ニューサイクリング 1977年8月号(No.153)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1977年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1977年8月号は、通巻153号です。

通巻153号の目次をページ順に追うと、

14 メーカーを囲む (7) スポーツ車部品論議 島野工業

30 サイクリング一年生へのアドバイス (Q&A)

38 シリーズ Le Peloton de CYCLISME (5)ツール・ド・フランス

44 私のフランス遊記

50 DU SOLEIL DANS MES RAYONS より 私は自転車を愛す

52 アメリカのサイクリング連盟

58 ラジアルベアリングハブの検討

92 新オーダーメイド狂読本 ●ルネ・エルスの車種に合わせた自転車作り(2)

100 シリーズ これくたーというものは

104 道標のおはなし

108 シリーズ 堀田君の旅から旅(白峰・杉峠)

110 権兵衛峠をこえて

112 竹の内から明日香へ

122 LETTER FROM EDITOR

126 LETTER TO EDITOR

132 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「メーカーを囲む(7)スポーツ車部品論 島野工業」

この記事は、部品メーカーの人と業界関係者の人を招いて、いろいろ部品について話そうという企画です。今回は島野工業を取り上げ、今井編集長司会のもと、島野工業から酒井、長野、長谷部の三氏、横尾双輪館の横尾氏、セオサイクルの瀬尾氏、原サイクルの原氏を招いて座談会が開かれています。冒頭ではシマノの方が製品であるデュラエースや10ミリピッチ等について開発経緯や将来の見通しなどを話しています。本題に移っては、最初にデュラエースに関する話題を中心にデザインに対する意見やツーリング部品の要望、ついで600シリーズに話題を移して製品の位置付けや製品展開について意見を交わしています。その他にも当時出始めていたユニグライドのフリーやチェーン、10ミリピッチ、フレーム材料に関することも話題に上がっています。


「Q&A サイクリング一年生へのアドバイス」

この記事は、サイクリングを始めて間もない方、またこれから始めてみようと思っている方のためにサイクリングをするために必要な基礎知識をQ&A形式でまとめたものです。その内容は、どこを走ったらよいかわからないといったものから、自転車の運搬法、使う地図やその見方、自転車の操作方法や走り方、服装、自転車の手入れや整備のポイントなどとなっています。


「LE PELOTON DE CYCLISME (5)ツール・ド・フランス 1 フランス一周」

この記事はレキップ紙の専属記者ピエール・シャニー氏による、ヨーロッパのレース界情報を届ける連載です。今回は、ツール・ド・フランスを取り上げています。筆者はこのレースを「単なるレースではない、フランスの社会現象だ」といって、このレースにおける観客、選手、チームとのかかわりについて書いています。


「私のフランス遊記」

この記事は今井彬彦編集長が1か月程フランスに滞在した時のことを色々と綴ったエッセイです。今回は「日本によく知られているオーダーメーカー」と題して、初めにフランスで日本でいわれているオーダーメーカーに似ている言葉としては「cadre sur mesure」と言われていることを紹介。そして、ルネルスとボアシスを訪れてインタビューした内容を伝えています。


「DU SOLEIL DANS MES RAYONSより 私は自転車を愛す」

この文は、当時のフランスFFCT副会長であるピエール・ロック氏による著書「Du Soleil  dans Mes Rayons」からの一節を紹介したもので、自転車への愛を文学的表現あふれる文で綴っています。あわせてここにはロック氏による「遠きサイクリストの友へ」と題した今井彬彦氏とニューサイクリング誌のために書かれた文、そして今井氏によるロック氏の紹介文も掲載されています。


「英米のサイクリスト組織(1) アメリカのサイクリスト連盟(L.A.W) その歴史と現況」

この記事は欧米のサイクリスト組織の内容を紹介して日本における組織のあり方を考える糸口として役に立つようにと企画されたものです。今回は米国の組織としてLeague of AMERICAN WHEELMEN(L.A.W)を取り上げて、その歴史、組織機構、目的と内容、財政について紹介しています。


「アメリカからやってきた ラジアルベアリングハブの検討」

この記事は技研の井上重則氏による、アメリカのフィルおよびウェイレスのハブを分解調査したレポートです。


目次にはありませんが、78ページには「雨上がりの道」と題した、サイクリング写真集団に所属する筆者による八ヶ岳、十石峠等の雨上がりの道を走っている様子を写したフォトレポートが掲載されています。


目次にはありませんが、80ページには「私の栂峠」と題した、サイクリング写真集団に所属する筆者による栂峠越えの様子を伝えるフォトレポートが掲載されています。


目次にはありませんが、82ページからは「製品MEMO」が掲載されています。このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、マビックのハブ、マキシカーのハブ、ジョー・ルートンのスポルティーフ、ゼウス・クリテリウムのヘッド小物を取り上げています。


「新・オーダーメイド狂読本 ルネ・エルスの車種を揃えてみる(2)」

この記事は新田眞志氏の執筆による、これまで6台の自転車を製作してきた過程を通じて得られた自転車観を綴った連載です。冒頭では、筆者はルネ・エルスに憧れ、そのカタログに見られる車種を自分で作ってみることにより、ルネ・エルスを超越しようと試みたこと。そして、この文は車種に対して云々するものではなく、あくまで趣味として遊びとしての自転車作りを目指す筆者なりの車種の受け取り方として理解してほしいといっています。今回は、キャンピングと輪行車(パスハンター)の製作経緯と仕様などを紹介しています。


「これくたーというものは!」

この文は今井編集長執筆による、自身の二十数年にもなるという自転車コレクションについて綴っています。今回は「コレクターの心理」と題して、筆者のコレクションの癖や方向性について綴っています。コレクションの紹介はキーホルダーを取り上げ、40点余りのキーホルダーを紹介しています。


「道標のおはなし」

この文はタケノコクラブ所属で自称「旧街道走り魔」の筆者が、道標とはいったいどのようなものなのかということを綴っています。ここでは、道標とは何か、その発生、建立場所、指示方向・場所、形式、材質について解説しています。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●白峰・杉峠(金沢) 流れ星が一つ飛ぶ

この文は、白山温泉から杉峠を越えていこうとしますが、五万分の一地形図の山路があやふやで予定通り進めず、途中で野宿を強いられることとなったところまでの様子を綴っています。


「権兵衛峠をこえて」

この文は伊那側から権兵衛峠を越えて木曽川へ下るルートを走った筆者の、途中担ぎ上げをしながら峠の頂上まで進んだ様子を綴ったサイクリング紀行です。


「竹の内から明日香へ」

この文は「でんでん虫の会」の新田氏から誘われた筆者が、羽曳野、太子町、竹内、当麻、大和高田、明日香、桜井と寺社・史跡を巡りながら走った3泊4日を綴ったツーリング紀行です。


「LETTER FROM EDITOR」

このコーナーは、読者に対する編出室の声を届けています。今回の話題は、自転車用語に対する日欧の解釈の違い、ホテルの廊下の角を曲がった瞬間に自転車を転がすエディ・メルクスと鉢合わせた時のこと、キャンプをすることの効用とマナーの徹底についてとなっています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、自身もコレクターであると称する方からの自転車を使ったおもちゃの紹介、「スイス・8つの峠を越えて」の筆者からの掲載に対する謝辞、独り旅と愛車を題材にしたショートエッセイ、五万分の一地図が多色刷りになって変わった点の指摘、変速レバーのバンド設計に対する提案が寄せられています。


1977年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシアランドナー」でした。

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