ニューサイクリング 1977年7月号(No.152)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1977年7月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1977年7月号は、通巻152号です。

この号の巻頭グラビアは「全日本アマチュア自転車競技選手権大会」です。

通巻152号の目次をページ順に追うと、

16 メーカーを囲む (6) スポーツ車部品論議 丹下鉄工所

30 私のフランス遊記

36 シリーズ Le Peloton de CYCLISME (4)ボルドー-パリ

42 私の勧める各地の峠(初)東北地方の峠

46 TOUR OF PICCAをフィリピンで見た

54 自転車のイラストとその周辺

60 新オーダーメイド狂読本 ●ルネ・エルスの車種に合わせた自転車作り

85 ミラノサンレモ1977

90 アメリカ人とバイシクル

94 シリーズ これくたーというものは

100 シリーズ 堀田君の旅から旅(奈良田・丸山)

102 風・三国峠

116 TOURING REPORT 高野竜神スカイライン

120 会報すくらっぷ

121 書評・LE MONDE DE DANIEL REBOUR

123 LETTER FROM EDITOR

126 LETTER TO EDITOR

132 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「メーカーを囲む(6)スポーツ車部品論 丹下鉄工所」

この記事は、部品メーカーの人と業界関係者の人を招いて、いろいろ部品について話そうという企画です。今回は丹下鉄工所を取り上げ、今井編集長司会のもと、丹下鉄工所から松尾・小峰の二氏、そして今回は丹下製品を日常扱っているフレーム製作者として梶原製作所の梶原利夫氏、松下電器自転車事業部の斧隆夫氏、東叡社の大越義則氏を招いて座談会が開かれています。冒頭では製品であるフレームパイプとフレーム小物について、会社側の方が説明しています。本題に入っては、パスプの規格の問題や肉厚のバランス等の加工技術、ヘッド小物のデザインに関する要望等が話し合われています。


「私のフランス遊記」

この記事は今井彬彦編集長が1か月程フランスに滞在した時のことを色々と綴ったエッセイです。今回は「あちこちうろうろしていました」と題して食べ物のことについて筆者が食べたものや、現地の人達の食べっぷりについて伝えています。他にも「パリで拾ったこと」と題した囲み記事もあり、今回はパリの中の日本、パン屋、看板のことを書いています。


「LE PELOTON DE CYCLISME (4)ボルドー―パリ(550km) 恐怖のレース」

この記事はレキップ紙の専属記者ピエール・シャニー氏による、ヨーロッパのレース界情報を届ける連載です。今回はペーサーに引かれながら1日で550キロを走り切るレースを取り上げています。このレースはかつて殺人レースと呼ばれた長距離レースで、ここではその歴史や、ジャック・アンクティルの同レース挑戦におけるエピソードを綴っています。


「峠 絶好のシーズンは秋」

この記事では、副題に「補遺 私が勧める各地の峠 東北地方」とつけ、150号記念特集で掲載されなかった地域である東北地方の峠を14か所紹介しています。


「TOUR OF PICCAをフィリピンで見た!」

この記事はマエダ工業勤務の筆者による、フィリピンで開催された8日間でケソン、カバナシアン、バヨンボン、ウラダンダ、サンフレナンド、バギオ、バルゴス、ナガリアン、アラミノス、バガリアンと各地を回りながらマニラにゴールする1000kmに及ぶロードレースの観戦記です。


「自転車のイラストとその周辺」

ここでは自転車のイラストを多数描いているという筆者が、自身で描いた自転車のイラストを5枚掲載するとともに、筆者が描いている縮尺10分の1のイラストの描き方を紹介しています。


