ニューサイクリング 1976年5月号(No.138)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1976年5月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1976年5月号は、通巻138号です。
この号のグラビアは「CAMPAGNOLO 工具セット その使われ方を見る」です。
通巻138号の目次をページ順に追うと、
18 特集 えっせい「この人とわたし」 輪友
20 特集 えっせい「この人とわたし」 わが良き友よ
21 特集 えっせい「この人とわたし」 相棒・仲間・親友
23 特集 えっせい「この人とわたし」 良きライバルK氏のこと
24 特集 えっせい「この人とわたし」 わたしと堤一己君
25 特集 えっせい「この人とわたし」 山本秀男君のこと
27 特集 えっせい「この人とわたし」 はら・あきよし君の想い出
30 旅 阿武隈から
34 旅 奥大井の春
38 旅 葛城の道
42 連載 神のよる木
44 レース 古田治久氏のヨーロッパ便り
48 連載 ルネ・エルスオーダー始末記
70 【ガイド】木曽馬籠
72 モントリオール五輪情報
76 シマノの新製品 デュラエース10を見て
88 《ツーリングレポート》杖の神峠
94 えっせい
96 中華民国のサイクリング活動
98 製品メモ
102 本
104 今月の表紙
105 VELO SPOT
106 会報すくらっぷ
107 LETTER TO EDITOR
112 REAR LAMP
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「特集えっせい 我がパートナーを語る この人とわたし」
この企画は、5月号の特集となるエッセイ集です。グループでも単独でも、好きな時に自由にできるのがサイクリングの特長のひとつだとされています。けれども、本当に気の合った二人のコンビは一種独特の楽しさと喜びがある。ここではそんなサイクリングの相棒について綴った、7編のエッセイを掲載しています。その題は「輪友」「わが良き友よ」「相棒・仲間・親友・・・」「良きライバルK氏のこと」「わたしと堤一巳君」「山本秀男君のこと」「はら・あきよし君との想い出」となっています。
「阿武隈から」
この文は3月末に仲間と共に出かけた筆者が、途中で受けた一本の電話によって下君田から志保の湯温泉まで単独のナイトランを余儀なくされた時のことを綴ったサイクリングエッセイです。
「奥大井の春」
この文は「大井川鉄道の旅」と副題をつけた、大井川鉄道で千頭駅まで移動した筆者が寸又峡温泉までのサイクリングと井川線での列車移動、さらに井川から富士見峠から静岡まで下った2泊3日の旅を綴ったエッセイです。
「葛城の道」
この文は「大和の裏みち」と副題をつけた、大和の山辺の道を案内するサイクリングガイドです。ここで紹介しているコースは「葛城山麓」「当麻寺と二上山」「竹内街道から笛吹へ」「櫛羅から九品寺へ」「一言主神社から風の森峠へ」となっています。
「神のよる木(その2) つばき」
この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は「万葉集」や柳田国男の「雪国の春」に登場するつばきを取り上げ、神を降す廻国の伝道者や門松に使われたことなどを例に挙げて、つばきの霊力について考察しています。
「古田治久氏からのヨーロッパ便り」
この記事は、シマノフランドリアチームのメカニックおよびリポーターとして渡欧していた古田治久氏が、ヨーロッパレース界の話を会社および長谷部雅幸氏に送った便りを紹介したものです。今回の内容はメカニズムに関することとしては、ヨーロッパのプロ・ロードで使用されるギアレシオ、バーテープの巻き方や試合時に使用するタイヤの銘柄と空気圧の数値、クランクのアーム長が皆170mm以上を使っている事など。筆者自身のことは現在の仕事の分担について、他にはメルクスの影響で肉抜き加工した部品の使用が流行していることを伝えています。
「ルネ・エルスオーダー始末記 その3」
この記事は花田尊文氏がフランスを訪れてからルネ・エルスを手に入れるまでの顛末を伝えるレポートの連載です。今回は前回に引き続きランドヌーズについて、そのアッセンブルパーツを紹介しています。ここで取り上げているのは、クランク・チェンホイール、ホイール、ディレイラー、ブレーキ、マッドガード、ハンドル・ステム、キャリア、照明、その他としてサドルやペダル等について写真を交えて説明しています。そして最後に全体の印象を述べています。
