ニューサイクリング 1985年7月号(No.252)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1985年7月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1985年7月号は、通巻252号です。
カラーの口絵は、「魔物について」「国際ロード」「ラグデザインのパイプ」です。
252号の目次をページ順に追うと、
22 私をとらえる魔物について
34 エッセイ 八ヶ岳山荘日誌
44 パラノワールドから愛をこめて 最終便
54 ニューパスハンティング 塩嶺王城スカイライン
64 ハネムーン・イン・スイス
76 オランダ通信 ルクセンブルクのトレーニングキャンプ
80 レース(国際ロード、丸石ロード、スギノカップ)
88 私のミニガイド(8) 安部峠
91 私のミニガイド(9) 前日光基幹林道
100 製品メモ
104 続・ハンドメイド変速機
108 NCラリーのお知らせ
110 気になる風景 文化
112 アメリカのオフロードサイクリスツ・コード
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「私をとらえる魔物について」は、7月号から始まった新連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」この一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介していきます。今回は、自分の自転車に求めるものはルブールが描いたエルスの線画だというオーナーが所有する、4台のトーエイ「ランドヌーズ」「キャンピング」「グランランドナー」「シクロスポルティフ」が登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「ダニエル・ルブールの線画に視るルネ・エルスと実物とのギャップ」です。
「エッセイ 八ヶ岳山荘日誌」は、1週間の夏休みをとった編集部員による、休暇を楽しんだ話の2回連載です。今回は、ロードレーサー、パスハンター、マウンテンサイクルの3台をクルマに積んで友人の持つ山荘に持ち込み。翌、滞在1日目は麦草峠へのヒルクライム、2日目は温泉はしごツアー、3日目はマクロレンズを付けたカメラを背負いマウンテンで高山植物を撮って回っています。
「パラノワールドから愛をこめて 最終便」は「パラノ的自転車美学II(NC6月号)を読んで」として、6月号に掲載した鈴木氏の文に応じる形で、新田氏が機能美と造形美に対する自身の意見を述べています。その論点は、「自転車を見る視点」「私にとってのルネ・エルス考」「再び前ガードの長さについて」「カードステイの取付角度」「フロントキャリアに関して」「ハンドルとサドル、そしてブレーキレバーの位置」についてとなっています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「展望バツグンの尾根道」と題し、塩嶺王城スカイラインを紹介しています。コースは岡谷駅をスタートし、塩尻峠、勝弦峠、小野峠、鶴ヶ峰をパスして辰野に至る32.8kmです。
「ハネムーン・イン・スイス」は、結婚休暇を利用し、夫婦でスイスの山岳サイクルツーリングへ行った海外サイクリング紀行です。8日間の日程で出発、初日は日本からの移動で、二日目のティーフェンキャステルからサイクリング開始。途中輪行もしながらアルブラ峠、ベルニナ峠、オーバーアルプ峠、ノーフェネン峠、グリムゼル峠、グロース・シャイデックを越えてインターラーケンでツーリングを終えています。
「ルクセンブルクのトレーニングキャンプ」は、オランダに留学していた藤森信行氏による連載「オランダ通信」です。今回は、平地のオランダから坂のトレーニングを行うためにルクセンブルクでのトレーニング合宿に参加した時のことをレポートしています。
「レース(国際ロード、丸石ロード、スギノカップ)」は、「'85国際サイクルロードレース 大阪大会 東京大会」「第7回丸石サイクルロードレース大会」「第3回クラブ対抗自転車競技大会」のリザルト掲載です。
「私のミニガイド(8)」は、読者投稿によるサイクリングルート紹介企画の連載です。今回は「小鳥のさえずりが聞こえるひっそりとした峠路」と題し、静岡駅から安部峠を越えて身延へ抜けるルートを案内しています。
「私のミニガイド(9)」は、読者投稿によるサイクリングルート紹介企画の連載で、今月の2本目です。こちらは「前日光基幹林道」と題し、日光駅を出発して滝ケ原峠、原山峠を越えて拍子木泊。翌日は川端峠、近沢峠、老越路峠を越えて東武足利駅へ至る1泊2日のコースを案内しています。
「製品MEMO」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、タンゲのヘッドパーツ「Gマスター」、アンブロッシオのディスクホイール、ビットリアの24インチチューブラー「コルサCG」等を紹介しています。
「続・ハンドメイド変速機」は、1984年7月号の記事にあったプルプル式に改造したフロントチェンジの改良版2号機の製作記です。今回は製作目標に「原理上、ワイヤにたるみを生じない機構としたい」「シフトの向上を図りたい」「単純な構造にしたい」「調整が楽なものにしたい」「小型、軽量化を進めたい」「少しは上達した加工技術を試したい」の6点を挙げて製作しています。
「NCラリーのお知らせ」は、NCラリーの開催告知です。この年の「ニューサイクリング読者会」は、長野県の春日温泉で10月に開催されることとなっています。
「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「文化」と題して、その土地に定着している生活様式について語っています。
「アメリカのオフロードサイクリスツ・コード」は、アメリカ・オフロードサイクリング協会(NORBA)のニュース紙の最後に毎号掲載されているサイクリスツ・コードを紹介しています。九つあるコードの見出しを紹介すると、「どんな時でも謙虚であれ」「注意深く走ること」「道路から外れるな」「スピードをいつもコントロールせよ」「家畜にあまり近寄るな」「身の回りの始末はちゃんとせよ」「各地各種の注意事項をよく知ること」「先々まで考えてプランを立てること」「事故は最小限に」となっています。
目次にはありませんが、114ページからは「NEW CYCLING SALON」が掲載されています。「NEW CYCLING SALON」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」でイベント情報などが5件掲載されています。他に、編集部員による「ある遭難騒ぎ」という文と、「サイクルショーの会場において」という題の投稿と、それに対する編集部の意見が掲載されています。
1985年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「マイル112」でした。
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