ニューサイクリング 1986年5月号(No.262)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1986年5月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1986年5月号は、通巻262号です。

カラーの口絵は、「魔物について」「ペニーファージング」です。

262号の目次をページ順に追うと、

 20 秋をとらえる魔物について

 32 ニューパスハンティング 阿武隈 裏道と無名の7峠

 42 座談会 我ら新しもの族 2

 67 モノディスプレイ

 68 プロトン内部! うなりを上げて通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ

 78 信楽から童仙房へ

 84 春合宿in Taiwan 高雄にて

 94 サイクリングソフトの開発(下)

 98 気になる風景 Devil's Den

100 柏トライアスロン大会

102 春の嵐に勝てなかった チャレンジロード

106 カメラ紀行 鳳来から天童へ

108 ニューパスハンティング実走レポート 小原スカイライン、八溝周辺

110 スポーツの疲労、障害への冷却理論

112 NCサロン

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「私をとらえる魔物について」は、1985年から始まった連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」この一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、トライアスリートのオーナーが所有するズノウのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「トライアスロン用モデルに関する考察」です。

※目次では題名が「秋をとらえる魔物について」となっていますが、正しくは「私をとらえる魔物について」となります。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「ゆるやかな準平原を走る」と題し、阿武隈の裏道と無名の7峠を紹介しています。コースは磐城棚倉駅をスタートし、阿武隈の裏道をつなぎながら7つのピークをパスし、高萩駅に至る67.5kmです。

「座談会 我ら新らしもの族 2」は、この当時に登場したきた新製品にスポットを当て、3人の出席者による品評会的座談会の前月号からの続きです。取り上げられている製品は、ディスクホイール、ファニーバイク、ラビクレールのウエア、コカ・コーラのボトル、バイオペース、ニューデュラエース等です。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は9ページに渡り、ルックやシマノのペダル、コロンブスのロードエンド、LAKEやアディダスのシューズ、VARの新しい工具等を紹介しています。

「プロトン内部! うなりを上げて、通過する選手集団 彼ら五感のモノローグ(9)」は、前年から始まった連載です。内容は、この時期にレーサーとして活躍していた選手たちへのインタビューで構成されています。今回は、2年間にわたりヨーロッパレースを経験し、当時はアラヤ・レーシング所属の鉄沢孝一選手に話を聞いています。

「信楽から童仙房へ」は、滋賀県の柘植駅から伊賀上野方面へ走ったサイクリング紀行です。筆者は柘植からは国道を行き、甲南から旧道へ入っていきます。紫香楽宮跡に立ち寄り、信楽の町へ入っていきます。信楽とタヌキ、所期の目的を達成した筆者はこれ以降のコースは決めておらず、本人曰く「支離滅裂」なサイクリングとなり、伊賀上野に向けてひた走るところで話を終わらせています。

「春合宿in Taiwan 高雄にて」は、杉野安氏によるスギノ・レーシングチームの台湾合宿レポートです。チームは台北経由で高雄に移動。今回は、台湾の総教練である施氏の誘いによって、台湾選手との合宿を行っています。合宿に先立って杉野氏は二度台湾を訪れて現地を視察し、チームの冬季練習ランをできるだけさせたいという意思もあり、10日間の合宿実施を決定しています。合宿での走行は、選手が止まらぬようにクルマや通行人を止めて走る大名行列のようなトレーニングだったと言っています。練習以外では、食事のことや台湾選手の強化策や選手達との親交について綴っています。

「サイクリングのソフトの開発(下)」は、サイクリングにおける、ハードウエアである自転車で行う物事としてのソフトウエアについて、今井彬彦編集長による提言です。今回は、前回紹介されたサイクルマラソンについて、その問題点や参加者の行動など更なる考察を行っています。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「Devil's Den」と題して、パターソンの描いた遺跡とその類似性が指摘されている、遠野市の続石について語っています。

「柏トライアスロン大会」は、「第1回柏トライアスロン」兼「第9回柏バイアスロン」のレースレポートです。この年で9回目を迎えたというバイアスロン(自転車・ランニング)と、プールを使って水泳を取り入れトライアスロンとした、両部門の結果も掲載しています。

「春の嵐に勝てなかった チャレンジロード」は、吹雪となったためにやむなく中止となったチャレンジロード。そのレースレポートに代わる「残念インタビュー」と称した大会委員、選手へのインタビュー記事です。

「カメラ紀行 鳳来から天童へ」は、写真と共に綴るサイクリングミニガイドです。筆者は、本長篠駅から走り始め、炭焼田峠、中代峠、飯沼峠、掘割峠、和山間峠等を越えて浦川駅に至るコースを1泊2日で走っています。

「ニューパスハンティング実走レポート」は、連載「ニューパスハンティング」で紹介されたコースの、読者による実走レポートです。今回は、「小原スカイライン」と「八溝山周辺」の実走レポート各1本が掲載されています。

「スポーツの疲労、障害への冷却理論」は、当時アメリカから唱えられ一般化した理論を紹介しています。これは、スポーツによる疲労や障害に冷却することが非常に有効であるというものです。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」でレース・イベント情報が3件。そしてこの年の神鍋カップ中止のお知らせも掲載されています。そして、スイスのマビックジターンチームのメンバーになった市川雅敏選手からの便りも紹介しています。

1986年5月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「ユーラシア」でした。

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