ニューサイクリング 1977年2月号(No.147)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1977年2月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1977年2月号は、通巻147号です。
この号のカラー口絵は「年賀状コレクション'77」です。
通巻147号の目次をページ順に追うと、
14 恒例 年賀状コレクション'77
18 新欧州車界探訪
26 最近のレーサーを解析する
32 3年後のヨーロッパのレース
38 ドミフォンレーサー製作始末記
44 メーカーを囲む・スポーツ車部品論議(2)日東ハンドル「自転車を操る要・ハンドル・ステム」
61 サイクリングと写真(4) 露出について
64 南牧川から神流川
69 初冬の峠路
72 千国街道から安曇野へ
76 これくたーというものは!
80 キ印日記(サイクリストの本音)
83 冬の野外で暖かい飲物でも作るために「火」の講座(2)
87 堀田君の 旅から旅 (天科)
106 製品メモ
110 会報すくらっぷ
112 LETTER TO EDITOR
116 REAR LAMP
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「御存知! 恒例 '77年賀状コレクション」
このコーナーは毎年2月号の恒例で、読者やショップなどから編集部に届いた年賀状を紹介しています。この年はカラーの口絵に掲載した4枚の他に、48枚の年賀状を掲載しています。
「新欧州車界探訪 連載(1)ミラノ」
この文は、1973年に杉野安氏執筆によって連載されていた「車界探訪」の続編といえる、杉野氏によるヨーロッパ自転車界見聞録の連載です。今回は1976年9月の初旬に約2週間の商用旅行の第一歩として訪れたイタリアのミラノでの出来事を伝えています。最初にガイドの方から聞いた年10万台以上生産しているメーカーが8社あること、手作りメーカー約100社で年4万台ほどのレーサーが作られていることや、それら小メーカーではカンパの工具セットがとても役に立っている事などを紹介。次にミラノ市郊外にあるビアンキの工場を訪れた際のエピソードや、76年の世界戦で準決勝に残った日本人2選手がスギノをはじめ日本製のパーツが活躍していることを現地の人に説明して驚かれた話を紹介。最後はミラノの卸と小売店を訪れたことを伝えています。
「最近のレーサーを解析する」
この記事は編集部から迫力あるマシーンについて書くよう依頼された今野仁氏が、当時のロードレーサーの迫力について考察しています。今回はイタリアンレーサーやエディ・メルクスが与えた影響、当時の主流であったスチールフレームにおけるスケルトンやイタリアンデザインについて触れています。
「3年後のヨーロッパのレース」
この記事はシマノフランドリアのメカニシャンとして1973年に渡欧していた中村博司氏によるヨーロッパ再訪記です。筆者は帰国から3年経ったプライベートのヨーロッパ旅行の中で当時のフランドリアチームの関係者と再会したこと、世界チャンピオンとなったフレディー・マルテンスのことを語り合ったことを綴っています。そして中村氏がフランドリアチームのメカニック氏に了承を得て、マルテンスのフレーム製作をレバンの東川博氏、シクロウネの今野義氏、そして土屋製作所に依頼したことを最後に記しています。
「ドミフォンレーサー製作始末記」
この記事はシクロウネの今野義氏による、ドミフォンレーサーの製作記です。ここではドミフォンがいかに空気抵抗のことを考えることが重要であるかということを強調しながら製作ポイントを解説しています。
「メーカーを囲むスポーツ車部品論(2)日東ハンドル 自転車を操る要 ハンドルバー ハンドルステム」
この記事は、部品メーカーの人と販売店の人を呼んでいろいろ部品について話そうという企画です。今回は日東ハンドルを取り上げ、日東ハンドル製作所の吉川清太郎氏を招いて販売店を営む3名とともに、今井編集長の司会で当時新しく出たクリステムの開発ストーリーを聞いた後、ハンドルの幅とステムの突き出しとクランプ径についてサイズの多様性を中心に話し合っています。
「体験的アドバイス(その4) サイクリングと写真」
この記事はサイクリング写真集団の原明吉氏が、自転車の写真を撮ることについて実践的なアドバイスを綴ったものです。今回は「露出について」と題して筆者の露出の決め方を紹介しています。次に作例として、露出に関するポイントの説明とともに5枚の写真を紹介しています。
「フォト・レポート 南牧川から神流川へ (2)檜沢峠と塩ノ沢林道」
この記事は、12月の西上州を走ったフォトレポートです。今回は、大入道から檜沢峠を越えて乙母まで走った時の様子をレポートと写真とで伝えています。
目次にはありませんが、66ページからは「フレーディ・メルテンスのマシンづくりを見る。」と題し、フレディ・マルテンス選手が乗る自転車のフレームを、東川製作所とケルビムが製作している途中の様子を撮影した写真を掲載しています。
目次にはありませんが、68ページには「房総の林道Part II 三島峠と香木原林道」と題した、サイクリング写真集団の薛雅春氏によるレポートが掲載されています。
「初冬の峠路」
ここでは、冬に毛木平、十文字峠、里程観道を訪れ、自転車に乗ったり、自転車を背負ったりして進んだ時の様子を写真も多く交えて伝えています。
「スケッチ紀行 千国街道から安曇野へ」
ここでは筆者が10月に走った千国街道の様子を、筆者が描いた5枚のスケッチとともに届けるサイクリング紀行です。
「これくたーというものは!」
この文は今井編集長執筆による、自身の二十数年にもなるという自転車コレクションについて綴っています。ここでは自転車コレクション分類学と称して、素材による分類、テーマによる分類、用途による分類を行ったうえで、それぞれののコレクション内容について考察しています。
「キ印日記」
この文は「サイクリスト」を「キ印」と呼ぶ筆者が、どのように自転車を見、またどのように他のサイクリストを見ているかを気ままに記したエッセイです。今回は「サイクリストの本音について」と題し、自分の経験になぞらえながらどうしてサイクリストは体裁を繕うのだろうという思いを綴っています。
「冬の野外で簡単に暖かい飲み物でも作るための「火」の講座・・・(2)」
この記事は、以前NC誌に掲載された「火の話」の続編というべきものです。今回は携帯用コンロの話として灯油コンロ、ガソリンコンロ、液化ガスコンロ、アルコールコンロを取り上げて、それぞれの特徴と取扱い方法を説明しています。
「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●天科 風呂と地酒で極楽」
この文は、山梨の塩山を訪れた際に必ず買い求める地酒のことと、塩山から天科温泉まで走ってからの宿での温泉と一杯やる話を綴っています。
※目次では掲載が87ページとなっていますが、本文は88ページから掲載されています。
「製品MEMO」
このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、サンツアー・シュパーブシリーズの各パーツ、ディレイラー、フリーホイール、チェンホイール、ハブ、エンド、ブレーキ、ヘッド小物等を取り上げています。
「会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は北大阪サイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、両国サイクリングクラブ、サイクリングクラブペケとポチ、名古屋サイクルフレンズの各クラブから会報情報が寄せられています。
目次にはありませんが、111ページには今井編集長の執筆による「あどりぶえっせい パイプのこと」と題した文が掲載されています。ここではフレームのパイプではなく煙草のパイプ、筆者が趣味のひとつとしているいわゆるマドロスパイプのことについて綴っています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、旧正丸峠の情報と、競輪学校に入学する長義和選手からプロ転向にあたっての言葉が届いています。
「REAR LAMP」
このページは編集後記です。2月号では最後にニューサイの前身ともいえる雑誌「サイクル」の社長であった坪井弥太郎氏が、前年の12月に82才で亡くなったと伝えています。
1977年2月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。
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