ニューサイクリング 1986年10月号(No.267)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1986年10月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1986年10月号は、通巻267号です。
カラーの口絵は、「ニューグッズハンティング シュパーブプロ」「びわ湖トライアスロン」「魔物について」です。
267号の目次をページ順に追うと、
20 シリーズ オールドボーイサイクリング インタビュー されど遊びの只中に!
30 アイアンマン・ジャパン イン びわ湖 良子の10時間38分07秒
40 ワイド版 ニューパスハンティング 特集・近くなった南会津〈上〉
62 私をとらえる魔物について
72 '86ツール・ド・フランス 21エキップの闘い 15エタップから23エタップ
82 杉野安の舌万歩計から(2) リオのカーニバル
88 アルミ車レイダック 選手が語る実戦アルミマシン
92 シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ (2)
107 モノディスプレイ サンツアーのニューパーツ
110 市川雅敏選手のスイス便り (6) KASと契約・日本人初のプロへ!
112 全日本実業団ロードレース 森幸春のフラッシュバック実業団ロード
116 気になる風景 マイナーからメジャーへ
120 カメラ紀行 古道を訪ねて 古の峠路ー岩越境界八十里峠
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「シリーズ オールドボーイサイクリング インタビュー されど遊びの只中に!」は、先月号から続く企画です。今回はインタビュー特集ということで、50代から60代まで4名のサイクリストに話を聞いています。そのインタビュータイトルは、「会津・甲州の峠を駆るパスハンター」「ホテルで熱いコーヒーを」「憶れはベルナール・イノー」「若い頃からスポーツで鍛えた身は日本全国野宿の旅へ」となっています。
「アイアンマン・ジャパン イン びわ湖 良子の10時間38分07秒」は、トライアスロンのレースレポートです。ただし、今回は個人を追ったもので、その方は7月号で城本選手のインタビュアー役を務めた女性トライアスリートです。レースはスイム3.2km、バイク161.0km、ラン32.0kmで、各パートの様子を写真で追っています。元水泳選手の彼女は、スイムを総合20位、日本人女性としてはトップでバイクへ。その後順位は落としますが、無事に完走を果たしています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回はワイド版として「特集・近くなった南会津〈上〉」とうたい、8本の記事を一挙掲載しています。「開通した野岩鉄道」は、編集部による冒頭文で、今回の特集を組んだ理由を述べています。南会津地方は信州に負けず劣らずたくさんの峠があるにもかかわらず、訪れるサイクリストが少ない。その要因の一つが交通の便の悪さにあるのではと推測。しかし、10月に野岩鉄道会津鬼怒川線が開通するので、グッと行きやすくなるだろうといっています。特集のコースガイドは「快適スポルティーフルート」と題した、会津高原駅から中山峠をパスして湯の花温泉までの27km。「ゴロタ道のハードコース」と題した、伊南を起点に戸板峠をパスして田島駅に至る23km。「美しい湿原を訪ねて」と題した、こちらは田島側から駒止峠をパスして山口へ至る21kmのルートを紹介。「南会津の玄関口」と題した、会津高原駅から山王峠をパスして新藤原駅に至る55kmの4本のコースを紹介しています。特集ではこの他に「南会津の温泉」と題した温泉ガイドを10か所掲載しています。特集の最後は紀行が2本。ひとつは「南山街道と」と題した、大内宿から大内峠を越えて会津若松へ向かったサイクリング。もうひとつは「船ヶ鼻峠と博士峠」と題した、会津若松から船ヶ鼻峠と博士峠を越えて、その日の宿へ向かうまでとの話となっています。
「私をとらえる魔物について」は、1985年から始まった連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、ジャーナリストのオーナーが所有する「ウィスキーリバー」と名付けたスポルティーフが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「休日サイクリストのための自転車に関する考察」です。
「'86ツール・ド・フランス 21エキップの闘い 15エタップから23エタップ」は、前号から続くツール・ド・フランスのレースレポートです。今回は第15ステージからのレポートです。第12ステージで総合トップに立ったベルナール・イノーは、レース前に今年はアシスト役のグレッグ・レモンを勝たせると公言していた通り、第17ステージでレモンに総合1位を譲ります。この後はイノーによって最後の試練が与えられたものの、レモンは最後までマイヨジョーヌを着続け、アメリカ人として初のツール覇者、そしてベルナール・イノーの後継者が誕生しました。