「新・オーダーメイド狂読本 ルネ・エルスの車種を揃えてみる(1)」

この記事は新田眞志氏の執筆による、これまで6台の自転車を製作してきた過程を通じて得られた自転車観を綴った連載です。冒頭では、筆者はルネ・エルスに憧れ、そのカタログに見られる車種を自分で作ってみることにより、ルネ・エルスを超越しようと試みたこと。そして、この文は車種に対して云々するものではなく、あくまで趣味として遊びとしての自転車作りを目指す筆者なりの車種の受け取り方として理解してほしいといっています。そして今回は、まえがきとして筆者の自転車遍歴を紹介したうえで、当時所有していた6台の中から、ツーリストとスポルティーフの製作経緯と仕様などを紹介しています。


目次にはありませんが、82ページからは「製品MEMO」が掲載されています。このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は「今井彬彦のフランス土産」として、BFのヘッド小物、ジョー・ルートンのシートピラーとレーサーシューズ、ストロングライトの軽量ネジ、MERALのペダルの5点を紹介。新製品情報としては、シマノの新型デュラエースリアディレイラー、シュパーブのガイドプレートが鉄へ変更になったフロントチェンジを取り上げています。


「ミラノ―サンレモ1977」

この記事は、当時イタリア在住だった宮沢清明氏によるレースレポートです。この年は25チーム258選手が参加。下馬評ではメルクスの8勝目やそれを阻止せんとするモゼール等の名が上がるなか、結果は一度も名の上がらなかったヤン・ラースが勝利。レポートではラース選手のプロフィールやレース展開を中心に伝えています。


「アメリカ人とバイシクル」

この記事はアメリカで建国200年を記念して名付けられたバイクセンティニアルに参加した日本人によるアメリカのバイクツアー参加記です。バイクセンティニアル・オーガニゼーションはトランス・アメリカ・バイク・ルートを設定しており、筆者はその一部の500マイルを7月から8月の11日間をかけてモンタナからワイオミングを走っています。レポートでは、現地で出会ったバイカーの自転車や装備と走り方について、また他のバイカーたちとの交流についても綴っています。


「これくたーというものは!」

この文は今井編集長執筆による、自身の二十数年にもなるという自転車コレクションについて綴っています。今回は筆者がこの年にヨーロッパを訪れた際に入手してきた新たなコレクション、針金細工2点やペンダント・ブローチを7点、ニベックスのディレイラー、また書籍も4点披露しています。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●奈良田・丸山(山梨) 雲海の上に富士が」

この文は、芦安周辺から夜叉神峠を越えて広河原経由で奈良田温泉、そして丸山を上るまでの道中と泊まった宿の様子を綴っています。


「風・三国峠」

この文は、夜行の汽車に乗って信州峠を越える予定だった筆者が、急に気が変わって三国峠へ向かった道中を語ったサイクリングエッセイです。


「試走記 高野竜神スカイライン」

この文は、高野竜神スカイラインが完成する前に走ったみたいと、筆者が建設途中の道へ走りに行ったツーリングレポートです。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は港サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、アルプスサイクルフレンズ、ペンギンサイクリングクラブ、北大阪サイクリングクラブ、サイクリングクラブ輪交会、宮城野サイクリングクラブ、日本サイクリング協会、両国サイクリングクラブ、輪跡CTC、東電学園サイクリング部の各クラブから会報情報が寄せられています。


「書評 優れたイラストレーターが持つしたたかな観察眼」

この文はベロ出版社から刊行された「ダニエル・ルブール著 イラストによるスポーツ車と部品の変遷1950-1976」の書評です。ここでは本書に対する批評とともに、本書の内容、編集と体裁、本書の意義についても述べています。


目次は出ていませんが、122ページには「長義和選手に期待する」と題し、島野工業宣伝課の筆者が、プロ入りを断念してモスクワオリンピックを目指すために島野工業入りした長義和選手に期待する言葉を述べています。


「LETTER FROM EDITOR」

このコーナーは、読者に対する編出室の声を届けています。今回の話題は、車種体系に関する意見、自転車用バッグに合成繊維を使うといった新しい動きがあること、自転車競技取材の時に乗る巡回バスでのこととなっています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、滑車千鳥について、ホイールセンターの重要性とカンティブレーキの性能に対する意見、サイクルショー視察の感想が寄せられています。


1977年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。

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