0411ニューサイクリング 1985年12月号(No.257)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1985年12月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1985年12月号は、通巻257号です。

カラーの口絵は、「ニューグッズハンティング スギノ75トラック」「魔物について」「ワンショット 冬ざれた林道」です。

257号の目次をページ順に追うと、

 16 ニューパスハンティング 小原スカイライン周辺 美濃・三河・濃尾を行く

 26 ヨープが勝った!'85世界選手権レポート(2)

 38 1990年の話

 42 私をとらえる魔物について

 52 プロトン内部! うなりを上げて通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ

 62 サイクリングのソフト

 68 ロン・キッチン氏とCTC

 74 シクリズム国体雑感 メジャー競技へ向けての提案

 80 わかとり国体 青年ロードレース

 86 新しいサイクリング運動 八ヶ岳サイクルマラソン

 88 製品メモ

 94 奥飛騨・天生峠越え

 98 サイクルツーリングの分野における新しいソフトへの一つの提案

100 NCサロン

102 NCラリー'85

104 気になる風景 Material

106 ツール・ド・アジア'85

110 玉原越え近況

114 '85年度総目次

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「尾張・美濃・三河を越えるスポルティーフルート」と題し、小原スカイライン周辺を紹介しています。コースは瀬戸駅をスタートし、戸越峠、七山峠、一本松峠、大草峠、小田原代峠、山上峠、見晴峠をパスして瀬戸駅に戻ってくる73kmです。

「ヨープが勝った!'85世界選手権レポート(2)」は、編集部による取材レポートです。後編となる今回は、1周14.75kmの周回コースで行われた行われたプロ部門レースの後半ゴールまでをレポートしています。プロトン内部でのコントラアタックと落車の発生、ベルナール・イノーのリタイア。そして最後は15回目の世界選手権出場、39歳にして虹の栄光を手にしたヨープ・ズートメルクのコメントでレポートを締めくくっています。

「1990年の話」は、当時、国際プロ競技連盟副会長、そして日本アマチュア自転車競技連盟顧問であった加藤一氏による記事です。この年にアマ・プロ両車連が、1990年に日本でアマとプロの男子、女子、ルート、ピストのアンサンブルの世界選手権を開催すると決定。8月末にイタリアで開催された国際アマ・プロ両車連の総会で、1990年の世界戦開催国に立候補したことを報告しています。そして、各年の開催国決定までの流れと、その後の年の開催国争いへの影響。他には世界戦の歴史と、2年後となる1990年開催国決定に関して、筆者の野次馬的予測を語っています。

「私をとらえる魔物について」は、7月号から始まった新連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」この一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介していきます。今回は、映像ディレクターを務めるオーナーが所有する、メビウスのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「オーダーメイドによる体に合った自転車への一考察」です。

「プロトン内部! うなりを上げて、通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ(4)」は、9月号から始まった連載です。内容は、この時期にレーサーとして活躍していた選手たちへのインタビューで構成されています。今回は、シマノ工業入社後ピスト選手として活躍し、現在はロードマンに転身している、シマノ・レーシング所属の国末明選手に話を聞いています。

「サイクリングのソフト」は、前月号から続く今井彬彦編集長による「フランスのサイクリング行事」と題した文です。今回は、当時、フランスの行事で主流となっていたブルべについて詳細に紹介、そして解説しています。その内容は、FFCT直接主催のブルべ、山岳サイクリングブルベ、ディアゴナール・ド・フランス、フレッシ・ド・フランス、スーパーブルべとなっています。

