ニューサイクリング 1976年7月号(No.140)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1976年7月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1976年7月号は、通巻140号です。
この号のカラー口絵は「全プロ点描」、グラビアは「陸中 平庭高原」「権兵衛峠近況」です。
通巻140号の目次をページ順に追うと、
18 夏のシーズン到来に当って
20 全日本アマチュア自転車競技選手権大会 モントリオール五輪派遣選手決まる
30 えっせい 珍談二題
34 旅 高原の春
36 【連載】 神のよる木(4)
38 旅 旅のポストカード
44 旅 (内大臣林道にて)わが葬春のために
46 えっせい ある大経営者の自転車旅行
48 対談「この人と話そう」・・・(1) パリで画の仕事と自転車の趣味を両立させた 加藤 一さん
68 メカニズム 我ガ国のプロ選手の自転車
76 古田治久氏のヨーロッパ便り
PHOTO GUIDE 南志賀
98 RTT報告
100 えっせい
102 製品メモ
106 会報すくらっぷ
107 VELO SPOT
108 LETTER TO EDITOR
112 REAR LAMP
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「夏のシーズン到来に当って」
この記事はツーリングの行き先ではなく、一般論としてツーリングを考えている人に向けた企画で、今井編集長が「サイクルツーリングとは何か」「ツーリングへの発想」「アイデアをプランにする」「そこで準備となる」と題し、各論について解説しています。
「第45回 全日本アマチュア自転車競技選手権大会 モントリオール五輪派遣選手決まる」
この記事は、5月に伊豆CSCで行われた大会の各ピスト競技およびロードレースの展開と結果をレポートしています。またレポートの後には、オリンピックに派遣される監督とコーチ兼メカニシャンと代表に決まった選手5名のプロフィール、そして同大会の成績表を掲載しています。
「珍談二題」
これは、サイクリング中に遭遇した出来事を綴る2編のエッセイです。ひとつは北山へ出かけた際に一匹の犬に襲われたが、インフレーターで撃退した話。もう一つは自分の時計が遅れていたために、駅で分解している途中の自転車を輪行袋に詰め込んで列車に飛び乗り、車内で続きの分解収納をする羽目になった話です。
「高原の春」
この文は田沢温泉から保福寺峠、三才山、、武石峠、王ヶ鼻、茶臼山、扉峠と走り、ビーナスラインで諏訪に向かおうというところまでを綴ったサイクリングエッセイです。
「神のよる木(その4) さくら」
この記事は実例を紹介しながら、木・石・水を媒体として人と自然のコミュニケーションについて考えていこうという企画の連載です。今回は芭蕉や万葉歌人に読まれたさくらを取り上げ、その語源解釈や日本が桜の本場といえる根拠などを綴っています。
「旅のポストカード」
この文はツーリストの筆者が友人知人に手紙を書いた体で綴ったショートエッセイ集です。掲載されているのは六編でその題と内容は、野反湖へ行った際にタイヤが30cmもバーストした時のことを綴った「野反湖の椿事」、車輪にスキーをつけて走ったことを報告する「車輪にスキーをつける」、前夜にわざわざ宿に地図を届けてもらったお礼の「浜平の地図」、前の週に峠越えツーリングに出たことを報告する「夏沢峠の上で」、サイクリングで温泉宿に来たことを自慢する「山の湯の素朴さ」、峠近くで写真を撮っていた時の出来事を伝える「大河原峠の高山植物」となっています。
「わが葬春のために」
この文は国東から阿蘇まで走り矢部町に泊まった翌日、観光地を巡りたいという欲求と山岳サイクリングを指向する気持ちとの板挟みに悩みながら走った一日を綴ったサイクリングエッセイです。
「ある大経営者の自転車旅行」
ここではイーストマンコダック社の創立者であるジョージ・イーストマンが、1890年代にヨーロッパ大陸を自転車での横断旅行を敢行したという話を紹介しています。
「対談「この人と話そう」・・・(1) 加藤 一さん」
