ニューサイクリング 1976年6月号(No.139)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1976年6月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1976年6月号は、通巻139号です。

この号のカラー口絵は「本誌主催 第3回30kmRTT」、グラビアは「下北半島 仏ヶ浦」「レバン ジュビニールRR」です。

通巻139号の目次をページ順に追うと、

16 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 合掌菅沼達太郎さん

18 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼達太郎氏の作品から サイクリング

20 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼達太郎氏の作品から 街道

22 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼達太郎氏の作品から クラブ室

23 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼達太郎氏の作品から 提燈・ランプ・電燈

26 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで ある日のスタイリスト

27 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼さんの想い出

28 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで サイクリング界のパイオニア菅沼さんのご冥福を祈って

30 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 穏やかな人物の魅力

31 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 相模のよこみち

32 緊急特集・菅沼達太郎氏を悼んで 菅沼さんと私

38 旅 美濃三河高原

42 旅 薩南

60 連載 神のよる木

62 連載 ルネ・エルスオーダー始末記

72 博多~鹿児島ノンストップタイムトライアル

86 自転車部品の互換性を考える リムとタイヤの組合せ

94 ツーリングの靴

96 えっせい

98 製品メモ

102 質問に答えて

103 VELO SPOT

104 LETTER TO EDITOR

107 会報すくらっぷ

110 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「〈緊急特集〉菅沼達太郎氏を悼んで」

この記事は、菅沼達太郎氏が77才で亡くなられたことから組まれた特集です。菅沼達太郎氏は日本のサイクリングの草分けの一人で、昔からの「自転車遠乗会」をサイクリングというスポーツリクリエーションの分野に変貌させた最初の数人のうちの一人です。冒頭では今井彬彦編集長による「合掌菅沼達太郎さん」と題した菅沼氏の人物とサイクリング界における功績を紹介しています。

次に菅沼氏の執筆された文章として、雑誌サイクリングの昭和14年11月号に掲載された「双輪旅行 サイクリング」と、同昭和17年3月号に掲載された「街道」、そして遺稿として「クラブ室」と「提灯・・・ランプ・・・電灯」を掲載しています。

特集の最後には追悼文として、山田鉑雄氏の「ある日のサイクリスト」、鳥山新一氏の「菅沼さんの想い出」、前田安雄氏の「サイクリング界のパイオニア菅沼達太郎さんのご冥福を祈って」、土屋好平氏の談話「穏やかな人物の魅力」、山本貞夫氏の「相模のよこみち」、萩原慎一氏の「菅沼さんと私」が掲載されています。


「美濃三河高原」

この文は名古屋からバス移動してきた筆者が、足助、小渡と巡って設楽の温泉宿へ至るまでの道中を綴ったサイクリングエッセイです。


「薩南」

この文は綿貫益弘氏による旅のエッセイです。今回は、鹿児島駅から山川駅まで移動したときの車内での出来事、山川からは海沿いを自転車で走って防津に泊まり、翌日も海沿いを行っての沖秋目島を望むあたりで加世田駅までの行程を考えるところまでの道中や考え事、昔の記憶などを綴っています。


「神のよる木(その3) うめ」

この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は万葉集にも書かれているうめを取り上げ、その語源解釈や天神のよりくる木となったいきさつなどを綴っています。


「ルネ・エルスオーダー始末記 最終回」

この記事は花田尊文氏がフランスを訪れてからルネ・エルスを手に入れるまでの顛末を伝えるレポートの連載です。今回はクルスルートについてフレーム、トランスミッション、ホイール、ブレーキについては詳細に、その他の部品については簡潔に紹介しています。そして最後には実際にクルスルートを走らせてみた感想を述べています。


「博多~鹿児島ノンストップタイムトライアル」

この記事は、この年の1月にチャレンジを決めてからの練習と、春分の日に博多駅から西鹿児島駅までの323.6kmを13時間26分11秒で完走した、その過程をタイムトライアルを走った本人が綴ったドキュメンタリーです。


「《自転車部品の互換性を探る》(1)タイヤとリムの組合せを考える」

この記事は編集部による自転車部品の互換の問題について実際に現物を見たり測ったりしながら解説していく、6月号からの不定期連載です。今回はタイヤとリムについて、そのなかでもW/Oタイプの26インチ(650B)と27インチ(700C)について調べています。冒頭ではW/Oタイヤの基本的な構造を解説しています。次に、タイヤサイズとリムサイズについてインチサイズとフランスサイズの比較、そしてオーバーサイズとアンダーサイズを含めたリムとタイヤの互換性について図表を用いて解説しています。最後は参考として自転車W/OリムのJIS規格の表と、編集部で実測した各メーカー・銘柄のW/Oリムのビード周長や重量などのデータを一覧表にして紹介しています。


「ツーリングのための靴」

この記事は読者の投稿による、サイクリングシューズの中でツーリングのための靴は何が良いのだろうかということを、筆者のアイデアも交えながら語っています。


「えっせい」

ここでは、読者から募集したエッセイを2編紹介しています。ひとつは「梅の香、汗の香」と題した、寒さが和らいできたある日曜に厚木から土山峠、津久井方面を気分任せに走った際に見聞きしたことの話。もう一つは「何処へ走るのか我等は」と題した、自転車に乗りながらとりとめもない考えを巡らしているその内容を綴っています。


「製品MEMO」

こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、マイヨール700軽合金フリー、サンプレックスのLJ1000等の新しい変速3点セット、フィルウッドのハブとBB小物等を取り上げています。


「質問に答えて ハブ等にあるグリス注入口のこと」

ここでは、この当時、ハブやペダル等の部品についていた注油口の使用法に関する質問と編集部による回答が掲載されています。


「VÉLO SPOT」

このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「「旅」ということ」と題し、サイクルツーリングを「旅行」ではなく「旅」とする、その相違について筆者の見解を示しています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、4月号の記事で紹介された道祖神の追加情報、サイクリングクラブへの提言、自転車の哲学と進化に対する意見、自転車専門雑誌に対する広告掲載に対する意見が寄せられています。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回はペンギンサイクリングクラブ、北大阪サイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、東電学園高等部サイクリング部、両国サイクリングクラブ、各クラブの会報情報が掲載されています。


1976年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。

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