ニューサイクリング 1980年3月号(No.185)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1980年3月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1980年3月号は、通巻185号です。

この号のカラーの口絵は、「点描 ボージュ(仏)の草レースの印象」です。

185号の目次をページ順に追うと、

 14 ■談論風発■対談 堀野定雄さん 人間工学とは?〈後編〉その自転車とのかかわりあい

 24 '80年代の自転車

 32 冬の峠越え その実践的アドバイス(最終回)

 40 早春の四国(後編)

 46 好評連載中 ■ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 シューズのことなど

 52 新遠野物語

 61 奥多摩抄

 66 さんぐうの道

 68 私たちが作ったタンデムサイドカー

 80 【グラビア】 南伊豆の遊歩道

 85 好評連載中 チ氏の欧州駐在録

 88 渥美

 92 ランチタイムクッキング ヤキソバ

 94 好評連載中 堀田君の旅から旅(田野鉱泉)

110 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉函館下海岸を行く

112 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉ソトバ峠

114 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉井川祭の記

116 New Cycling SALON 〈LETTER TO EDITOR〉

122 New Cycling SALON 〈製品MEMO〉

125 New Cycling SALON 〈会報すくらっぷ〉

となっています。


主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「談論風発」

このコーナーは、自転車に係る様々な分野の方と今井彬彦編集長が対談する企画の連載です。今回は「人間工学とは? その自転車とのかかわりあい(2)」と題した、前回に続いて神奈川大学助教授の堀野定雄氏との対談です。対談では、スポーツ車と人間工学との関りや問題点、セミドロップハンドルの人間工学的視点からの意見や三点調整法の問題などについて意見を交わしています。


「'80年代の自転車」

この記事はシクロウネの今野義氏が、多難だった1970年代を踏まえ、80年代の自転車の変化について氏の考えを披露しています。筆者はまず、前半のカンパニョーロの台頭とメーカーの淘汰による没個性化、メルクスの登場による軽量化志向とピーコック現象の発生による自己主張の動き。中盤からは日本製品の世界への挑戦、そして後半からはフランスの復活が1970年代の流れであったと述べています。それらを踏まえ、1980年代は空力学の追求からくる形態の変化、新素材の開発と普及による自転車の高性能化など、新しい技術と工業力を背景にとんでもない進歩を遂げるであろうとしています。


「山岳サイクリング(3)」

この記事は、筆者の経験に基づいた冬の峠越えガイドです。「冬の峠越え その実践的アドバイス」の最終回となる今回は、冬の峠越えに使用する自転車の仕様について、また様々な走行路面状況に対するその時々の走り方や担ぎ方等についてのアドバイスを掲載しています。


「早春の四国 後編」

この文は、過去に二回ほど四国を訪れて筆者が印象に残っていることを気ままに綴ったエッセイ風ガイドです。今回は筆者が天上の楽園と呼ぶ四国カルストや浮世離れしたのどかな集落のこと、そして雲早林道と土須峠のことについて綴っています。


「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」

この記事は、当時フランスでの数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「シクリスト用の底の丸い特別シューズは危険ではないか?」と「自転車長距離旅行の波」の二つの話題を提供しています。「シクリスト用の底の丸い特別シューズは危険ではないか?」では、従来と異なる靴底の形状や厚みを持ったシューズを使用することに合わせてフレームサイズやサドル高の調整を行うことの必要性について、パリ‐ブレス‐パリ参加者に多くの故障者が出た実例を挙げて警鐘を鳴らしています。「自転車長距離旅行の波」では、フランス大手の自転車や部品メーカーが行った大規模な長距離旅行の支援例として「自転車冒険旅行基金」や「公立冒険基金」などの活動を紹介しています。


「新遠野物語」

この記事は、岩手県の遠野を自転車で巡った様子を道中で撮影した写真も交えて5編のショートエッセイとしたサイクリングエッセイ集です。各編の題名は「忍峠」「河童」「仙人峠」「二つの峠」「小友」となっています。