「ロン・キッチン氏とCTC」は、仕事で英国出張した筆者による訪問記です。出張時の休日を使ってロン・キッチン氏を、そしてもう一つCTC(サイクリスツ・ツーリング・クラブ)の本部事務所を訪問しています。滞在先であるロンドンからヨーク市郊外のハロゲートへ向かい、ロン・キッチン氏の自宅を訪問します。そこからロン・キッチン氏のクルマでヨーク観光とキッチン氏の会社訪問。ヨークを発つ際には、ロン・キッチン氏からサイン入りの「ロン・キッチンズ・サイクリスツ・ログ」というサイクリング記録帳をプレゼントされています。もう一つの訪問先CTCはレンガ造りの格調高い建物。案内役の案内によって会員管理システム、売店、資料室などを見て回っています。資料室には日本をツーリングする時に英国人に配布するガイダンスもあったとのことです。当時4万人の会員を擁する世界最古のサイクリングクラブ訪問は伝統の重さを肌で感じたと筆者は感想を述べています。なお、このクラブのパトロンは女王陛下だということです。

「シクリズム国体雑感 メジャー競技へ向けての提案」は、国民体育大会の開催がちょうど40回目となった鳥取県での「わかとり国体」。マエダ工業に勤務する筆者が、この国体の自転車競技を見て思ったことや改善点、筆者の注目した選手を取り上げています。

「わかとり国体 青年ロードレース」は、10月25日に行われた、成年男子ロードレースのレースレポートです。大山山麓自転車ロードコース129.3kmで争われたレースは、埼玉県代表の鈴木光弘選手(ブリヂストン所属)が優勝しています。

「新しいサイクリング運動 八ヶ岳サイクルマラソン」は、10月に八ヶ岳南麓で開催された「第1回八ヶ岳サイクルマラソン」のイベントレポートです。このイベントは、競技や競争ではなく、八ヶ岳周辺100kmを自分の力で走って、各自の体力や健康を確認することを主目的としているとのことです。

「製品MEMO」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、シマノのニューデュラエーストラックモデルとサンツアー・スプリントの各パーツを紹介しています。

目次にはありませんが、92ページは「ニューモデル」と題するコーナーです。ブリヂストンサイクルの、ジウジアーロがデザインした「ブルゾン」と、前三角をカーボンファイバーとしたハイブリッドフレームおよびアルミニウム合金製フレームを紹介しています。

「奥飛騨・天生峠越え」は、岐阜県にある天生峠越えに行ったサイクリング紀行です。筆者たちは、高山方面から夏厩の奥にある集落に入って野営し、翌日天生峠を目指します。昼頃に峠に着いて長めの休憩をしてからは白川村までの15キロのダウンヒル。この後一行は観光地の白川を避け、野営地を求めて大牧ダムへ向かうところで話を結んでいます。

「サイクルツーリングの分野における新しいソフトへの一つの提案」は、10月号に掲載された「新しいサイクリング運動の展開が期待される」「ハードかソフトか サイクリングの楽しみ」の二つの記事を読んだ筆者からの提案です。筆者は、パスハンティングに対象を置いたアワードの設定を、基本理念、規約等を具体的に例示して提案しています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」で全国クラブラリーの開催告知と、レースカレンダーのプレゼント情報。「LETTER TO EDITOR」には、読者から「奥日光から奥鬼怒へ」と題したサイクリングレポートが寄せられています。

「NCラリー'85」は、10月5日~6日に、信州は春日温泉で行われたNCラリーのフォトレポートです。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「Material」と題して、何を素材として、世の中の移り変わりが伝達できるかについて語っています。

「ツール・ド・アジア'85」は、10月29日韓国・ソウルをスタートし、11月2日に群馬サイクルスポーツセンターで幕を下ろした「アジア国際サイクルロードレース」の、日本ステージのフォトレポートです。

「玉原越近況」は、読者による投稿情報です。1982年9月号の「玉原湿原」を読んだ筆者が'85年10月に水上から沼田へ抜けるコースを走った際のレポートです。訪問時点で藤原湖から玉原越に至る道は通行不可能となっており、1年もすれば消滅するだろうといって、レポートを締めくくっています。

※目次では表題が「玉原越え近況」となっていますが、本文の見出しは「玉原越近況」となっています。

「昭和60年総目次」は、NC誌1985年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。

※目次では題が「'85年度総目次」となっていますが、本文では「昭和60年総目次」となっています。

1985年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「グランヴェロ」でした。

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