ニューサイクリング 1980年9月号(No.191)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1980年9月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1980年9月号は、通巻191号です。
この号の巻頭グラビアは「廃屋」です。
通巻191号の目次をページ順に追うと、
■談論風発■対談 三島嗣司さん マニアサイクリストが実感する険しいプロへの道
26 ■アトリエ訪問特別編■アレックス・サンジェ物語(4) 信念に裏付けされた自信と保守性
34 好評連載中■ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信 シクロツーリスム
38 型録 伊那の林道
49 カマキリ走法とは何か?
56 再・ルーフキャリア研究
77 【グラビア】 北山を走る
80 【グラビア】 神坂峠
86 好評連載中 チ氏の欧州駐在録
92 斜視 永松康雄氏の警鐘の意味を考える
94 好評連載中 堀田君の旅から旅(御座石)
96 ランチタイムクッキング 鶏肉のチーズ焼
98 上毛野国
104 スポーツ車の系譜(4) スポーツ車萌芽と試作
108 エベレスト エアロダイナミクスロードレーサー
118 New Cycling SALON 〈TOURING REPORT〉八十里越え
122 New Cycling SALON 〈LETTER TO EDITOR〉
126 New Cycling SALON 〈製品 MEMO〉
129 New Cycling SALON 〈会報すくらっぷ〉
132 New Cycling SALON 〈REAR LAMP〉
となっています。
主な記事の内容を以下にご紹介します。
※各ページの題名が目次と異なる場合は、本文の題名を表記しています。
「談論風発」
このコーナーは、自転車に係る様々な分野の方と今井彬彦編集長が対談する企画の連載です。今回は「たけのこ族?から自転車店のおやじに変身 マニアサイクリストが実感する険しいプロへの道」と題して、当時のセオサイクル船橋店店長の三島嗣治氏との対談です。対談では初めに純粋のサイクリストから自転車店に入ったことで考えが変わったこと、または変わらなかったことを聞いています。他には自転車店主または個人としてみた自転車への取組みや、クラシックパーツの扱いに対する考え。プライベートでは、クラシックな部品ばかり集めていたことや各地を走りに行っていたときのことなども聞いています。
※目次にはこの記事の掲載ページが記されておりませんが、本文は14ページから掲載されています。
「アトリエ訪問特別編 アレックス・サンジェ物語(4)」
この記事は、パリに駐在していた今井千束氏が前年に連載していた「写真で巡る フランスの手作り工房」の特別編です。今回は「新年に裏付けられた、自信と保守性」と題し、アトリエに入って取材したフレームの製作工程を写真入りで紹介しています。また他にもスューカ氏に質問した、オリジナルラグを製作したりTAの5ピンクランクでリングとクランクの止め位置をTA社のカタログ通りに付けない理由に対する回答を披露しています。記事の最後には「3台のアレックス・サンジェに見る アレックス・サンジェの魅力」と題して、1950年代に製作されたタンデム、エルネスト・スューカ氏、ジャック・スレー氏の所有するサンジェを写真で紹介しています。
「ミッシェル・ドロールのヨーロッパ通信」
この記事は、当時フランスでの数少ない自転車・サイクリングのジャーナリストと呼ばれていたミシェル・ドロール氏による連載です。今回は「シクロツーリスム」と題し、当時のフランスに数百キロ程度から最長2200kmまでの200近くあったランドネコースを走る際の参加要領と、その周辺情報を紹介しています。
「型録 伊那の林道」
この記事は、伊那サイクリングクラブの筆者達による、伊那周辺にある11の林道を紹介しています。ここで取り上げている林道は、月蔵林道、林道月蔵・千代田湖線、萱野林道、樽尾林道、峰山林道、林道日影入線、寺沢林道、黒川林道(中ア)、黒川林道(入笠山)、経ヶ岳林道三峰川林道となっています。
「カマキリ走法とは何か?」
この記事は、「ロードレーサーのライディングフォームに見る走行技術」と称した、カマキリ走法の名付け親であるブリヂストンサイクルの西沢敏明氏が、フォームの写真モデルおよび解説を務める記事です。冒頭では西沢敏明氏の略歴を紹介、その後に登坂路、平坦路、下り坂でのライディングフォームとともにハンドルバーの握り方のバリエーションを紹介しながら、その中でカマキリ走法の握り方を解説しています。
「再 ルーフキャリア研究」
この記事は、1979年2月号に掲載した「ルーフキャリア研究」の続編といえる記事です。今回は初めに製品紹介としてスーリーの自転車用キャリアを取り上げ、その製品詳細を写真入りで紹介。その後に正立型か倒立型かという視点でそれぞれのメリット、デメリットを挙げながらその使い勝手を考察。あわせて自転車をキャリアに載せて自動車を運転する際の注意点も述べています。
「北山を走る」
この記事は京都の北山、旧花折峠、能見峠、花脊峠、京見峠、旧笠峠、栗尾峠、鼓峠を仲間とともに走った際に撮影した道中の写真を掲載したグラビアページです。