「木曽馬籠」
この記事はサイクリング写真集団による、当時ブームとなっていた木曽の宿場町周辺を写真と共に案内するサイクリングガイドです。
「モントリオールオリンピック情報」
この記事は前年までオリンピック強化選手であった長谷部雅幸氏による、オリンピック代表候補選手の独断的予想です。副題に「代表五人は誰に?」とあるように選手は5人と決まっているのみで出場種目その他は白紙状態でした。その中で筆者が候補として予想したのは、チームパシュート4名と、スプリンター1名。その根拠は前年の世界選手権でベスト8まであと一歩となったチームパーシュート4名のうち3名が現役でいること。スプリンターはビテスの長義和選手をはじめ、有力選手が数名いることを挙げています。
「SHIMANOの新製品 デュラエース10を見て」
この記事は編集部が、デュラエース10の概略と当時当時正式にデビューしたトラック用と開発中のロード用パーツを、あわせて従来のデュラエースとの大きさや重量の比較を写真と比較表を用いて紹介しています。
「ツーリングレポート 杖ノ神峠」
筆者は大晦日に仲間とともに前橋から、前の晩に降り積もった雪道を榛名方面へ進みます。烏川に沿って走り、権田から峠へと登り始めます。しばらくは自転車に乗って走れましたが、やがて雪のために押して進むことになります。最後は担いて上って行き、ようやく杖ノ神峠に辿り着きます。記念写真を撮ったあとはすぐに出発、榛名湖に向けて降りていきます。途中膝までもぐるような雪の中を進んでようやく国民宿舎に到着、ここでビールで乾杯をし、年越しそばも食べて過ごしました。そして翌元日は、快晴無風の中を前橋まで下っていきました。
「えっせい」
ここでは、読者から募集したエッセイを2編紹介しています。ひとつは「霧多布の印象」と題した、夏の終りに筆者が訪れた霧多布を走った時の印象について。もう一つは「林道にて」と題した、中学生の頃から知っている家から5キロほどの林道を走る時々の心持を語っています。
「中華民国(台湾)のサイクリング活動」
この記事は、中華民国のサイクリング、レース界の組織や行動についての現状を、当時台湾に在住していた日本人から寄せられた情報として紹介しています。
「製品MEMO」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、アルプス自転車工業の軽量薄肉チューブと二段とびスーパーステンレススポーク、城東輪業のスポーツマンフックキャリアとステンレスパイプボトルゲージ、ソービッツ丸型ヘッドガード取付用アダプタ、みどり製作所の東レエクセーヌバーテープ等を取り上げています。
「本」
このコーナーでは、自転車に関連した書籍類を紹介しています。今回は、英国で出版された「KING OF THE ROAD」、ダニエル・ルブール著の「CYCLES DE COMPETITION ET RANDONNUSES」、城東輪業社の「自転車データブック」、高橋長敏氏著の「ピストの走法」、高体連自転車競技部編集の「全国高校自転車競技年鑑」を取り上げています。
「この月の表紙」
このコーナーでは、その月のNC誌の表紙について説明しています。今回の表紙に使われている自転車のミニチュアは、レオン・マッソンという彫刻家が作成した、フランスから輸入されたものだと紹介しています。
「VÉLO SPOT」
このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「自分の考えで選ぶ自転車」と題し、当時流行していたロードレーサーであるが、その1台で全てのサイクリングを間に合わせようとするのではなく、走り方や目的によって自転車を選ぶべきと説いています。
「会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は各クラブの会報を紹介しています。取り上げているのは、両国サイクリングクラブの「両輪」48号と49号。北大阪サイクリングクラブの「北大阪」76-4号。港サイクリングクラブの「MCCニュース」243号と244号。群馬大学サイクリングクラブの「CYCLING 轍」1975年号となっています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、サイクリングという言葉からイメージするものに対する筆者の意見が寄せられています。
1976年5月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。
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