ニューサイクリング 1977年3月号(No.148)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1977年3月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1977年3月号は、通巻148号です。
この号の巻頭グラビアは「暗越え」です。
通巻148号の目次をページ順に追うと、
16 メーカーを囲む(3)スポーツ車部品論議 杉野鉄工所 日本の実状に合った部品作りを
34 シリーズ 新欧州車界探訪
38 レーサーの迫力とは
44 V・C・H KODAIRAのタイムトライアル
52 前面に出てきた27インチスポーツ車 最近のマスプロメーカーの傾向から 流行の背景を考える
63 グラビア サイクリングと写真(5)
66 グラビア 南牧川から神流川
68 グラビア 竹内街道・竹内宿
70 初走りの記
72 山形から湯殿山へ
78 堀田君の旅から旅(白川街道)
80 これくたーというものは
100 修那羅峠と地蔵峠を訪ねて
104 敗者の歴史に彩られた吉備路を訪ねて
108 えっせい
110 製品メモ
112 会報すくらっぷ
113 あどりぶえっせい
115 LETTER TO EDITOR
118 REAR LAMP
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「メーカーを囲む(3)スポーツ車部品論 杉野製作所 実状に合った部品開発を」
この記事は、部品メーカーの人と販売店の人を呼んでいろいろ部品について話そうという企画です。今回はスギノを取り上げ、杉野安社長を招いて販売店を営む3名とともに、今井編集長の司会で、まずはマイティとマキシィについて杉野氏に聞いています。以降はツーリングギヤ開発の要望、プロダイナミック、クランク長について他、様々な話題が上がっています。
※3月号の本文タイトルでは「杉野製作所」となっていますが、4月号に「杉野鉄工所」の誤りとの訂正文が掲載されています。
「新欧州車界探訪 連載(2)デンマーク」
この文は、1973年に杉野安氏執筆によって連載されていた「車界探訪」の続編といえる、杉野氏によるヨーロッパ自転車界見聞録の連載です。今回は、デンマークを訪れた際に見たコペンハーゲンでの工学試験所を巡るコースでのクリテリウムのレース展開とレース運営について伝えています。また最後には、この工学試験所で8年前にレースパーツの比較テストを行い、スギノのマイティコンペが強度においてカンパより2割優れていることを発表したことを紹介しています。
「最近のレーサーを解析する」
この記事は編集部から迫力あるマシーンについて書くよう依頼された今野仁氏が、当時のロードレーサーの迫力について考察しています。今回は当時の欧米の話題とフレーム各部の技術的なことについて綴っています。その内容は、欧米ではスポーツ車というとレーサーを指すような感じになっていることと、今後のスポーツ車はレーサーが先導していくだろうという予測をしています。フレームについては興味深い部分として、ホークブレイズ、チェンステー、シートステー、ラグなどを取り上げています。
「V・C・H KODAIRAのタイムトライアル」
この記事はロードレース用車とツーリング用車によるタイムトライアルをそれぞれ4回、年間計8回行っているクラブの活動報告です。ここではタイムトライアルを行う目的やその特徴、運営と各コースの紹介をしています。
「前面に出てきた27吋スポーツ車 マス・プロメーカー完成車の傾向から 流行の背景を考える」
この記事では、当時流行していた27インチ車について今井編集長がその背景について探っています。冒頭ではこのタイプはアメリカから流行し始めたこと、その影響で日本でもここ数年流行してきていると述べています。次にこのタイプの問題点としてW/Oを使うかチューブラーにするのかという点をあげています。そしてマスプロメーカーの27インチ車8台のフレームスケルトンと仕様一覧を紹介したうえで、日本では700Cが大方の方向になっているようだと結論づけています。
「体験的アドバイス(その5) サイクリングと写真」
この記事はサイクリング写真集団の原明吉氏が、自転車の写真を撮ることについて実践的なアドバイスを綴ったものです。今回は「道」と題し、最初に1960年3月に日本橋のデパートで開催されたマグナム世界写真展で受けた感銘と、筆者が道の写真を多く撮ってきた理由を述べています。次に作例として、サイクリストと道を撮った6枚の写真を紹介しています。
「フォト・レポート 南牧川から神流川へ (3)八倉峠」
この記事は、12月の西上州を走ったフォトレポートです。今回は、跡倉から八倉峠を越えて尾附または平原へ抜ける二つの道をレポートと写真とで伝えています。
「竹内街道 竹内宿」
ここでは、日本最古の官道といわれる竹内街道にあり、昔日の名残を残す竹内宿を写真で紹介しています。
「初走りの記」
この文は「タケノコクラブ」に所属する筆者による、正月二日に嵯峨から水尾、愛宕川沿いの悪路を下って亀岡まで出かけた時の様子を、写真と文で届けています。
「山形-湯殿六十里越え」
この文は、仙台を出発したツーリング行程の中で山形、寒河江から田麦俣辺りまで走った時の様子を綴った紀行文です。
「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●白川街道 通る車とてなし」
この文は、付知という町から白川街道を走って白川温泉まで行った道中と、白川温泉で泊まった旅館での女将との会話を綴っています。
「これくたーというものは!」
この文は今井編集長執筆による、自身の二十数年にもなるという自転車コレクションについて綴っています。今回は筆者のコレクションの実物を紹介するということで時計を、掛け時計、置時計、腕時計を10点披露しています。
「修那羅峠と地蔵峠を訪ねて」
この文は「自称ナマケモノ・ツーリング」と題した、筆者と輪友の二人で無計画なサイクリングに出たことを綴ったツーリングレポートです。二人は10月の試験休みに長野駅から乗り換えて冠着駅で降り、右へ右へ行くと事前に決めた通りに走り始めます。その後は修那羅峠の上で考えることに、さらにその後は松本へ向かい、その日は浅間温泉に泊まりました。翌日は稲倉峠へ向かい峠のレストハウスで一服してから下っていきました。
「敗者の歴史に彩られた吉備路を訪ねて」
この文は、備前一宮駅を起点に周辺の14か所の史跡を巡った道中をガイド風に綴ったサイクリングエッセイです。
「えっせい」
ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は、「土着派サイクリストから」と題した、北海道在住の筆者による北海道サイクリストの年間の活動の紹介と、NC誌を通じて知り合った輪友への手紙の一部を紹介した「A氏の手紙から」の2編が掲載されています。
「製品MEMO」
このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、日本光熱機器のポケットストーブ「ファイヤーガード」を取り上げています。
「会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回はペンギンサイクリングクラブ、北多摩サイクリングクラブ、北大阪サイクリングクラブ、東通相模サイクリングクラブ、浦和サイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、両国サイクリングクラブの各クラブから会報情報が寄せられています。
「あどりぶえっせい」
このコーナーは今井編集長の執筆によって、様々な話題を提供しています。今回は「サイクリング草創記」と題して、同名の書籍を紹介しています。この本の著者は、雑誌「サイクリング」を昭和28年に創刊した坪井弥太郎氏です。ここでは、その当時の自転車業界のことと、「サイクル」の後「ニューサイクリング」を発行した経緯を綴っています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、ハブのクイックシャフトにかかる力の測定をした技研の井上氏から、その結果が寄せられています。
「REAR LAMP」
このページは編集後記です。3月号では2月号でプロ転向を表明した長義和選手がプロ転向を取りやめたとの速報を伝えています。
1977年3月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。


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