ニューサイクリング 1986年8月号(No.265)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1986年8月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1986年8月号は、通巻265号です。

カラーの口絵は、「全日本選手権 ロード」「魔物について」「バリエーションオーダー 一挙に7台」「エルスのトリプレット」です。

265号の目次をページ順に追うと、

 20 ニューパスハンティング 水ヶ森林道

 30 私をとらえる魔物について

 42 バリエーションオーダー 一挙に7台

 60 讃岐通信

 70 第55回全日本アマチュア自転車競技大会

 76 近畿ロード

 78 市川雅敏選手のスイス便り

 84 プレボー氏のエルス・トリプレット

 97 モノディスプレイ

 98 権兵衛街道を行く

104 サイドカー製作記

110 気になる風景 笑門

111 NCラリーのお知らせ

112 NCサロン

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「焼山峠から太良ヶ峠へのパノラマスカイライン」と題し、水ヶ森林道を紹介しています。コースは山梨市駅を起点とし、焼山峠、黒平峠、弓張峠、良ヶ峠をパスして山梨市駅へ至る59.3kmです。

「私をとらえる魔物について」は、1985年から始まった連載です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社役員を務めるオーナーが所有するアルプスのクライマーが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「パスハンターのギヤとシート角度に関する考察」です。

「バリエーションオーダー 一挙に7台」は、ペガサスを7台まとめてオーダーしたオーナーへの取材記事です。まずは製作者側である神金自転車商会のコメント、次にオーナーのコメントを紹介しています。7台の自転車は、ツーリズモ、ランドナー、パスハンター、スポルティフ、クルスルートという車種構成。このうちランドナーとスポルティフは各2台製作しいます。各車は全体と部分アップの写真数点と簡単な説明で紹介されています。それと、7台の共通点としてチェンジワイヤー下パイプのみ内臓、ツーボトル台座、シートステイのポンプ、ショルダーベルトの直付け、チネリのなで肩クラウン、フォークのサイドキャリアダボを挙げています。

「讃岐通信」は、奥様の実家へ行く際にロードレーサーも輪行し、高松周辺を走った帰省サイクリング紀行です。帰省した翌日は、午前中に療養中の義父を見舞ってからポタリングに出ます。途中、平賀源内の旧宅を訪れるが、イベント貸し切りの為見学できず。この後は、この日の本命である大串崎に向かったあと帰宅。翌日は山越えのルート、徳島県との県境を目指します。県境を越えて吉野川まで出た後、時間に余裕があったので、東山峠を越えて金刀比羅まで走って、この帰省でのサイクリングを締めくくっています。

「第55回全日本アマチュア自転車競技大会」は、6月に「第10回アジア大会」「'86世界選手権大会」の選手選考会として行われた大会のレースレポートです。ロードレースは日本サイクルスポーツセンター5kmコースで、ピストは伊東温泉競輪場で行われ、アジア大会17名と世界戦7名の代表が決定しました。

「近畿ロード」は、6月の終わりに鈴鹿サーキットで行われた「第21回近畿ロードレース」のレースレポートです。2週間前に行われた全日本のチャンピオン、三浦恭資の他有力選手を欠いて行われたレースは接戦となます。最後まで大集団が崩れることはなく、最終回は上位10名が0.7秒以内というスプリント合戦になり、21歳のニューヒーローが誕生しました。

「市川雅敏選手のスイス便り(4)」、今回は5月終わりから6月にかけて出場した5レースの結果を報告してきています。5月末に行われたスイス最長ののクラシックレースは22位。翌週のレースは、トップ集団にいたもののクリップバンドがちぎれてリタイア。翌週3ステージで行われたレースは、トップから3分31秒遅れの総合5位。最後のクラシックレースは、自身の調子は良かったものの、チームの戦略により19位でゴール。レポートの最後は、市川選手の1週間の過ごし方を紹介しています。

「プレボー氏のエルス・トリプレット」は、この年の6月に歴史を閉じたルネルスのトリプレットが日本にやってきた話です。編集部に来た自転車文化センターからの依頼でエルスを探すこととなり、リリーにその旨を伝えます。数か月が経過した頃、知り合いがトリプレットを手放しても良いといっていると連絡がパリからあります。そうして日本にやってきたルネルスのトリプレットは1948年製作。自転車文化センターのコレクション入りしたというこのトリプレット、誌上では23点の写真とその説明文で、各部の詳細を紹介しています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、吉貝のカンティ「962」「983」「AGC251」、ユーレー「344」、ミルレモ軽量ペダル、リオター「ドロミテ」等を紹介しています。

「権兵衛街道を行く」は、パスハンターでのサイクリング紀行です。前々年のサイクリングで大転倒して、壊れたままとなっていた自転車。正月休みの暇な時間を使って、修理がてらパスハンターに改造。その自転車で権兵衛峠を目指します。3月下旬に行った時は積雪のため断念。5月に改めて訪れています。この時は夜行に乗り、塩尻を出発して奈良井を通り、鳥居峠、姥神峠、そして権兵衛峠を越えて辰野に抜けるルートで走っています。

「サイドカー製作記」は、以前NC誌で掲載されたサイドカー製作記を読んだ筆者が、長男誕生を機に取り掛かったサイドカー製作記です。当時の記事が行方不明となってしまったため、記憶を頼りに自身で図面を描いて製作に取り掛かります。鉄パイプのフレームにFRPのボディの製作過程は、詳細に解説しています。サイドカー完成後は、自転車が自由に傾くように取り付け。試走後は、若干の調整のみで具合よく走るようになったということです。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「笑門」と題して、笑いについての考究について語っています。

「NCラリーのお知らせ」は、10月に愛知県岡崎市で開催する「ニューサイクリング読者会」の開催告知です。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回は、「INFORMATION」でイベント情報を4件。そして、谷島啓之選手のアメリカ便り3」が届いています。

1986年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

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