ニューサイクリング 1979年8月号(No.178)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1979年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1979年8月号は、通巻178号です。

この号のカラーグラビアは「パリの自転車風景」、巻頭グラビアは「点描 パリの自転車風景」です。

通巻178号の目次をページ順に追うと、

14 ■談論風発■ 対談 小林恵三氏 19世紀史をライフワークに ●リストアップした文献7,500●

26 サイクリストの奥様に聞く 我が家のサイクリングライフ

36 ●René HERSE ものがたり (2) エルスを生んだ風土とその歴史

48 好評連載中! 世界選手権への長い道(16)

54 好評連載中! ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 目の不自由な人々を自転車に

60 ●信州紀行のうち 新野峠・大入川渓谷

77 【グラビア】下北半島

80 【グラビア】さすらい派北海道を行く

91 好評連載中! 地図は語る(4)

92 チ氏の欧州駐在録

100 サイクリストは骨は折っても自転車は折らぬ?

106 好評連載中! 堀田君の旅から旅(松姫峠)

108 天竜川周辺

109 ランチタイムクッキング 焼ナス・サケ缶のカラ揚げ

110 私が越えたスイスの峠

126 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉憧憬の峠路

129 New Cycling SALON 〈ESSAY〉風について

130 New Cycling SALON 〈LETTER TO EDITOR〉

132 New Cycling SALON 〈製品MEMO〉

137 New Cycling SALON 〈会報すくらっぷ〉

140 New Cycling SALON 〈REAR LAMP〉

となっています。


主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「談論風発」

このコーナーは8月号から始まった、自転車界に係る様々な分野の方と今井彬彦編集長が対談する企画の連載です。今回は「19世紀史をライフワークに リストアップした文献7500」と題した、フランスに渡って自転車の歴史に取り組んでいる小林恵三氏との対談です。対談の冒頭で語られている小林氏の活動は、5年前に渡仏してから現地の生活や習慣、言葉に慣れるのに3年を費やし、2年前からは文献のリストアップを開始。対談当時で7500冊ほどリストアップできたので、そろそろ自転車史に取り掛かろうかという段階でした。自転車や歴史に関する話題では、ベロシペードとビシクレットの違いといった細かい点から、総合的な自転車史の研究やフランス人と日本人の比較論といった大きな視点での話が出ています。他にも当時のフランスの雑誌の情勢やコベントリーの博物館の評価などが話しあわれています。


「特集インタビュー サイクリストの奥様に聞く 我が家のサイクリングライフ」

この記事は8月号の特集で、夫がサイクリストである奥様方にサイクリングの趣味をどう受け止めているかインタビューした内容をまとめて紹介しています。ここでは6人の奥様方に登場願って、夫のサイクリング趣味に対する評価や本音を語ってもらっています。


「アトリエ訪問特別編  René HERSE ものがたり(2)」

この記事は当時パリに駐在していた今井千束氏による「写真で巡る フランスの手作り工房」と題した連載の特別編です。今回は「エルスを生んだ風土とその歴史」と題し、飛行機作りの仕事で培ったジュラルミン加工技術を使っての軽い自転車作りに取り組んでいき、やがてアトリエを起こすこととなったルネ・エルスの半生を綴っています。そして、その当時はフランスでポリーシャントルーをはじめとした技術コンクールが盛んに行われていたことも紹介しています。


「世界選手権への長い道 第十六回」

この記事は、加藤一氏による随想の連載です。今回は筆者に関するエピソードとして、現役時代だったころの、底が柔らかい靴から渡仏当時は底の硬い靴に変わっていたことや、パリでのトレーニングの思い出を語っています。競技に関することでは、日本が世界選手権にアマ・プロの選手を派遣した第1回目や第2回目の頃の話、1958年の世界選手権における監督を務めていた筆者の現地での選手指導について綴っています。


「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」

この記事は、当時数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「目の不自由な人々を自転車に!」と題して、パリにある身体障碍者の為のスポーツクラブのこと、当時の最新の活動としてタンデムの普及があったことを紹介しています。そしてこのクラブでのレース活動や、フランスにおける目の不自由な人達の為のコンペティション活動を取り上げています。


「信州紀行のうち 新野峠・大入川渓谷」

この記事は今井彬彦編集長による、信州サイクリング紀行のひとつです。今回は筆者がニューサイクリングラリーで高遠に赴いた翌日、数人のグループで高遠周辺のポタリングと伊那での食事をした後に皆と別れて始めたソロツーリング、伊那、駒ケ根、飯田、駒場、阿南を経て新野峠を越えて浦川の駅で自転車を畳むところまでを綴っています。


