ニューサイクリング 1986年2月号(No.259)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1986年2月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1986年2月号は、通巻259号です。

カラーの口絵は、「ミラノショー'85」「魔物について」です。

259号の目次をページ順に追うと、

 16 恒例 読者賀状コンクール

 30 私をとらえる魔物について

 42 ミラノショー'85 流体マシンの出現

 54 ニューパスハンティング 伊豆・達磨山林道

 64 プロトン内部! うなりを上げて通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ

 76 厳冬 大弛峠

 80 越えられなかった高見峠

 86 ローマにて

 90 明治37年の女性サイクリスト 風俗画報218号から

 92 気になる風景 富士を見ぬ日

 98 ニューパスハンティング 実走レポート

101 私のミニガイド 湖南アルプスを摘み食い

102 ツーリング情報 半月峠の現状

104 使ってみたら ベタ・チェンクリーナー

106 製品メモ

110 初詣ラン

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「恒例 読者賀状コンクール」は、毎年恒例の読者からの年賀状紹介特集です。この年は、80通以上の賀状が掲載されています。

「私をとらえる魔物について」は、1985年から始まった連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」この一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、サービス業を営むオーナーが所有するビアンキとヴォーグのロードレーサーが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「イタリー製マシーンに見られるロードレーサーの本質的な部分に関する考察」です。

「ミラノショー'85 流体マシンの出現」は、ミラノショーの取材レポートです。この年はエアロマシンがショーの中心で、最も注目を集めたのはボテッキアの流体マシン。他メーカーもディスクホイールを装着したレーサーを多数出展。自転車競技の本場といえるイタリアで開催されたショーならではの特色が色濃く出たショーとなったようです。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「富士の見える新しい林道」と題し、伊豆の達磨山林道を紹介しています。コースは修善寺駅をスタートし、ダルマ山林道の6つのピークをパスして修善寺駅に至る36.5kmです。

「プロトン内部! うなりを上げて通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ(6)」は、前年から始まった連載です。内容は、この時期にレーサーとして活躍していた選手たちへのインタビューで構成されています。今回は、ナショナル、ミヤタを経て前年にスギノテクノに入社した三浦恭資選手に話を聞いています。

「厳冬 大弛峠」は、1月に大弛峠にアタックした山岳サイクリング紀行です。山サイ研に所属していた筆者は、ペアを組んだ同行者とともに信濃川上側からアタックを開始。初日は峠の少し手前で野営し、翌朝に大弛峠で記念を撮影してから北奥千丈岳と国師岳を巡って野営地へ戻り、撤収して下山開始。途中で二日目の野営をして、塩山まで下りています。

「越えられなかった高見峠」は、三重奈良県境にある峠に二度挑んだ筆者のサイクリング紀行です。一度目はロードレーサーで家を出たものの、雨に降られて輪行敗退。二度目は泥よけ付きで臨んだものの、この日も雨。さらにトンネル工事の影響で通行時間も限られているため、後から来た軽トラに乗せてもらい峠越えとなり、二回目も自転車で峠を越えることができませんでした。トンネルを抜けると晴れていたので、軽トラから降りて走行開始。その日は三重の飯高町に宿泊し、翌日伊勢志摩まで走ったのち輪行で帰宅しています。

「ローマにて」は、1990年の世界選日本招致のためにローマを訪れた、杉野安氏によるレポートです。ローマで開催されているUCI他の会議期間に、日本車連として招致レセプションを行うためのパーティを開催。来場者は予想をはるかに超える200以上だったといい、各国車連会長の反応も良く、パーティは成功裏のうちに終了。自転車がマイナーからメジャースポーツになる日が近づくと感じられたと、感想を述べて話を結んでいます。

「明治37年の女性サイクリスト 風俗画報218号から」は、明治の雑誌から自転車の登場する記事を紹介しています。この記事で興味を引くのは、当時すでに「さいくりすと」という言葉が出ていることです。そしてもう一つ、同じく風俗画報の216号では、自転車の曲乗りという題で募集した短歌や俳句5首が掲載されているということで、それら5首が紹介されています。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「富士を見ぬ日」と題して、芭蕉の句になぞらえて見えない風景について語っています。

目次にありませんが94ページからは「NCサロン」が掲載されています。「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、イベント情報2件、盗難車捜索依頼が1件と、白巣峠サイクリングのレポートが掲載されています。

「ニューパスハンティング実走レポート」は、連載「ニューパスハンティング」で紹介されたコースの、読者による実走レポートです。今回は、'85年11月号で紹介された鳩打峠の実走レポート4本が掲載されています。

「私のミニガイド(16)」は、読者投稿によるサイクリングルート紹介企画の連載です。今回は「湖南アルプスを摘み食い1」と題し、大津在住の筆者が滋賀県湖南市にある林道を紹介しています。そのルートは、瀬田唐橋あたりから阿星山周辺を巡り国道1号線へ下りてくるコースとなっています。

「半月峠の現状」は、読者投稿によるツーリング情報です。'85年11月号に中禅寺湖方面のツーリングをレポートした筆者が、その時に通らなかった半月峠へ改めて行ったレポートです。中禅寺湖側から登り、半月峠を越えて足尾へと下るルートは、廃道との情報が間違いと思われるような状態の良い道だったと報告しています。

「使ってみたら ベタ・チェンクリーナー」は、製品メモの番外編です。この製品はチェーンを切らずに自転車に装着したまま、クリーナーを満たしたケースの中のブラシがきれいにする仕組みのもの。実際に使用してみた感想は、チェーンは手を汚さず奇麗になるが、汚れたクリーナーを綺麗にするのに手を汚してしまったとのことでした。

「製品MEMO」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、シマノ600EXのブレーキ、サイドプルのキャリパーとレバー、ナイキのサイクリングシューズ「ディスカバリー」等を紹介しています。

「初詣ラン」は、「'86NC新春ラン五色不動巡り」の実施報告です。当日は100人以上が参加、上野博物館前に集合して、三ノ輪、本郷、目白、世田谷、目黒と約50km走っています。

1986年2月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。

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