ニューサイクリング 1980年7月号(No.189)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1980年7月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1980年7月号は、通巻189号です。

通巻189号の目次をページ順に追うと、

 14 ■談論風発■対談 山根徳太郎さん 私にとってのサイクリングツーリングとは

 26 アンケート大調査 もう一度行ってみたい所、行きたくない所など

 34 ■アトリエ訪問特別編■アレックス・サンジェ物語(2) 貪欲なシクロツーリスト

 40 好評連載中 ■ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 アンドレ・ビューダン

 44 山岳縦走用ミニへのアプローチ

 52 ■アメリカ自転車界探訪(3) 224km/hを超えた自転車

 58 スポーツ車の系譜(2) スポーツ車萌芽と試作

 62 エベレスト エアロダイナミックストラックレーサー

 77 【グラビア】 全日本プロ自転車選手権大会

 80 【グラビア】 信玄の越えた峠

 85 好評連載中 チ氏の欧州駐在録

 88 好評連載中 堀田君の旅から旅(多摩川堤)

 90 ランチタイムクッキング マッシュルームご飯

 92 ●僕のルネ・エルス物語(3) ルネ・エルス・クレーム特集

 98 めぐり神の足あと

117 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉オホーツクの夏

121 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉雁峠

123 New Cycling SALON 〈ESSAY〉マッチ箱のこと

124 New Cycling SALON 〈LETTER TO EDITOR〉

126 New Cycling SALON 〈製品 MEMO〉

127 New Cycling SALON 〈会報すくらっぷ〉

132 New Cycling SALON 〈REAR LAMP〉

となっています。


主な記事の内容を以下にご紹介します。

※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。


「談論風発」

このコーナーは、自転車に係る様々な分野の方と今井彬彦編集長が対談する企画の連載です。今回は「京都北山をベースに活動する 私にとってのサイクリングツーリングとは」と題した、サイクルショップヤマネの山根徳太郎氏との対談です。対談では初めに、山根氏が27才でサイクリングを始めたことや当時の先達たちのことを聞いています。サイクルツーリングの話では、開田高原や八甲田周辺に憑かれていたことや濁川温泉の魅力、鞍掛峠の恐ろしさなどが話題に上がっています。


「もう一度行ってみたい所 二度と行きたくない所 ぜひ行ってみようと思う所」

この記事は、「アンケート大調査 体験的アドバイス集」と称した特集です。今回はPART2として、前回と同様の「また行ってみたい所(印象の良かった所)」「もう行って見たくない所(印象の悪かった所)」「ぜひ行って見ようと思う所」の三つの設問に対して15名の方からの意見を掲載しています。


「アトリエ訪問特別編 アレックス・サンジェ物語(2)」

この記事は、パリに駐在していた今井千束氏が前年に連載していた「写真で巡る フランスの手作り工房」の特別編です。今回は「貪欲なシクロツーリスト」と題し、アレックス・サンジェがシクロツーリストに人気がある理由について筆者の考察を述べています。あわせてエルネスト・スューカ氏が自転車作りを始めてから自転車に乗り始めたこと、当時のシクロツーリストに対するスューカ氏の意見やマシンの流行について聞いた話を紹介しています。


「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」

この記事は、当時フランスでの数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「自転車アルティザン アンドレ・ビューダン」と「シクロツーリズムの法則?」の二つの記事を寄せています。「自転車アルティザン アンドレ・ビューダン」では、当時32才だったビューダンの自転車競技選手としての側面と、アルティザンとしての側面を紹介しています。もうひとつの「シクロツーリズムの法則?」では、この年の1月末頃のレキップ紙に"シクロツーリスム法例"と題した、FIACとUCIのアマチュア部門の人達がシクロツーリスムについて語り合った結果とした記事がフランスのシクロツーリストの間に波紋を投げかけたことを紹介しています。


「山岳縦走用ミニへのアプローチ」

この記事は、山岳サイクリングにおける縦走も視野に入れた、さらに分解時には自転車自体が背負子になるよう設計した20インチホイールのミニベロ製作記です。記事ではフレーム、ホイール、トランスミッション、ハンドル・ブレーキ、サドル・電装・その他に分けて各部を解説、あわせて使用したパーツの一覧表も掲載しています。


「アメリカ自転車界探訪(3)」

この記事は、シクロウネの今野義氏が欧州中心の考え方を修正する役に立てばという意図で、シクロウネが出展したNBDAロスアンジェルスショーに参加して筆者が感じてきたことを綴った連載です。今回は「224km/hを超えた自転車」と題して、アラン・アボットがボンネビルでスピード世界記録を達成した自転車と、挑戦した時のトライアル方法についてを紹介しています。自転車はヤマハ関係者が製作したとされる、フロント230Tリア12Tを10mmピッチチェーンで22インチホイールを駆動するもの。それを引っ張るペースカーはシボレーのドラッグレーサーを改造したものであるとしています。