「下北アルバムから」

この記事はサイクリング写真集団の筆者による、下北半島を巡った時の様子を撮影した写真を紹介するフォトアルバムのグラビアページです。


「さすらい派北海道を行く」

この記事は北海道の各地を自転車で巡った筆者が、写真と短文で旅を語るフォト紀行のグラビアページです。


「●サイクリストのための地図入門(その4) 地図は語る」

この記事は、地形図の読み方の解説をしていく連載です。今回は地形図に用いられている境界線についてと注記(文字)についての解説や、その他のこぼれ話を紹介しています。


「(チ)氏の欧州駐在録」

この記事はパリに駐在することとなった今井千束氏の現地レポートの連載です。今回は「マシンの精悍さ」と題し、異国に住んでいることからくるストレス、筆者はその発散のひとつとして加藤氏を訪れて自転車のよもやま話をすること。その時のひとつの話題として、競技の第一線で選手達が使用している自転車の持つ精悍さについて話し合った内容を綴っています。


目次にはありませんが、94ページからは「港サイクリングクラブ創立30周年記念 青森-下関リレータイムトライアル 65時間11分14秒のあしあと」と題した記事が掲載されています。この記事は植原郭氏による、5年前にMCCの25周年記念で実施したリレータイムトライアルの記録を打ち破ろうと再度の挑戦を行った記録です。今回は「その2 青森から東京まで」と題して、事前の青森までの移動のこと、実際に青森駅前を午前4時に出発した第1走者から第7走者が東京の中継所に到着するまでの各走者の力走を伝えています。


「サイクリストは骨は折っても自転車は折らぬ?」

この記事は技研の井上重則氏による、筆者が勤めの帰りに自損事故にあい、その日の記憶が戻らないので、本人の推測と第1発見者たちの話に基づいて綴った事故の記録と、本人の鎖骨骨折とその治癒までの経過を綴ったものです。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●松姫・大菩薩 舞い落ちて行く道」

ここでは、初鹿野から大菩薩、松姫峠と越えていく道中と、途中の嵯峨塩鉱泉や小菅にある旅館のことなどを綴っています。


「天竜川周辺」

この記事は飯田から時又、天竜橋を経て山道へ入ったいった時の風景を写真でつづるフォトサイクリング紀行です。


「ランチタイムクッキング」

この記事はサイクリングに出た際のランチタイムのクッキングをコンセプトに、色々な料理とその材料および料理法を紹介していくコーナーです。今回のランチは、ナスのカレー粉焼とサケ缶のカラ揚げの2点となっています。


「私が越えたスイスの峠(後)」

この記事は前年の9月に大学生であった筆者が、2週間にわたって13の峠を巡ったことをレポートしています。後半となる今回は、「ベルニーナ峠」「ユリエル峠」「オーベルアルプ峠」「フルカ峠」「グローセシャイデック」「ズーステン峠」を紹介しています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は「憧憬の峠路」と題して、前日泊まった伊那の宿から権兵衛峠を越えて行く予定を雨のため輪行に切り替えて信濃川上へ移動して宿泊。翌日、信州峠を越えて韮崎へ向かうまでの道中をレポートしています。


「New Cycling SALON 読者応募えっせい」

このコーナーは読者から寄せられたエッセイを紹介しています。今回は「"風"について」と題し、ソロサイクリングを続けていたころの心境、数年のブランクを経て職域クラブに加わってからはソロランに対する心境の変化が起こってきたことを綴っています。


「New Cycling SALON LETTER TO EDITOR(お便りから)」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回はサイクリングシューズに対する意見が届いています。


「New Cycling SALON 製品MEMO」

このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、コンチネンタルのチューブラータイヤ「240」「220」「175」「Tプロフィール」、gビアンキのサイクリングシューズ、唐沢製作所のバンドブレーキワイヤー組付専用工具、他を取り上げています。


「New Cycling SALON 会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は港サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、日本サイクリスツツーリングクラブ京都支部、奈良サイクリングクラブ、ペンギンサイクリングクラブ、アルプスサイクルフレンズ、ミノムシサイクリングクラブ、安濃津サイクリング倶楽部、北大阪サイクリングクラブ、The CYCLE CLUBの各クラブから会報情報が寄せられています。


1979年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシアグランスポルティーフ」でした。

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