ニューサイクリング 1978年6月号(No.163)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1978年6月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1978年6月号は、通巻163号です。

通巻163号の目次をページ順に追うと、

10 サイクルショー'78展望

28 シリーズ ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 大阪サイクルショー

32 サイクルショーその未来と矛盾

34 世界選手権への長い道

40 シリーズ DU SOLEIL DANS MES RAYONS から 真夏の狂気(6)

44 私にとってのプロムナード制作

52 数馬の山と川と人

60 花のある廃校

68 ツール・ド・韓国観戦記

グラビア 栂峠二題

78 製品MEMO

82 ●えっせい風コースガイド● 雨の姫街道

90 シリーズ 堀田君の旅から旅(銅街道)

92 井田の庄

96 ワラビ峠

99 ある大学クラブの活動から

123 会報すくらっぷ

124 LETTER TO EDITOR

128 REAR LAMP

となっています。

主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「サイクルショー'78展望」

この記事は編集部による、「海外からの参加を得て国際的になった」という大阪で開催されたショーの取材レポートです。レポートは写真中心で、国内外各メーカーの展示品を86枚の写真とその説明文で伝えています。


「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」

この記事は、当時数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「明日への道を拓く'78大阪国際見本市自転車ショー」と題して、筆者が日本を訪れて大阪のショーを視察したレポートとなっています。初めに日本を訪れて日本人に抱いた印象を述べています。ショーを視察した感想としては、欧米のような本当に国際的なものになるのはまだ先であると感じたこと。展示については、ショーで特に目についた製品があったり、トーエイやケルビムなどヨーロッパメーカーの部品をたくさん使っている会社があったと述べています。その他にもフランスのジャーナリストらしく、この年の大阪ショーは、初めてフランスの6つの完成車メーカーと17の部品業者が参加したことや日本市場におけるフランス製品の今後についても触れています。


「'78サイクルショーその矛盾と未来」

この文は、大阪のショーを見に行った筆者によるショーの感想と今後への提言を述べています。ショーについては、国際見本市のなかでサイクルショーを開催するのではなく、単独で国際サイクルショーを開くべきだという意見とその理由を述べています。未来への提言としては、現状を打破する戦略を持った効果的な啓蒙の場であってほしいといっています。


「世界選手権への長い道 第二回」

この記事は、加藤一氏による随想の連載です。今回はSF好きの筆者が、超ミニの原子力モーターやタイムマシンを手に入れたらやってみたい事や行ってみたい場所のことを書いています。他には筆者のこととして、画家と自転車競技者との因果関係について述べています。


「DU SOLEIL DANS MES RAYONS から 真夏の狂気(6)」

この文は、当時のフランスFFCT副会長であるピエール・ロック氏による著書「Du Soleil  dans Mes Rayons」からの一節を紹介したものです。今回は、ゴッドフロワの峠越えに関するいくつかのエピソードを綴っています。


「私にとってのプロムナード製作」

この記事は技研の井上重則氏による、筆者自身のための自転車製作記です。今回氏が製作した自転車は、ウイスキーの6本入りの木箱を前に載せたポーター風プロムナードです。ここでは初めてフレーム図面をかくところから、自作した部品や製作依頼した布製のチェーンケースのことなどを製作過程とともに説明しています。


「檜原村を訪ねて 数馬の山と川と人」

この文は、武蔵五日市駅から十里木、本宿、笹平、南郷、人里、数馬と走り、数馬の宿に泊まったことと翌朝の村の様子を綴ったサイクリング紀行です。


「花のある廃校」

この文は、輪行してきた長坂駅から出て深沢温泉に泊まり、翌日は桜の巨木が50本近くあり南アルプスの見える廃校となった小学校に寄ってから韮崎に向かうルートとして鳥井峠を目指すところまでを綴ったサイクルツーリング紀行です。


「第11回東亜サイクルレース「ツール・ド・韓国」観戦記」

この記事は、韓国国内を12日間かけて一周するレースの観戦記です。レースは11チーム44選手が出場してソウルをスタート・ゴールとした1,463kmで、筆者は3日目までのレース展開をレポートしています。


「サイクリング集団 栂峠二題」

このページはグラビアページで、栂池峠行を写した写真を掲載しています。「その1」は「深い霧と熊笹に誘われて」と題した、小海から北相木村に向かう道中で撮影した7枚を。「その2」では「春らんまん・栂峠」と題した、栂峠から新三郎の鞍部までを行った時に撮影した5枚を掲載しています。


「製品MEMO」

このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、シュパーブの新型ブレーキレバー、シディのレーサーシューズ等を取り上げています。


「えっせい・すたいる・こーすがいど 雨の姫街道」

この文は、筆者がナショナル自転車提供のデモンターブルで輪行した新居町駅から県道6号線を行って三ヶ日を経由して旧姫街道を走り、気賀駅に至るコースを案内するサイクリングエッセイです。このエッセイの後には「分解・組立て5分以内フレーム分割機構」「走りに合わせて選べるデ・モンタ3タイプ」と謳ったナショナルの広告が掲載されています。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●銅(あかがね)から半月」

この文は、輪行してきた深谷から銅街道を走って大間々を経由して足尾まで走ったことと、足尾で泊まった宿で翌日越える半月峠のことを思うまでを綴っています。


「井田の庄」

筆者曰く、過去の列島の海沿いは天然の堤防が発達した時期があり、やがてそれらが岬になったりラグーンを形成したりしながら自然の風景を変化させてきた。しかし現在では開発が進んだことによって人と自然のコミュニケーションの場は失われてしまった。そこで筆者は地図をたよりに、人と自然のコミュニケーションの手頃なモデルというべき風景を探します。そして、それを静岡県田方郡戸田村の井田地区にみつけたとして、サイクリングで訪れた時の風景を伝えています。


「ツーリングレポート ワラビ峠」

これはサイクリング写真集団に所属する筆者による、待ち合わせ場所の中之条からワラビ峠を越えて四万へ向かう下りまでの様子を写真と文で伝えるレポートです。


「サイクリングクラブの運営 ある大学サイクリング部の活動から」

この記事は大学サイクリング部員による、自身の在籍するクラブの活動を参考に当時の大学サイクリング部における活動について考察したものです。初めに入部者のサイクリング経験有無や部員構成を述べ、次に部としてのサイクリング活動とサークル活動を紹介しています。そのうえで大学サイクリングクラブとして抱える問題点について言及しています。


「会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は北大阪サイクリングクラブ、港サイクリングクラブ、木曽川サイクリングクラブ、両国サイクリングクラブ、西日本大学サイクリング連盟、西日本サイクリング連盟学士会、上智大CYCLE TOURIST COTERIE、輪跡 サイクリストツーリングクラブ、サイクリングクラブ輪交会の各クラブから会報情報が寄せられています。


「LETTER TO EDITOR」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は、アメリカを訪問した読者からアナハイム・バイク・エクスポで見た興味を引く展示品の紹介文が届いています。

※この号では本文にコーナータイトルが掲出されていませんが、目次に掲載があるので「LETTER TO EDITOR」のコーナーとして紹介いたします。


1978年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「グランヴェロ ロード」でした。

コメント

このブログの人気の投稿

ニューサイクリング 1989年1月号(No.294)

ニューサイクリング 1985年3月号(No.247)

週末の予定