「杉野安の舌万歩計から」は、9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、今回はレース以外の物事にまつわる話となります。今回は「リオのカーニバル」です。ニューヨークのサイクルショーの終了後、リオに飛ぶとカーニバルにぶつかるとのこと。ブラジルの自転車会社がスギノのギヤを使ってくれた歴史があるとかで、再々ブラジルを訪れているとのこと。筆者は写真も好きで、リオのカーニバルを間近で撮りたいが、大勢のカメラマンが押し寄せるので撮影許可証が取れない。そこで一計を案じ、ブラジルの友人ルートを使って現地の写真記者ということにしてもらい、4日間50本のフィルムを撮影したエピソードを紹介しています。
「アルミ車レイダック 選手が語る実戦アルミマシン」は、当時導入が進んでいたアルミフレームのレーサー。ここでは、国際ロードや全日本にレイダックのアルミフレームで出場していたので、ブリヂストンレーシングチームの選手達にアルミ車を語ってもらっています。選手の感想では、乗った感じはスチールに比べてソフトに感じるとのこと。接着については特に不安を感じることはない。選手としては、勝ちが期待できる機材であれば、スチールにはこだわらないという話でした。後半では、技術面について技術部の課長にインタビューし、アルミの接着技術という視点で語ってもらっています。
「シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ 」は、9月号から始まった連載です。筆者の砂田弓弦氏は、イタリア滞在中の記録を克明にノートへ残していました。この連載は、その記録を元に筆者のイタリアでの体験を伝えてくれるものです。今回は、食にまつわる話と自転車の話です。7か月間の滞在中、トラットリアでの毎日の食事が何よりの楽しみだったといいます。そして、長澤義明氏や宮沢清明氏との食にまつわるエピソードも披露。特にチーズについては、中毒症候群におかされていたというほどのチーズ好きになったと回想しています。自転車の話は、初めてのレース観戦で足が震えるほどに感動したこと。最後はイタリアでのクラブやレースカテゴリーについて、そしてイタリアの人々が皆いかに自転車レースに詳しいかのエピソードを紹介しています。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、アボセットとIRCのタイヤ等を紹介。なかでも、サンツアーのニューラインナップは、特集並みの扱いで取り上げています。その全てを紹介すると、シュパーブプロの「I.P.Cシフトレバー」「P.Cシフトレバー」「前・後ディレイラー」「ブレーキアーチ」「エアロブレーキレバー」「ハブ」「ヘッドセット」「BBセット」、スプリントの「9000RD」、XC-9000の「前・後ディレイラー」「コンビネーションレバーI.F.Cタイプ」「コンビネーションレバーP.Cタイプ」「ブレーキキャリパー」となっています。
「市川雅敏選手のスイス便り(6)」、はスイスで活動を続けている市川雅敏選手による連載です。今回は便りの前に、市川選手が日本人としては初めてとなるプロ契約を「KAS-MAVIC」と交わしたニュース記事を載せています。そして、市川選手からの便りは、2つのステージとTTで争われた「lle Souvenir JOSY ESCH'86」で優勝したことを報告しています。
「全日本実業団ロードレース 森幸春のフラッシュバック実業団ロード」は、7月に鈴鹿サーキットで行われた「第20回西日本実業団対抗サイクルロードレース」で優勝した森幸春選手へのインタビュー記事です。
「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「マイナーからメジャーへ」と題して、国際理解とか文化摩擦の問題について語っています。
「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」ではイベント情報が4件あります。「Letter to Editor」では、「フィルウッドのハブの事」という投書が寄せられています。
「カメラ紀行 古道を訪ねて 古の峠路ー岩越境界八十里峠」は、写真と共に綴るサイクリング紀行です。筆者は、福島県と新潟県の県境を越える峠周辺の風景を写真で届けています。
1986年10月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。
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