この記事は今井編集長が聞き手となって自転車にかかわる人たちと対談する企画の連載です。第1回目は、パリで画の仕事と自転車の趣味を両立させた加藤一氏との対談です。対談内容は始めに画家としての活動について。次に自転車関連で日本の競技指導者のことについて、そして当時ファンが増えていたというドミフォンやヨーロッパのプロレース界に関する話題。最後は、メキシコで行うペデルセン選手のアワーレコードの高地順応に対する準備について語っています。
「我が国のプロ選手の自転車 その1」
この記事は今野義氏による執筆で、競輪レーサーの自転車を取り上げ、特にフレームに関して深掘りしています。今回は阿部良二選手他が使用する自転車を取り上げ、競輪と全プロの出場種目に使用するフレームスケルトンや各フレームに選手が実際に乗った時のフィードバックなども紹介しながらフレーム材料の選定や角度寸法の決定に至るまでのプロセスなどを紹介しています。
「古田治久氏からのヨーロッパ便り」
この記事は、シマノフランドリアチームのメカニックおよびリポーターとして渡欧していた古田治久氏が、ヨーロッパレース界の話を会社および長谷部雅幸氏に送った便りを紹介したものです。今回は古田氏の手紙の中から読者にとって特に興味があると思われる部分を抜き出して紹介しています。その内容は「西ドイツチームのステム」「軽合金パーツのこと」「チネリのバーのこと」「VITALIの車」「28Hハブについて」となっています。
目次にはありませんが、90ページからは「《自転車部品の互換性を探る》(2)タイヤとリムの組合せを考える〈その2〉」が掲載されています。この記事は編集部による自転車部品の互換の問題について実際に現物を見たり測ったりしながら解説していく、不定期連載です。今回は前回に続いてタイヤとリムについて、冒頭ではW/Oのタイヤ構造を詳細に解説しています。次に本題に入って、リムとタイヤのはめ合いに関する各国の規格や各メーカー・銘柄の形状と相性について具体的な例を挙げながら解説するとともに、相性が悪い場合の対策について述べています。また、記事中にはリムとタイヤの互換性の表と、各メーカー・銘柄タイヤの外径、幅、ビード周などを実測した寸法表を掲載しています。
「PHOTO GUIDE 南志賀」
この記事は、山田温泉、山田牧場周辺から湯田中へ至るコースを写真とともに案内するフォトガイドです。
※目次には題名のみで掲載ページが出ていませんが、この記事は96ページから掲載されています。
「第四回30kmロードタイムトライアル」
この記事はNC誌が主催した大会の開催報告と、参加者全員の単独走および今回から設けられた2人組のチームタイムトライアルのタイムを掲載しています。
「えっせい」
ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は「ある夜の随想」と題した、自分の部屋に愛用のロードレーサーを持込み、オールナイトニッポンを聞きながらメンテナンスする様を綴っています。
「製品MEMO」
こちらは自転車部品や用品などを紹介するコーナーです。今回は、イデアル90のチタンベースサドル、マビックの新型リム、ミシュランの「エラン」、サブリエールのアルミフレーム等を取り上げています。
「会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は両国サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、萩原サイクリングクラブ、北大阪サイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、浦和サイクリングクラブ、各クラブの会報情報が掲載されています。
「VÉLO SPOT」
このコーナーは今井彬彦編集長が当時の自転車界についての様々な話題を取り上げるコーナーです。今回は「サイクリング関係の文章」と題し、この頃多くなっていた投稿、特に紀行文についてその書き方を述べています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便りを紹介しています。今回は、大人のためのサイクリングクラブ設立の呼びかけ、一般の方の自転車に対する認識が低いことへの嘆き、ルネ・エルスの実車を見た感想が寄せられています。
1976年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ダイヤモンドシリーズ」でした。
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