ニューサイクリング 1976年11月号(No.144)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1976年11月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1976年11月号は、通巻144号です。

この号のグラビアは「1976年度世界選手権」「横瀬林道」「第10回全日本実業団対抗サイクルロードレース大会」です。

通巻144号の目次をページ順に追うと、

18 座談会 自転車がわかる? ●オーダーメイド ユーザー側・ショップ側の問題

28 76年度世界選手権

38 ヨーロッパで見たもの

44 富士を下る

48 奥只見から檜枝岐へ

64 【連載】 神のよる木(8)

66 キ印日記

70 ジモンディを目指す少年たち

76 サイクリングと写真

94 輪行袋

96 ツーリングレポート〔松之沢峠〕

98 えっせい

100 製品メモ

106 会報すくらっぷ

107 VELO SPOT

108 LETTER TO EDITOR

112 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「座談会 自転車がわかる? オーダーメイド ユーザー側・ショップ側の問題点」

この記事は、今井編集長司会の元でセオサイクルの瀬尾正忠氏、アルプス自転車工業の萩原浩氏、原サイクルの原明吉氏、横浜サイクリングクラブの山本貞夫氏による、自転車を売る側。作る側、作ってもらう側からの意見を出し合う座談会の記録です。この時の話題は、ユーザーサイドの問題点として、雑誌などで得た知識を絶対的なものと思ってしまう事、知識不足の為に実現不可能なオーダーをしてしまう事を挙げています。ショップ側の問題点としては、ユーザーの希望にそった自転車を作れるように個性を打ち出したショップが望まれている事やプロとしての自信を持ってやらなければならないという事。他にもそれぞれの立場からの相手側に対する要望なども議論されています。


「1976年度世界選手権」

この記事は編集部の今井千束氏による、イタリアのオストゥーニで行われたロードと、モンテローニで行われたトラックそれぞれの世界選手権のレース模様を届けるフォトレポートです。


「ヨーロッパで見たもの」

この記事は、今井彬彦編集長が訪れたケルンを中心に、フランスのパリやスイスのルツェルンで見た普段の街中での自転車の使われ方や印象に残った自転車等を伝えるレポートです。この記事中には編集部員の宮谷容代氏による、「ケルンの印象」と題したケルンの街の見聞録とIMFA(国際二輪車ショー)の視察レポートも掲載されています。


「富士を下る」

これは7月下旬の午後2時に山頂に立った筆者一行の3人がブルドーザー道を下った様子を写真で伝えるフォトレポートです。


「奥只見から檜枝岐へ」

この文は、小出駅から出発して銀山平、尾瀬御池、桧枝岐、只見、小出と巡るツーリングの木賊温泉までの様子を綴ったツーリングエッセイです。


「神のよる木(その8) たぶ」

この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は冒頭で万葉集巻十八にある大伴家持の歌を紹介、さらに巻十九の歌にある「都萬麻」を「たぶ」の古代方言であることを紹介して「たぶ」を取り上げています。ここではたぶが長命の木であることや、過去に人と霊とのコミュニケーションのメディアとしての役割を果たしていたこと等を紹介しています。


「キ印日記」

この文は「サイクリスト」を「キ印」と呼ぶ筆者が、どのように自転車を見、またどのように他のサイクリストを見ているかを気ままに記したエッセイです。今回は、自転車を見せてくれと言ってくるものの行動、自身の自転車に対する考え、当時ロードレーサーが非常に増えたことに対する思いを綴っています。


「ジモンディを目指す少年たち」

この記事は当時イタリア・ミラノ在住だった宮沢清明氏が、「家族的なムードのあふれる少年たちの草レース」と副題をつけて、イタリアでのアマチュアレース観戦記を綴っています。その内容は、レースの開催情報は週刊の自転車専門新聞で約二面に渡って掲載されている予定から探すという事。そのなかからミラノからから南東に160km離れたピンチジェットーネという町で開催されたレースの観戦レポートを届けています。


「サイクリングと写真」

この記事はサイクリング写真集団の原明吉氏が、自転車の写真を撮ることについて実践的なアドバイスを綴ったものです。今回は冒頭で、筆者がウエイトを置いていることとして、サイクリングの写真(特にツーリング)の良い写真を出来るだけ多く撮ることであると考えて実践していることを述べています。次に写真を撮るときの心構えを述べた後、作例を紹介しながら撮影の狙いや撮影時のポイントを解説しています。


「輪行袋に思う事」

ここでは筆者が輪行でのマナーについて、輪行車というもの、旅先の車中や駅前でのこと、輪行袋の種類について日頃思っている事を綴っています。


「TOURING REPORT 松之沢峠」

筆者は冬のはじめのある日、友人に誘われてまだ行ったことのない榛名へ走りに出ます。その日はいくつかあるルートに中から、南東面から松之沢峠経由の道を取ります。朝早くの道路は交通量も少なく順調に走り、地道になってからは雪がちらついたり青空が見えたりする中、休憩を取りつつ峠を目指しました。


「えっせい」

ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は、9月のある夜にアルバムの写真を整理しながらよみがえった記憶や思いを綴った「一枚の写真」と、大阪から福井に転居してのサイクリング環境の違いを綴った「都会と田舎」の二編です。


「製品MEMO」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、クレメンのインナーチューブにラテックスを使用してパンクに強くなったチューブラータイヤ、カンパニョロのチタンロードエンド、シマノ工業の「ポジトロンII PPSシステム」とユニグライドチェン、ユーレーの新型リアディレイラー「DUOPAR」等を取り上げています。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は北大阪サイクリングクラブ、ペンギンサイクリングクラブ、サイクリングクラブペケandポチ、名古屋サイクルフレンズ、両国サイクリングクラブ、各クラブから会報情報が寄せられています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「用語の問題」と題して、サイクリング関係の外来語で誤解されて通用している問題がある。一度通用してしまうと修正や統一は難しいが、用語の意味していることを正確に理解していることは大事であると述べています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、西日本大学サイクリング連盟のラリーについて、国産部品に対する不満、掲載記事への感想、ソニーのオーディオカタログの表紙にランドナーが写っているとの情報が寄せられています。


「REAR LAMP」

このページは、編集後記です。今月号は冒頭で、サイプレックスの創始者、ルシアン・ジュイが80才で亡くなったとのニュースを伝えています。


1976年11月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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