2月号(No.123)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1975年2月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1975年2月号は、通巻123号です。

この号のカラー口絵は「年賀状コレクション'75」、グラビアは「もう一つの道楽 (1) カメラ」「ヨーロッパ駆歩きスナップ」「晩秋の大円地越」「フォトアッセンブルシリーズ1〈ブレーキの組付〉」です。

通巻123号の目次をページ順に追うと、

16 恒例御存知 年賀状コレクション'75

24 座談会 自転車談議

32 新連載 NOUVELLES DE PARIS

38 連載 ポリテクニーク〈リヤディレイラー〉

50 連載 杉野安のヨーロッパレポート 最終回

60 連載 私が参加したヨーロッパのレース(終)

64 UCI公認自転車競技世界記録から

66 旅 晩秋から初冬への印象

72 エッセイ 脱大学サイクリングクラブ=WFR

84 メカ アランの軽合金フレーム 分析とその試乗記その2

88 マーク〈その意味するもの〉

89 VÉLO SPOT

90 LETTER TO EDITOR

91 サイクリング写真集団から

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「御存知 年賀状コレクション'75」

この記事は毎年の恒例となっている特集で、読者やクラブ、ショップから届いた年賀状を紹介するコーナーです。この年は、編集部に届いた約230枚の中からカラーの口絵で紹介した8枚の他、99枚の年賀状を誌面で紹介しています。そして、掲載できなかった分については年賀状を寄せられた方の氏名を掲載しています。


「自転車談議」

この記事は前年の10月号に続く自転車を囲んでの座談会第2弾です。今回は読者の所有する東叡社で製作した1台を題材に、うるさがたのサイクリスト4名と編集部の2名を加えて繰りひろげた自転車談議の記録です。座談会で話題になったのは、オーダーとは何か、良い自転車は何かといったことから、チェンリングの切り抜きやクランクのダストキャップ、トークリップについて等多岐にわたっています。


「NOUVELLES DE PARIS」

この文は2月号から始まった新連載で、加藤一氏によるパリからの便りです。今回は「随想1」として、初冬の自転車関係団体の理事会のこと、パリにあったヴェロドロームや六日間競争のこと、世界選手権に関する話題などを伝えています。


「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引き 9」

この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回は前回に続いてリアディレイラーを取り上げています。そしてテストはクロウアダプターを使用した場合と専用の直付けエンドを使用した場合の変速性能と、ハブ軸位置の違いによる性能を測定した結果を示しながらその原因について考察しています。


「杉野安のヨーロッパレポート」

この記事は杉野安氏による、当時のヨーロッパ自転車界の状況を伝える見聞記です。連載最終回となる今回は「ミラノにて その3 ヨーロッパレース界のうわさのチャンネル」と題して当時のアルミやチタンのフレームに関する状況や75年シーズン、メルクス、モレロンに関する話題を伝えています。他にも噂話として、日本資本のヨーロッパ進出に関する話、カンパ社が売りに出ているという話なども綴られています。また、ル・シクル誌の廃刊の報やミラノのシャツ屋の話なども話題に上がっています。


「私が参加したヨーロッパのレース 最終回」

この記事は、シマノ・フランドリアチームのメカニシャンとして帯同したシマノの中村博司氏によるレース参戦記です。今回はロンドンで開催された六日間レースについて観戦した感想と共に、六日間レースとはどのようなレースなのか、競技の内容やスケジュール、レースが行われる競技場のこと、そして競技に使用される自転車のことなども伝えています。


「UCI公認自転車競技世界記録から」

この記事では、プロ・アマ・女子、そして屋内外の各距離別タイムトライアルとアワーレコードの世界記録を一覧にして紹介しています。


「晩秋から初冬への印象」

この文は前年の晩秋から初冬の頃、紀伊長島から尾鷲、新宮、瀞八丁、十津川、池津川、高野山と巡って奈良盆地へと向かうまでのの道中を綴った自転車一人旅の記憶です。


「脱大学サイクリングクラブ=WFR」

この文は、早稲田大学の当時4つあったうちの一つWFRのメンバーである筆者が、同会の特色とその活動内容について最大公約数的主観で書き綴ったものです。


「アランの軽合金フレーム」

これは「分析とその試乗記」と副題をつけた、島野工業の長谷部雅幸氏執筆による記事です。今回は「分析の結果と感じた事」と題し、筆者がケルンショーで入手したアランのフレーム2本を日本に持ち帰り、そのうちの1本を組み上げて走ってみた感想を述べています。また、前回の記事で解体分析したフレーム各部に使われている部材の材質の解析結果も紹介しています。


「マーク・・・その意味するもの」

ここでは、当時コレクターズコレクションと称して販売されていた自転車パーツメーカーのイミテーションシールのセットを取り上げて、マークの持つ意味と日本人と外国人がもつマークに対する観念の違いを紹介しています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「アダルト指向」と題し、今までは自転車やサイクリングが子供や青少年のものとみていた向きから大人向けとなるアダルトの時代が到来しつつあるとして、アダルト用の自転車やサイクリングとして考えるべき点を述べています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、当時増えつつあったカーサイクリングへの意見と、玉原周辺の峠情報が寄せられています。


「サイクリング写真集団から」

ここでは、前年に発足した「サイクリング写真集団」の紹介と活動報告、そして事務局連絡先の案内を掲載しています。


目次にはありませんが、91ページには「自転車と他の交通機関とのコストの比較」が掲載されています。この記事は、自転車広報センターが調査した徒歩、自転車、バス、自家用車、タクシー、電車、地下鉄のコスト調査の結果を紹介しています。


1975年2月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル工業「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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