ニューサイクリング 1977年6月号(No.151)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1977年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1977年6月号は、通巻151号です。
通巻151号の目次をページ順に追うと、
14 メーカーを囲む (5) スポーツ車部品論議 栄輪業
26 シリーズ Le Peloton de CYCLISME (3)リエージュ―バストーニュ―リエージュ
34 シリーズ スイス・8つの峠を越えて
44 えっせいポタリングと木リム
70 親の原
72 シリーズ 堀田君の旅から旅(風蓮湖)
74 底床式ロードレーサー
78 自作22インチスポルティーフ
84 CATALOGUE REVIEW ●MAFAC
90 乗車姿勢に関する意見調査報告 三点調整法の現実とその周辺
102 紀行 瀬戸
118 えっせい
120 会報すくらっぷ
121 LETTER TO EDITOR
124 REAR LAMP
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「メーカーを囲む(5)スポーツ車部品論 栄輪業」
この記事は、部品メーカーの人と業界関係者の人を招いて、いろいろ部品について話そうという企画です。今回は栄輪業を取り上げ、今井編集長司会のもと、栄輪業から橋爪・赤松・永嶋の三氏、、そして長谷川自転車商会の長谷川弘氏、シクロサロンウエハラの植原郭氏、シクロショップタカハシの高橋一博氏を招いて座談会が開かれています。冒頭では栄輪業の製品についてハンドル・ステム・チェンホイール・シートピラーを中心に説明、また当時は輸出が多いことなども説明しています。本題では、ハンドル・ステム・チェンホイール・シートピラーに話題を絞って製品の傾向について話し合っています。その内容は、当時主流となりつつあったロードレーサーに引っ張られて部品もロード向けのものが多くなっているがツーリング車的情緒を持った部品の開発もしてほしい、サイズに種類のある製品はバリエーションを増やしてほしいなどの要望を中心としたものとなっています。
「LE PELOTON DE CYCLISME (3)リエージュ―バストーニュ―リエージュとフレッシュ・バロンヌ」
この記事はレキップ紙の専属記者ピエール・シャニー氏による、ヨーロッパのレース界情報を届ける連載です。今回は「メルクスの5回の優勝で格を上げたリエージュ―バストーニュ―リエージュのレース」と題し、モルテニがスポンサーを降りてフィアットと新たに契約を結ぶ直前のレースとなる1976年のリエージュ―バストーニュ―リエージュに臨むエディ・メルクスの思惑、そしてレース戦略をレース展開とともに解説しています。そして記事の最後には、フレッシュ・ワロンヌの歴史とズートメルクのことにも触れています。
「アルプス峠案内記 スイス・8つの峠を越えて」
この文は約2週間にわたりスイス国内を訪れ、観光とともに8つの峠を自転車で越えた海外ツーリング紀行の連載です。今回はスプリューゲン峠、マロヤ峠、そして最後の峠となるアルブラ峠を越えたところまでと、旅のまとめを記して連載を終えています。
「ポタリングと"木リム"」
この文は、加藤一氏の執筆によるエッセイです。ここでは筆者がクールスに乗ってイル・ド・フランスのポタリングに出かけた時のこと、シュルブールからモンフォールラモウリーまで走った道中のこと、モンフォールラモウリーの宿で思いだした昔の木リムのことを綴っています。
目次にはありませんが、62ページからは「潮風の中で」と題した、海岸沿いを走った様子を写真とともに伝えるフォトエッセイが掲載されています。
目次にはありませんが、64ページからは「製品MEMO」が掲載されています。このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、マファックの新型サイドプルブレーキ、シマノのストレートエンド「UF」等を取り上げています。
目次にはありませんが、66ページには「サイクルショー'77スナップ」と題した、東京で開催されたレポートを写真とともに紹介した記事が掲載されています。
「親の原」
この文では、縄文期の死生観に触れたうえで、この年のニューサイラリーが開かれた栂池高原親の原は祖霊のさまようところだったことに言及しています。
「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●風蓮湖 湖辺に縁湿性植物」
この文は、標茶から中標津、標津を経由して風蓮湖までの道中と、風蓮湖周辺の景色を綴っています。
「低床式ロードレーサー」
この記事は、筆者が「低床式」と呼ぶサイズの小さいフレームをニューヨークサイクルショーから持ち帰り組み上げたロードレーサーの製作記です。筆者はショーの会場で、ホリゾンタルながらフレームサイズ480mm、上下一体式のヘッドラグでヘッドパイプ長を60mmとしたフレームに一目ぼれします。そこで、このフレームの製作者であるブルース・ゴードン氏に直接交渉して329ドルで購入、日本に持ち帰ります。そして、700Cホイールを付けたロードレーサーを組み上げるまでの工程を写真も交えて紹介しています。
「自作 22インチホイールスポルティーフ」
この記事は、フレームの図面引きからフレームの製作、組付けまでを自身が行った筆者による自転車製作記です。記事ではホイールサイズを22インチとした理由やフレームスケルトンとフレーム製作について述べています。そして、完成から1年半乗ってみての感想も記しています。
「CATALOGUE REVIEW MAFAC」
ここでは、編集部が入手した新着のカタログを紹介しています。今回取り上げているのは、マファックです。記事で紹介しているページに掲載されているのは、「コンペティション」「2000」「レーサー」「ライド」「S」の各センタープル、カンティレバーは「クリテリウム」「ジャッキー」「シクロタンデム」のブレーキ本体。レバーは「デュラル」「2000」「プロモーション」「ビレ」「ギドネット」「VDA」「GDA」「インバーテッド」「アンファン」が紹介されています。他にもカタログ掲載情報としてフレーム製作に必要なデータ、ブレーキ小物についても掲載されているとあります。そして記事の最後には、カンティブレーキの「ドライバー」はカタログから外されていると記しています。
「乗車姿勢に関する意見調査報告(2)」
この記事は神奈川大学工学部工業経営学科人間工学研究室昭和51年度卒業研究生及び同研究所助教授による調査報告です。この報告は、自転車の乗車姿勢を決める三点調整法に対する疑問から、趣味的サイクリストに「乗車姿勢」を中心としたサイクリングに関する意見調査を行った結果をまとめています。今回は、当時調整法として最も普及していた3点調整法の実態報告を中心に進めています。前半では3点調整法の知名度、伝達媒体、経験度、定着度に関してのアンケート結果を述べています。次にサドル高の評価として、身長別分布と常用速度分布に有意な偏りがあったとし、この結果を受けてサドル高算出の再吟味を検討したこと。最後にアンケート結果の要点をまとめとして記して報告を締めくくっています。
「風が立ち物がはためき広衍な内海を日没めざして船は島へ 瀬戸」
この文は、綿貫益弘氏による旅紀行です。旅の行程は丸亀、本島、倉敷、笠岡、真鍋島で、そこで見たことや地元の人との会話を綴っています。
「えっせい」
ここでは、読者から募集したエッセイを紹介しています。今回は、「寝惚真奈子のひとり言」と題した、筆者がひょんなことから大学のサイクリング部に入ってからの経験と、1年半経ったサイクリングライフの振り返りを綴っています。
「会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は港サイクリングクラブ、両国サイクリングクラブ、サイクリングクラブペケとポチ、北大阪サイクリングクラブ、アルプスサイクルフレンズ、ペンギンサイクリングクラブ、宮城野サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、上智大CYCLE TOURIST COTERIEの各クラブから会報情報が寄せられています。
「LETTER TO EDITOR」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、車種体系に対する読者の意見と、それに対する編集部の考えが示されています。
1977年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。
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