「スポーツ車の系譜 その2 第一期スポーツ車萌芽と試作2」

この記事は、「日本のスポーツ車その足跡を探る」とした企画で、今井編集長執筆による連載です。今回は1954年に自転車工業会が中心となって行われた軽量自転車試作事業について、担当した完成車メーカー6社、そして部品試作に協力した部品メーカー各社を紹介しています。あわせてこの事業をきっかけに、当時今井彬彦氏が編集に携わっていた雑誌「サイクル」の紙面からエンジンものを締め出し、1955年4月号には15ページのスポーツ車特集を掲載、そしてスポーツ車の一般的な知識の普及の啓蒙を始めたことを述べています。


「エベレスト エアロダイナミックストラックレーサー」

この記事は、「国内でも続々と名乗りを上げるA/Dレーサー」と称して、当時新たに発表されたエベレストのエアロダイナミックスモデルを写真も交えて詳細に紹介しています。さらに実践に投入されたエアロダイナミックスレーサーとして、全日本プロ自転車選手権大会のドミフォンと1000mTTで使用されたシクロウネの2台と、フランス人の持ち込んだべノットを紹介しています。


「全日本プロ自転車選手権大会」

この記事は、栃木県の宇都宮競輪場で開催された全日本プロ自転車選手権大会に参加した外国選手や、ドミフォン、ケイリンなどの競技の模様を、写真を中心に伝えるグラビアページです。


「信玄の越えた峠」

この記事は、静岡県の清水市北部にある峠を越えた時に撮影した写真を掲載したグラビアページです。


「(チ)氏の欧州駐在録」

この記事は、当時パリに駐在していた今井千束氏による現地レポートの連載です。今回は「サイクルツーリストサービスに乗り出したホテルチェーン」と題し、ノボテルというホテルチェーンが発表したサイクリスト向けサービスを紹介しながら、サイクルツーリストに対するフランスのホテル事情の変化について伝えています。


「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●多摩川堤 ポタって甲羅干し」

この記事は、サイクリング紀行の連載です。今回は、天気の良い日の午後からクリテリウムをはいてポタリングに出かけた時の話です。


「ランチタイムクッキング」

この記事はサイクリングに出た際のランチタイムのクッキングをコンセプトに、色々な料理とその材料および料理法を紹介していくコーナーです。今回のランチは、マッシュルームご飯、 いろいろサラダ、あさりスープの三品です。


「●僕のルネ・エルス物語 第三話」

この記事は井上重則氏による、筆者がルネ・エルスを手に入れてから6年使ってみた私見を述べた連載です。今回は「ルネ・エルス・クレーム特集」と題し、筆者曰く十指に余るというクレームを書き連ねています。フレームに関しては、それ自体には特に大きな問題はないけれども、へこみやしわ、直付け工作の位置が気になる。部品に関してはホイール、変速機、ステムなどについて問題点をあげています。そして最後には、実際に6年間7000km程使ってみてのトラブルについていくつか述べています。


「めぐり神の足あと」

この文は、茅野をスタートして諏訪神社上社をはじめ伊那や高遠方面の神社を巡った時の様子を周辺地域の歴史にも触れながら綴ったサイクリング紀行です。


目次にはありませんが、104ページからは「荒坂峠から水越峠」と題したサイクリング紀行が掲載されています。この紀行文では、和歌山を出発して五条経由で河内長野に抜けるコースを走った時に越えた峠のことを綴っています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は2件の掲載があり、1件目は「オホーツクの夏ー国境を感じた旅ー」と題してノサップ岬、野付崎、羅臼岳、浜頓別を走った時のことをレポートしています。


「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」

このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は2件の掲載があり、2件目は「雁峠」と題して奥秩父の雁峠と笠取新道を走った道中の様子をレポートしています。


「New Cycling SALON 読者応募えっせい」

このコーナーは読者から寄せられたエッセイを紹介しています。今回は「マッチ箱のこと」と題し、ツーリングに出た時に入る喫茶店の魅力と、帰宅後もそこでもらったマッチ箱から旅のことが思い出されることを綴っています。


「New Cycling SALON LETTER TO EDITOR(お便りから)」

このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は長沼製作所で試作されたカーボンフレームの紹介と、サイクリストの視点で見た登山者に対する意見が寄せられています。


「New Cycling SALON 製品MEMO」

このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、ブリヂストンオリジナルフロントバッグ「FB-16」「FB-17」、他を取り上げています。


「New Cycling SALON 会報すくらっぷ」

このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は、名古屋サイクルフレンズ、実業団いわてクラブ、サイクリングクラブ輪道、輪跡サイクリスツツーリングクラブ、長浜サイクリングクラブ、ミノムシサイクリングクラブ、夕凪サイクリングクラブ、日本サイクリスツツーリングクラブ京都、港サイクリングクラブの各クラブから会報情報が寄せられています。


目次には掲載されていませんが、128ページからは「New Cycling SALON INFORMATION●お知らせ」という記事が掲載されています。このコーナーは自転車に関する各種情報を知らせるもので、今回は「第24回全国サイクリングラリー記念 スペシャルメイドサイクルショー」と「第11回全国クラブラリー」のイベント開催告知、「NCTCからのお知らせ 創立35周年記念パーティー」開催に対する御礼、白馬栂池高原にサイクリングそしてアウトドアスポーツへの便宜を図ろうという「シャレー白馬」の紹介を掲載しています。


1980年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「アトランティス ロードレーサー」でした。

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