ニューサイクリング 1975年6月号(No.127)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1975年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1975年6月号は、通巻127号です。
この号のカラー口絵は「'75サイクルショー」、グラビアは「もう一つの道楽5〈クラシック音楽〉」「速報 P.ペテルセン,J.ニコルソン選手来日」「天城旧峠と仁科峠」です。
通巻号の目次をページ順に追うと、
16 特集 雨の中のサイクリング
26 雨のえっせい
28 巳の神
30 雨とカメラ
32 雨具について
38 連載 NOUVELLES DE PARIS
44 連載 ポリテクニーク (ケーブル)
60 エッセイ 色にまつわる話
64 旅 奥武蔵の春
66 〈路傍の文化財〉秩父の石仏
68 連載 この頃考えている事
72 エッセイ 自転車と絵と
76 メカ カンパニョロ スーパーレゲロ チネリ M71 ペダル
82 製品メモ
86 RTT報告
89 VÉLO SPOT
90 LETTER TO EDITOR
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「雨の中のサイクリング」
これは6月号の特集で、雨にまつわるサイクリング紀行、雨期に備えたサイクリストの経験と処理などを取り上げています。特集の最初は「特集紀行 雨」と銘うった紀行文を4編掲載しています。その4編の題は「雨と霧の高千穂峡」「ある予感」「雨の内山峠」「小雨降る伊勢志摩」となっています。
「雨のえっせい」
これは今月号の特集のひとつで、今井編集長による特集随筆です。その内容はサイクリング黎明期にわざわざ雨の日を選んで走った時のエピソードや、道路が舗装されていない時代に雨の北国街道を走った時に経験したことなど、雨の日の想い出を綴っています。
「巳の神」
これは今月号の特集のひとつで、「雨にまつわる神のはなし」として、雨の来る前にはよく蛇を見かけるように思うといって蛇と遭遇したエピソード、そして蛇神に関する話を綴っています、
「雨とカメラ」
これは今月号の特集のひとつで、雨男といわれるくらいサイクリングで雨に降られることが多いにもかかわらず雨の中を走るサイクリストを撮った写真が少ないといった振り返りや、雨中のサイクリングで写真を撮るときの苦労話などを綴っています。
「雨具について」
これは今月号の特集のひとつで、124号の特別企画「装備について」の続編「ウエア編 その2」として雨に対しての心構えと、ポンチョとカッパを取り上げてその特徴や長所と短所を解説しています。あわせて、その他の雨具の紹介や雨具の素材に関しても触れています。
「NOUVELLES DE PARIS」
この文は「パリからの便り」と称した、加藤一氏執筆による連載です。今回は「随想V 今年のメルクス」と題して、この頃のメルクスに関する話題を取り上げています。ひとつはメルクスの留守中に自宅にあった金メダルやカップのコレクションをひとつ残らず盗まれてしまったこと。他にはメルクスが真のチャンピオンとなるための要件についてや、パリ-ニースでの敗北やミラノサンレモ6回目の優勝のことに触れています。メルクスには直接関係ないですが、ロードレースが如何に厳しいものであるかを知ってもらうためとして、コントラアタック、日本選手のテクニックについて紹介。ロードレースの開催数から見る、世界から取り残された日本の現状や、世界から見る日本の不思議などについても触れています。
「ポリテクニーク スポーツ車、部品の評価の手引 11」
この記事は、部品の選択や評価の考え方といったことを実際のものを通してまとめてみようということを意図して企画された、鳥山新一氏執筆による連載です。今回はシフトケーブルを取り上げて、シマノ、ユーレー、カンパ、サンプレ各社のケーブルの構造やケーブルの特性の違いを解説しています。あわせて各社のシフトレバーのボトム位置の写真を掲載して、作動範囲の違いと使い勝手を検証しています。
「色にまつわる話」
この文は、筆者の色にまつわる話や経験を綴ったエッセイです。その話題は「ツーリングの色・その印象」と題したツーリング中に出会った四季折々の自然の色とその印象やエピソードと、「ランドナーの話」と題した自転車のフレームカラーに関するエピソードを綴っています。
「ツーリングレポート 奥武蔵の春」
筆者は4月の上旬、芦ヶ久保の駅を出てから丸山に向かいます。杉木立の中を押し、砂利道に出てからは乗って進み、グリーンラインの舗装路を少し走ってから最後は雪解けでグチャグチャニなった悪路でマッドガードを何度も詰まらせながらもやっとのことで丸山の山頂に到着します。この後は大野峠を越えて、再びグリーンラインに出ます。完全舗装の道を快走して狩場坂、檥、飯盛、傘杉の峠を越え顔振峠に出ます。ここの茶屋で一服してから鎌北湖へと向かいました。翌朝は小鳥たちのさえずりで目を覚まし、国道を走って正丸、山伏二つの峠を越えて白岩に到着。ここで腹ごしらえをしてから鳥首峠にアタックを開始、険しい山道を進み最後はひと担ぎして頂上に出ます。最後は浦山口に向かって長い長いダウンヒルを行きました。
「路傍の文化財11」
この文は、筆者がサイクリングの際に見てきた路傍の文化財を紹介していく企画の連載です。1973年1月号以来久しぶりの掲載となる連載第11回は「秩父の石仏」と題して、金昌寺の石仏、慈母観音像、禁酒地蔵を紹介しています。
「この頃考えていること4」
この記事は3月号から始まった、アルプスの萩原慎一氏の執筆による連載です。今回は「輪狂閑話」と題して、サイクリング中の事故のはなしと、ズボンの話を綴っています。
「自転車と絵と」
ここでは、サイクリストとして自転車と絵画を結び付けたものを取り上げてその反応を見たいと思い立った筆者による、エッセイとイラスト数点を掲載しています。
「新着部品を見て」
この記事ではこの頃イタリアメーカーの新製品の中から、カンパニョロのスーパーレゲロのピラーとチネリのビンディングペダルM71を取り上げて製品の紹介。それと共にその頃の両社を取り巻く自転車競技環境についても触れています。
「製品メモ」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、シマノ600ツーリングシリーズ等を取り上げています。
「ロードタイムトライアル 結果報告」
この記事は、NC誌が主催した荒川河川敷にあるブリヂストンの試験走路で行われたタイムトライアルの大会レポートと結果を掲載しています。
「カメラ紀行 厳道峠への道」
いつしか厳道峠が頭の中で飛び回るようになった筆者が、その峠へ向かった時のことを写真と共に綴っています。
「VÉLO SPOT」
このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「遊びということ」と題し、当時まだ遊びの中に一種の後ろめたさがあるなかでの、サイクリングや自転車を遊びととらえることについての筆者の考えを述べています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、四国の林道情報、ブレーキの関する掲載記事に対する疑問点、軽量化部品に関する記事に対する意見が寄せられています。
1975年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル工業「グランヴェロ 第一弾・ロード&トラック」でした。
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