「奥多摩抄」

この文は新田眞志氏による、友人とともに三人で輪行で移動してきた奥多摩駅から雨の鋸山林道を走って網代温泉を目指して走った時の様子を綴ったサイクリング紀行です。


「さんぐうの道」

この記事は、伊勢への旧街道に残された道しるべを辿りながら撮影した写真とともに綴るフォトサイクリングエッセイです。


「私たちが作ったタンデムサイドカー」

この記事は、四日市勤労青少年ホームの自転車グループが、初代会長が勤める会社の工作機械などを借りて製作したサイドカーの製作記です。


目次にはありませんが、78ページからは「GITANEのエアロダイナミックレーサー日本に上陸?」と題した記事が2ページに渡って掲載されています。記事では日本に持ち込まれたトラックレーサーを写真入りで紹介しています。


「南伊豆の遊道歩」

この記事は、南伊豆の妻良、伊浜、雲見周辺でのサイクリング中に撮影した写真を掲載したグラビアページです。


「(チ)氏の欧州駐在録」

この記事は、当時パリに駐在していた今井千束氏による現地レポートの連載です。今回は「初めて日本人が走ったベロシオの日」と題し、今井彬彦編集長がジュルネ・ベロシオに参加してグランボア峠を登り切った日のことを綴っています。


「渥美」

この文は、筆者が輪行で渥美半島を訪れて、芦ヶ池、田戸神社、恋路ヶ浜、大山を巡った時のことを訪れた地名の由来なども紹介しながら綴ったサイクリング紀行です。


「ランチタイムクッキング」

この記事はサイクリングに出た際のランチタイムのクッキングをコンセプトに、色々な料理とその材料および料理法を紹介していくコーナーです。今回のランチは、焼そば 、中華風サラダ、スープの三品です。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●田野鉱泉と雛鶴 必携!完全防寒具」

この記事は、サイクリング紀行の連載です。今回は、毎年頭の恒例となっている「W麻雀大会」を行うため、元旦から山梨へ正月ランへ行った時の話を綴っています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は3件あって、1件目は「函館下海岸を行く」と題して、函館から恵山まで海岸沿いに走った時の様子をこの地域の名称の由来や言い伝えなども交えてレポートしています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は3件あって、2件目は「ソトバ峠・廃村八丁」と題して、クラブの例会で泊まった京北町の宿を出発してから卒塔婆峠を越えて八丁を訪れた時の道中をレポートしています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は3件あって、3件目は「井川の祭の記」と題して、仲間とともに富士見峠を越えて井川を訪れるまでの道中をレポートしています。


「New Cycling SALON LETTER TO EDITOR(お便りから)」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回はNC誌に掲載されたルネ・エルスの記事に対する感想とカタログ入手方法の質問、山岳サイクリングに対する投稿者の意見、自転車用タイヤチェーンの製作記が寄せられています。


目次にはありませんが、120ページからは「ミヤタがベルギーのプロチームと正式契約」と題した記事が2ページに渡って掲載されています。記事ではミヤタがオランダのコガトレーディングを通じてヨーロッパにも広がってきていること。そのような中でベルギーに本拠を置くプロチームのアイスボルケーワランケイアスーコガ・ミヤタに自転車を供給する契約を結んだことを伝えています。と同時に、チームに提供する自転車の主なアッセンブルパーツを紹介しています。


「New Cycling SALON 製品MEMO」

このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、「エディ・メルクス 」と銘打ったレーサーソックス、ピットーレ・ジャンニのレッグカバー、VIVAのリムセメントクリーナー、タカムラ製作所のオリジナルポンプアダプター、他を取り上げています。


「New Cycling SALON 会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は、輪跡サイクリスツツーリングクラブ、奥多摩サイクリングクラブ、ペンギンサイクリングクラブ、安濃津サイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、サイクリングクラブ輪道、奈良サイクリングクラブ、日本サイクリスツツーリングクラブ京都支部、両国サイクリングクラブの各クラブから会報情報が寄せられています。


1980年3月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。

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