ニューサイクリング 1980年6月号(No.188)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1980年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1980年6月号は、通巻188号です。
この号のカラー口絵は「点描 René Herse Alex Singer」です。
通巻188号の目次をページ順に追うと、
14 ■談論風発■対談 加藤 一さん 世界選手権からルネ・エルスを作った話まで
26 アンケート大調査 もう一度行ってみたい所、行きたくない所など
36 ■アトリエ訪問番外編■アレックス・サンジェ物語(1) フランスがアルティザンを生み続けた時代
42 好評連載中 ■ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 ニューヨークサロン
46 ■座談会 ツーリング車、その現状と未来を探る
58 スポーツ車の系譜(1) 戦後スポーツ車の一断面
62 ■アメリカ自転車界探訪(2) クレージーなアメリカ人
78 【グラビア】 神鍋カップ
85 好評連載中 チ氏の欧州駐在録
88 斜視 山岳サイクリング論争について
90 好評連載中 堀田君の旅から旅(金沢峠)
92 ランチタイムクッキング そら豆とベーコンの煮込
94 ●僕のルネ・エルス物語(2) 無事にエルスをオーダー
100 ぜんかうじみち
106 '80大阪サイクルショー
118 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉赤城南麓石仏史跡めぐり
123 New Cycling SALON 〈LETTER TO EDITOR〉
127 New Cycling SALON 〈会報すくらっぷ〉
128 New Cycling SALON 〈製品 MEMO〉
132 New Cycling SALON 〈REAR LAMP〉
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「談論風発」
このコーナーは、自転車に係る様々な分野の方と今井彬彦編集長が対談する企画の連載です。今回は「世界選手権からルネ・エルスを作った話まで」と題した、久しぶりに帰国した加藤一氏との対談です。対談では初めにレースの話題ということで、この年のモスクワオリンピックのことと、世界選手権の日本開催問題などを話し合っています。加藤氏本人にまつわる話題では、絵のことと帰国直前に注文してきたエルスのことについて聞いています。
「もう一度行ってみたい所 二度と行きたくない所 ぜひ行ってみようと思う所」
この記事は、「アンケート大調査 体験的アドバイス集」と称した特集です。今回はPART1として、「また行ってみたい所(印象の良かった所)」「もう行って見たくない所(印象の悪かった所)」「ぜひ行って見ようと思う所」の三つの設問に対して14名の方から意見を集めています。
「アトリエ訪問特別編 アレックス・サンジェ物語(1)」
この記事は、パリに駐在していた今井千束氏が前年に連載していた「写真で巡る フランスの手作り工房」の特別編です。今回は「フランスがアルティザンを生み続けた時代」と題し、冒頭では当時サンジェとエルスがフランスの自転車アトリエでは頂点にあったこと、日本でフランススタイルが主流になっていったことについての考察を述べています。次にアレックス・サンジェがハンガリーで生まれてから自転車競技選手としての活躍、移民としてフランスに渡ってからの職を転々としたことやアトリエを開くに至るまでの経緯を紹介しています。
「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」
この記事は、当時フランスでの数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「自転車ブームの最中 ニューヨークサロン」と題して、当時のアメリカ自転車市場の状況とニューヨークサロンの視察レポートを寄せています。
「ツーリング車、その現状と未来を探る」
この記事は編集部員司会のもと、スポーツサイクルアルプスの萩原浩氏、原サイクルの原明吉氏、渡辺捷治製作所の渡辺捷治氏の3名による、ツーリング車を題材とした鼎談です。今回は部品のことについて、5ピンクランクやTAの人気について、ツーリング用に向いた変速機とは、他にも革サドルやカンティブレーキ、42Bやチューブラーのタイヤについて議論を戦わせています。
「スポーツ車の系譜 その1 戦後スポーツ車の一断面」
この記事は、「日本のスポーツ車その足跡を探る」とした企画で、今井編集長執筆による連載です。今回は、戦後から30年間のスポーツ車発展の区分、1949年からの第一期スポーツ車の萌芽とその後の試作時代、1949年に試作されたNCTC標準車S101型の三つの題材について綴っています。
「アメリカ自転車界探訪(2)」
この記事は、シクロウネの今野義氏が欧州中心の考え方を修正する役に立てばという意図で、シクロウネが出展したNBDAロスアンジェルスショーに参加して筆者が感じてきたことを綴った連載です。今回は「クレージーなアメリカ人」と題して、日本やヨーロッパでは見られないアメリカの特殊な部分について述べています。展示品の中からは日本のサミュエルのような手の込んだラグカットをした細工自転車、パーツ類ではフィルの小物、ウェイレスのペダル、クールストップのブレーキシューなどを紹介しています。
