ニューサイクリング 1985年11月号(No.256)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1985年11月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1985年11月号は、通巻256号です。
カラーの口絵は、「'85世界選手権大会」「魔物について」「シマノ・グリーンピア・ロード」です。
256号の目次をページ順に追うと、
24 ヨープが勝った!'85世界選手権レポート(1)
36 オホーツク北上
50 ニューパスハンティング 大平宿へ上がる静かな林道 鳩打峠・飯田峠
60 プロトン内部! うなりを上げて通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ(3)
70 足尾 冬の訪れ
78 私をとらえる魔物について
90 サイクリングのソフト
94 クライマーはペダルを踏む
98 気になる風景 この人
100 シマノ・グリーンピア・ロード
106 私のミニガイド 東上州 皇海山中腹を行く新林道 小蛇峠・赤倉峠・石神峠、大峰山
114 製品メモ
118 NCサロン
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「ヨープが勝った!'85世界選手権レポート(1)」は、編集部による取材レポートです。前編となる今回は、まず北イタリアのジャベラ・デル・モンテッロで開催されたルート競技の取材陣の様子。そして、1周14.75kmの周回コースで行われた行われたプロ部門18周レースの6周目までをレポートしています。バッサーノ・デル・グラッパで行われたピスト競技は、中野浩一が出場したピロビテス部門、フィリップ・ベルネとの戦いを中心に伝えています。
「オホーツク北上」は、夏の北海道ツーリング紀行です。東京から船で釧路に上陸して根室まで輪行。サイクリング開始初日は根室半島を一周し、翌日からはオホーツクに沿って北上を開始。根室から知床峠経由で網走まで走った後は、興部、浜頓別に宿をとりながら宗谷岬まで到達し、今回の旅紀行を締めくくっています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「大平宿へ上がる静かな林道」と題し、鳩打峠・飯田峠を紹介しています。コースは飯田駅をスタートし、鳩打峠、飯田峠をパスして飯田駅に戻ってくる42kmです。
「プロトン内部! うなりを上げて、通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ(3)」は、9月号から始まった連載です。内容は、この時期にレーサーとして活躍していた選手たちへのインタビューで構成されています。今回は、'84年に前田工業に入社し、サンツアーレーシングに所属している高橋松吉選手に話を聞いています。
「足尾 冬の訪れ」は、前年の12月に栃木の山域を走ったサイクリング紀行です。気動車に乗って足尾の駅に降り立った筆者は、自転車を組み立て日光に向けて走り出します。往路は国道を走って細尾峠を越え、いろは坂を登り直して中禅寺湖南岸に到達します。足尾へ戻るルートは中禅寺湖南岸を阿世潟まで行き、阿世潟峠を越えて九蔵沢、足尾ダムを通って足尾線の通洞駅で自転車を輪行袋に収めています。
「私をとらえる魔物について」は、7月号から始まった新連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」この一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介していきます。今回は、カーレースのイベンターとして活躍するオーナーが所有する「クルスルート」「ランドヌーズ」「ミクスト」の3台が登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏のよる解説は「自転車の独創性と装飾性のとの接点を求めて」です。
「サイクリングのソフト」は、今井彬彦編集長による「フランスのサイクリング行事」と題した文です。前半ではサイクリング分野のハード面について論じた後、ソフト面についての一つの例として、フランスの状況を紹介しています。まず言葉として日本の「サイクリング」にあたる言葉としてフランスには「シクロツーリスム」という言葉がある。これはレースのことを指す「シクリスム」とは明確に独立した言葉となっている。他にも「ブルべ」「ラリー」「コンサントラシオン」「ランドネ」「ツール・ド○○」等、様々な言葉、そしてそれに対応する各種の催しが恒例行事だけでも約70あるということです。
「クライマーはペダルを踏む」は、ヘルマン・ブールという登山家の話です。ここでは「ヘルマン・ブールと自転車と」と題してブール氏が残し、日本語版にもなった「八千メートルの上と下」に出てくる自転車を使って山へ行った話をしています。それは、自転車での旅というより山に向かうアプローチの道具としての活用で、自転車への想いは綴られていないということです。が、筆者は自転車好きであれば興味を覚えるであろうくだりを紹介しています。
「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「この人」と題して、二宮尊徳と計画経済主義について語っています。
「シマノ・グリーンピア・ロード」は、2回目の開催を迎えたグリーンピア・ロードについて、大会実行委員長にインタビューした記事です。インタビューでは、グリーンピア・ロードの位置づけ、前年の反省を踏まえた今年の体制とレース運営の柔軟性について。クラス分けの考え方と各クラスのキャパシティ。最後に将来に向けての抱負を語ってもらっています。
「私のミニガイド(14)」は、読者投稿によるサイクリングルート紹介企画の連載です。今回は「東上州 皇海山中腹を行く新林道」と題し、赤城北部に新たに開通した林道と小蛇峠・赤倉峠・石神峠を紹介しています。そのルートは、赤城駅から小蛇峠・赤倉峠・石神峠を越えて上牧駅に至る1泊2日のコースとなっています。
「私のミニガイド(15)」は、今月2本目のミニガイドです。こちらは、「群馬CSCのうら山を行く」と題し、大峰山を紹介しています。そのガイドルートは、後閑駅から上毛高原駅、群馬CSC近くを通って大峰山の頂上を越え、上牧駅へ至るコースとなっています。
「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」でサイクルフォトイベントの情報。「ニューパスハンティング実走レポート」には、読者から4件のレポートが寄せられています。
1985年11月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「グランヴェロ」でした。
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