ニューサイクリング 1975年5月号(No.126)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1975年5月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1975年5月号は、通巻126号です。
この号のカラー口絵は「大井川源流をゆく」、グラビアは「もう一つの道楽 4〈酒〉」「冬の阿武隈」「ついに日本に姿を現した SUPER RECORD」です。
通巻126号の目次をページ順に追うと、
18 特集 マスプロメーカーの動きから 高級スポーツ車の傾向
26 座談会 旅のよもやま話
34 連載 NOUVELLES DE PARIS
39 連載 この頃考えている事
40 連載 ポリテクニーク (レバー)
46 連載 スプリントの世界
74 レース 三本の白い線
80 メカ 650Bの丸タイヤを実際に使用して
82 寄せられた投書を巡って ブレーキの科学
96 旅 隠岐の島 知夫里島
98 製品メモ
99 VÉLO SPOT
100 LETTER TO EDITOR
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「最近のマスプロメーカーに見る 高級スポーツ車の傾向」
この記事は今月号の特集で、この頃マスプロメーカーの中からが高級スポーツ車が発売されてきたことに注目して組まれた企画です。前半では、これまでのNC誌としてマスプロメーカーも高級スポーツ車を持つべきという働きかけに対する無反応と、それが変化してきていることに触れています。また、マスプロメーカーの高級志向によるオーダーメーカーへの影響にも言及しています。後半では、この頃のマスプロメーカーの高級車として、ブリヂストンサイクルのグランヴェロ、丸石自転車のエンペラーシリーズ、宮田工業のエディ・メルクスシリーズを取り上げてモデル名や仕様などを紹介しています。
「座談会 旅のよもやま話」
この記事は、よく走っているという男女各2名のサイクリスト計4名を招いて今井編集長がツーリングのエピソードを聞いた座談会の記録です。
「NOUVELLES DE PARIS」
この文は「パリからの便り」と称した、加藤一氏執筆による連載です。今回は「ゼントルマン」と題して、ゼントルマンという名称がついたペーサー付きコントル・ラ・モントルについて、その成り立ちから競技内容、そして競技終了後のイベントについて詳しく紹介しています。
「この頃考えていること3」
この記事は3月号から始まった、アルプスの萩原慎一氏の執筆による連載です。今回は「続・風とともに走る」と題して、2回目の挑戦となった東京湾一周173キロ完走の過程を綴っています。
「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引 10」
この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回はチェンジレバーを取り上げ、ここではレバーを動かす力の大小という点に注目してテストを実施。その結果となるオシログラフを示しながらその解析内容を詳しく解説しています。
「スプリントの世界」
この記事は、シマノサイクルレーシングクラブ所属の岡島伸平選手の執筆による連載です。連載の最終回は、1971年の世界選手権に出場した岩崎誠一選手のことやジョン・ニコルソン選手のスプリントにおける戦法などを取り上げています。また機材に関する話題として、トラック用リムの選択のことやフレーム強度の重要性等について、銘柄の具体名を挙げながら解説しています。
「部品開発の背景を考える カンパニョロスーパーレコードについて」
この記事は当時ミヤタ自転車に勤めていた沼勉氏の執筆による、カンパニョロのスーパーレコードについて取り上げたものです。冒頭では1973年秋に発表されたにもかかわらず、その生産量の少なさから入手困難であったこと。そのような中、当時メルクスブランドの自転車をミヤタ自転車が扱っていたことからケッセルとのコネクションを利用してようやく入手したことを述べています。そして筆者が実際に手にした時の第一印象や、スーパーレコードのセンセーショナルなデビュー手法について語っています。機材に関しては、スーパーレコードの開発目的に関する考察と、部品構成、そして各部品について写真も用いて概要や特徴を紹介しています。
「三本の白い線」
この記事はシマノの長谷部雅幸氏の執筆による、筆者がアディダスのレーサーシューズを入手し、実際に使いそして壊してみた実感を綴っています。筆者は冒頭でこのレーサーシューズを手に入れた経緯や、その後の日本での流通量について語っています。またヨーロッパでのアディダスの宣伝手法や、ツールで使用した選手のトラブルについて紹介しています。実際の製品については、製造国やシューズの構造について、そして筆者が実際に使用してみての感想を述べています。
「650Bの丸タイヤを実際に使用してみて」
この記事は、サイクルサッカー用に作られた650Bの丸タイヤを、W/Oリムとの組み合わせで使用してみた筆者による、タイヤの紹介と使用レポートです。
「ブレーキの科学」
この記事はNC誌の124号に掲載された、センタープルとカンティレバーブレーキの制動性能に差があるのだろうかという投書に対して寄せられた多くの意見を紙面で紹介しています。また記事の最後では、ブレーキ本体の力率的なことに的を絞った、鳥山新一氏による解説を掲載しています。
「ツーリングレポート 隠岐ノ島 知夫里島」
筆者は12月の下旬、大阪を発って翌日の朝に境港発の船に乗って隠岐の島を訪れます。筆者は知夫里島に渡り、荷物をユースホステルに置いてから島の南東を巡ります。翌日も赤壁だけを目的としてあとは島内をブラリと走り、翌日は西ノ島へ渡ることとしました。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、東京サンエスのソネット型ベルや軽合ボトルケージ等を取り上げています。
「VÉLO SPOT」
このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「自然開発とサイクリスト」と題し、当時の道路工事の拙劣さと無神経さが問題になっている事を取り上げています。そのうえで山岳サイクリングの真髄について筆者の考えを述べています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、サイクリング協会に対するその在り方への疑問を呈する投稿が寄せられています。
1975年5月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル工業「グランヴェロ 第一弾・ロード&トラック」でした。
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