ニューサイクリング 1976年10月号(No.143)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1976年10月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1976年10月号は、通巻143号です。

この号のグラビアは「読者応募●この夏のツーリングスナップ「この一枚」」「個性派奥木曽を行く」です。

通巻143号の目次をページ順に追うと、

19 個性派奥木曽を行く 木曽の印象

23 個性派奥木曽を行く 奥木曽二泊三日いろんなことがあった

28 個性派奥木曽を行く 個性が強い6人組のツーリング

29 個性派奥木曽を行く 奥木曽2泊3日ツーリング林道について

32 個性派奥木曽を行く 雨そして林道

33 サイクリング写真を考える

36 個性派奥木曽を行く 奥木曽めもらんだむ

38 風景について

42 ランドナーの個性

60 飛騨紀行

68 【連載】 神のよる木(7)

72 自転車のある風景

76 白山林道の印象

78 峠

80 PHOTO GUIDE 大内の宿

97 TOURING REPORT 鈴鹿の峠

98 えっせい

100 製品メモ

106 会報すくらっぷ

107 VELO SPOT

108 LETTER TO EDITOR

112 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「個性派・奥木曽を行く」

この記事は、10月号の特集のひとつです。ここでは特集の導入として、従来教科書的な最大公約数なスタイルがまかり通っていた当時の日本のサイクリング。けれども、自分なりの方法で走ろうという個性派がぽつぽつ出てきた。オーソドックスをマスターし、それを一歩踏み越えて、自分はこうだと主張する層が増えても良いのではといっています。そして次に続く、奥木曽2泊3日林道ツーリングのレポート等を執筆している個性派6名のプロフィールを紹介しています。


「木曽の印象」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりによるツーリングレポートです。レポートでは文章で簡単に木曽の印象を述べています。そしてこの後には山根徳太郎氏による、3ページを使った2泊3日のツーリングのコースにメンバーや装備のイラスト、さらに道中の説明をびっしりと書いた手書きの地図を掲載しています。


「奥木曽二泊三日 いろんなことがあった」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりによるツーリング紀行です。ここでは6人がそれぞれの装備で京都駅に集合、輪行で木曽福島駅に到着してから下呂に着くまでの、個性派それぞれの個性的な出で立ちの細かな描写を交えながら、三日間の行程を綴っています。


「個性が強い6人組のツーリング」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりによるツーリング紀行です。ここでは筆者自身のことを中心に、前出の紀行文とは違って、簡潔な文章で三日間の行程を綴っています。


「林道について」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりが管轄営林署に問い合わせた内容とその回答を紹介しています。その内容は、林道・スーパー林道の違い、王滝林道と御岳林道について、王滝林道と御岳林道の歴史、御岳林道の将来の見通し、御岳林道の現況等となっています。


「雨そして林道」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりによるツーリング紀行です。ここではツーリング中の筆者の心持ちや宿の風景など、自転車で走っているときの風景描写や道中のレポートとはまた違った視点で綴っています。


「サイクリング写真を考える」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりが、サイクリング写真に対して日頃思っていることを機材面、当時主流であった35mm一眼レフフィルムカメラという視点で綴っています。


「奥木曽 めもらんだむ」

この記事は10月号の特集のひとつで、導入部で紹介された個性派のひとりによるツーリングの備忘録です。ここでは開田高原での思い出、温泉と木曽節のこと、今回の旅における筆者の服装と装備、最後に旅の終りの感慨を述べています。


「風景について」

この文、は綿貫益弘氏によるエッセイです。今回は、夜出発して翌々日の朝まで乗ったフェリーボードでのこと、汽車の中で寝た時に見た夢のこと、雨の日に下宿に届いた仲間からの葉書のこと、津軽の西海岸へ自転車を持っていった時のことを綴っています。


「ランドナーの個性」

ここではレーサーを除く、スポーツ車としての広義でのランドナーについて、1台のランドナーを紹介しながら自転車の個性とその実際について筆者の考察を述べています。特に取り上げたランドナーについてはフレーム関係、ブレーキ、ホイール、ギヤクランク、マッドガード、ライティングシステムと区分して詳細に紹介しています。


「飛騨紀行」

この文は、筆者が10月の下旬に東京から直江津経由の急行で富山まで、さらに高山線に乗り継いで明け方に猪谷駅に到着。初日は天生峠を越えて平瀬泊、二日目は新軽岡峠、松の木峠、小鳥峠を越えて高山泊、三日目は美女峠、野麦峠を越えて白骨に至るまでの5日間の旅程のうちの3日間の自転車旅の様子を綴ったツーリング紀行です。


「神のよる木(その7) えのき」

この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は「えのき」を取り上げて、冒頭で柳田国男の「争いの樹と榎樹」の一説を引用。それに続く推考で神木としてのえのきの伝承や信仰に結び付けた天然の不思議について等を紹介しています。


「自転車のある風景」

この文は、夜更かししてシートチューブにJOS431Cを直付けしようと工作しながら、自転車の旅について色々な考えをめぐらしている様を筆者が描いた風景画とともに綴る随想です。


「白山林道の印象」

この文は、筆者が前夜泊まった中宮温泉の宿をまだ夜が明けやらぬうちに出て、三方岩隧道を抜けて眼下に見える集落に向かって下っていった時の様子を綴っています。


「峠」

ここでは峠に憑かれた筆者が、地図を広げて次に越えようとする峠を探すところから実際に峠を越える過程での楽しみを綴っています。


「PHOTO GUIDE 大内の宿 南山通り」

この記事はサイクリング写真集団の一員である筆者が、江戸時代は会津と江戸を結ぶ重要なルートであった会津西街道にあった大内宿を写真で案内するフォトガイドです。


「TOURING REPORT 鈴鹿の峠」

この文は、筆者が友人とともに初日の宿に着いてからのことと、翌日は石榑峠、笹尾峠、旧鈴鹿峠を越えたツーリングの様子をレポートしています。


「えっせい」

ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は、裏磐梯サイクリングで遇ったトラブル、行きつけのショップに対する不満、二日間の雨のツーリングから戻って自転車を整備し終わった後の心持ちを綴った「旅の後で」と、1年間の病気療養の後、久しぶりでポタリングへ出た時に思ったことを綴った「一年ぶりのポタリング」の二編です。


「製品MEMO」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、Hi-Eの軽量ハブ、フィルウッドのペダル、ブリヂストンサイクルの「シンクロメモリーシフト」、大和ゴムの「ソーヨーレーシングEX」と「ソーヨーレコード」等を取り上げています。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回はペンギンサイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、両国サイクリングクラブ、サイクリングクラブペケandポチ、北大阪サイクリングクラブ、宮城野サイクリングクラブの各クラブから会報情報が寄せられています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「事故」と題して、当時自転車が交通事故の加害者になるケースが多くなってきたことを受け、自転車乗りのモラルや交通システムの問題点にも切り込んでスポーツの危険性と魅力について説いています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、西原峠の現況報告、軽量車に対する疑問、昭和28年製富士フェザー・ヘルシンキオリンピックモデルを売りたいとの情報が寄せられています。


1976年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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