「神坂峠」
この記事は、岐阜県と長野県の県境にある中央高速恵那山トンネルの真上にある峠を越て走った道中で撮影した風景や走行中の仲間の写真を掲載したグラビアページです。
「(チ)氏の欧州駐在録」
この記事は、当時パリに駐在していた今井千束氏による現地レポートの連載です。今回は「'80年ツール・ド・フランス イノーがリタイヤ、ゾートメルクが勝つ ミステリアスな2時間」と題し、報道各社の締め切りを2時間過ぎてからの突然の、そしてチームメイトさえ知らなかったベルナール・イノー突然のリタイア声明の謎について綴っています。
「永松康雄氏の警鐘の意味を考える」
この記事は「N.C.JOURNAL 斜視」と題する、匿名の連載記事です。今回は前月号に掲載された、永松康雄氏の山岳サイクリングに関する意見に対する筆者の感想と、筆者が考える自転車の楽しみに方に関する意見を述べています。
「堀田君のガイド風紀行 旅から旅 ●御座石、鈴嵐林道 清流と野鳥の天国」
この記事は、サイクリング紀行の連載です。今回は、韮崎駅から鈴嵐林道を走って御座石温泉を目指した話です。
「ランチタイムクッキング」
この記事はサイクリングに出た際のランチタイムのクッキングをコンセプトに、色々な料理とその材料および料理法を紹介していくコーナーです。今回のランチは、鶏肉のチーズ焼、ワカメスープ、クレープフルーツサラダの三品です。
「上毛野国」
この文は、軽井沢から和見峠を越え碓井関所跡に寄り、松井田、丹生を経由して下仁田街道とその周辺を巡って丹荘駅まで走った道中やそこで見た史跡のこと、そして周辺の地名に込められた意味などにも触れながら綴ったサイクリング紀行です。
「スポーツ車の系譜 その4 ツアー車という車種の登場、その先駆としてのJCA推薦制度(2)」
この記事は、「日本のスポーツ車その足跡を探る」とした企画で、今井編集長執筆による連載です。今回は前回に続いて旧日本サイクリング協会のJCA推薦制度について述べています。ここでは当時のスポーツ車の分野が未開発の時代、この制度によって日本のスポーツ車が進展し始めたこと、そして推薦部品のハンドルバー、ステム、リムとタイヤの詳細について紹介しています。
目次にはありませんが、107ページには「点描 自転車の日(フランス)」と題した、今井千束氏撮影の写真が掲載されています。
「NEW MODEL紹介 エベレスト エアロダイナミクスロードレーサー」
この記事は、7月号で紹介されたエアロダイナミックストラックレーサーに続く第2弾として、土屋製作所が完成させたエアロダイナミクスロードレーサーを取り上げています。ここではロードレーサーの全体そして特徴的な各部のアップ写真で紹介するとともに、フレームおよびアッセンブルパーツの一覧を掲載しています。
目次にはありませんが、114ページからは「代理部扱い図書御案内」で自転車関連の洋書6冊が紹介されています。取り上げているのは、ミシェル・ドロール氏著の「MA BICYCLETTEと「LA PRATIQUE DE LA BICYCLETTE」の2冊と、「LE VELLO LA LIBERTÉ」「LE CYCLISME LA BELLE EPOQUE DU SPORT」、パターソンサイクリング画集第一巻・第二巻、サイクリング漫画集、日本仏塔巡礼記(前編)となっています。
また116ページには、「第24回全国サイクリングラリー」の開催レポートが掲載されています。
「New Cycling SALON 読者応募 ツーリングレポート」
このコーナーは読者から寄せられたツーリングレポートを掲載しています。今回は「会越裏街道八十里越え」と題して、東三条駅から走り始めて八十里越峠を目指したものの、鞍掛峠まで来たところで日が暮れてきてしまったので、八十里越越えはあきらめて大白川へ降りていくこととしたところまでの道中をレポートしています。
「New Cycling SALON LETTER TO EDITOR(お便りから)」
このコーナーは、読者から編集部あてに寄せられた便り等を紹介しています。今回は情報として青崩峠の近況と斉木林道に関する情報、7月号の「LETTER TO EDITOR」に掲載された山岳サイクリングに対する意見、輪行用コネクターに関する追加情報の4件が寄せられています。
「New Cycling SALON 製品MEMO」
このコーナーでは、自転車部品や用品などを紹介しています。今回は、チネリのベルトバッグとホイールバッグ、レジナ新型フリー「チタール」、サンツアーのショルダーバッグとボストンバック、ブリヂストンのカマキリG「シティールック」と「ジョイ」、他を取り上げています。
「New Cycling SALON 会報すくらっぷ」
このコーナーでは、各地のサイクリングクラブの情報を紹介しています。今回は、港サイクリングクラブ、ミノムシサイクリングクラブ、西宮市役所サイクリングクラブ、高岡サイクリングフレンズ、名古屋サイクルフレンズ、日本サイクリング協会、奈良サイクリングクラブの各クラブから会報情報が寄せられています。
1980年9月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「アトランティスツーリング」でした。


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