「残雪ののこる山麓にくり広げられた 1st神鍋カップ! サンツアーロード」
この記事は、4月5日と6日に神鍋高原で開催された第1回の神鍋カップロードレースの様子を、撮影した写真を中心に伝えるフォトレポートのグラビアページです。
目次にはありませんが、82ページからのグラビアページには「'80 BMX WORLD GRAND PRIX」という題した記事が掲載されています。この記事は、海外から20名、国内から約200名が参加して4月に日本で開催された、BMXレースの様子を写真で伝えるフォトレポートです。
「(チ)氏の欧州駐在録」
この記事は、当時パリに駐在していた今井千束氏による現地レポートの連載です。今回は「二つの"北の地獄"」と題し、ツール・ド・フランドルとパリールーペについて解説しています。
「山岳サイクリング論争について」
この記事は「N.C.JOURNAL 斜視」と題する、匿名の連載記事です。今回は、「どこまでも自転車を持ち込み、走れなければかついでも自転車とともに行こう」と「乗って行けない所に、自転車を持ち込む必要を認めない」という二つの立場がある当時の山岳サイクリング論争に対する提言をしています。
「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●山室と金沢峠 翠巒が風に流れる」
この記事は、サイクリング紀行の連載です。今回は、高遠から入笠山の西側の谷を遡って走った話です。
「ランチタイムクッキング」
この記事はサイクリングに出た際のランチタイムのクッキングをコンセプトに、色々な料理とその材料および料理法を紹介していくコーナーです。今回のランチは、ソラ豆の煮物、三枚肉ときゅうりのスープ、アスパラガスのサラダの三品です。
「●僕のルネ・エルス物語 第二話」
この記事は井上重則氏による、筆者がルネ・エルスを手に入れてから6年使ってみた私見を述べた連載です。今回は「無事にエルスをオーダーした」と題し、通訳氏とともにエルスの店を訪れて何とかオーダーを終えるまでの最中の出来事と、予定より半年遅れで手元に届いた自転車を引き取り、輸送中に壊れた部分を修正して乗れる状態にしたところまでを綴っています。
「ぜんかうじみち」
この文は、筆者が旧善光寺街道を辿り当時の痕跡を探訪しながら走った時のことを、借字文化や上之坊永潤の旅日記からの引用を紹介しながら綴ったサイクリング紀行です。
目次にはありませんが、105ページには「モスクワ五輪代表決定する 第49回全日本アマチュア自転車競技選手権大会」と題した記事が掲載されています。記事には五輪代表となった島野工業の長義和選手や高校生の坂本勉選手他、計9名の代表選手の紹介と、各競技の上位者の成績を掲載しています。
「'80大阪サイクルショー」
この記事は、関西自転車工業協同組合の主催によって大阪で開催されたサイクルショーの取材レポートです。レポートではこの年のサイクルショーの例年と違った点やその影響を伝えています。展示に関しては、主なメーカーの展示内容を写真で伝えています。紹介されている出展者はケルビム、ナショナル、ミヤタ、吉貝、サンツアー、ナガサワ、シマノ、ミノウラ、カンパニョーロとなっています。
「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」
このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は「赤城南麓 石仏史跡めぐり」と題して、ミノムシサイクリングクラブのクラブランで両毛線の国定駅から筆者がリーダーとなって走ったルートとレポートするとともに、訪れた24か所の石仏や史跡を紹介しています。
「New Cycling SALON LETTER TO EDITOR(お便りから)」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は山岳サイクリングに対する意見、新田氏が投稿した輪行用コネクターに関する読者からの質問とその回答として新田氏からの詳細なコネクター製作方法の紹介、自転車のホイールバランスに関する質問と編集部からの回答が掲載されています。
「New Cycling SALON 会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は、上智大CYCLE TOURIST COTERIE、安濃津サイクリングクラブ、ミノムシサイクリングクラブ、名古屋サイクルフレンズ、北大阪サイクリングクラブ、西日本大学サイクリング連盟学士会、西宮市役所サイクリングクラブ、桐朋学園サイクリング部の各クラブから会報情報が寄せられています。
「New Cycling SALON 製品MEMO」
このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、SIDIのナイロンメッシュ甲皮のシューズ「スーパーサイクル」、セラロイヤルのサドル「スーパーロイヤル」、シクロウネのトラック用クラウン「N.S.P」、他を取り上げています。
1980年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「アトランティス キャンピング」でした。
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