ニューサイクリング 1987年11月号(No.280)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1987年11月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1987年11月号は、通巻280号です。
カラーの口絵は、「魔物について」「第4回シマノグリーンピアロード」「白馬のパノラマルート」です。
280号の目次をページ順に追うと、
20 第4回シマノ・グリーンピアロードレース
23 第4回シマノ・グリーンピア国際ロードレース
30 ニューパスハンティング 美麻村・大峰
40 越美国境 温見・冠山そして徳山村
52 私をとらえる魔物について
64 第6回全日本実業団対抗団体100kmサイクルロードレース
66 市川雅敏のプロ・ロード日記 世界選手権
68 第22回全国都道府県対抗ロードレース
79 モノディスプレイ
80 パナソニック・オーダーシステムPOS
86 犬越路から御坂へ
94 秩父山地にて (3)秩父困民党 その一
100 気になる風景 カラムス・グラディオ・フォルディオル?
102 杉野 安の舌万歩計から 桃太郎
106 NCサロン
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「第4回シマノ・グリーンピアロードレース」は、9月にグリーンピア三木で行われたロードレースの大会レポートです。この年の未登録レースのカテゴリー分けは、従来の年齢別から実力別カテゴリーへと変更になっています。また、この年の目玉はベルナール・イノーの登場で、グリーンピア・ロードレースではスターターや表彰式のプレゼンターを務めています。
「第4回シマノ・グリーンピア国際ロードレース」は、グリーンピアロードレースと同時に開催された国際ロードレースのレースレポートです。あわせて、ベルナール・イノー氏の記者会見の質疑応答を掲載しています。記事の最後には、グリーンピア・ロードと国際ロードのリザルト上位10名の結果が掲載されています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「白馬のパノラマスポルティフコース」と題し、美麻村、大峰を紹介しています。コースは神城駅をスタートし、峠、梨の木峰、曽山ピーク、大峰、四人峠、八代峠をパスして穂高駅に至る61.6kmです。
「越美国境 温見・冠山そして徳山」は、岐阜と福井の県境周辺を行くサイクリング紀行です。神海駅を出発した筆者はこの日の宿をとった深井鉱泉を目指します。まずは樽見の町で食料を調達して、温見峠越えにかかります。いくつかの集落を過ぎると20キロ以上の無人地帯となる道を行き、峠を越えて福井県へ入ります。摩耶姫湖を通り、越前大野の町を過ぎて深井鉱泉に着いたのはすっかり暗くなってからでした。翌日は朝から雨でしたが、泊まった宿はその日満員だったため連泊はあきらめて出発します。とりあえず移動してきた越前大野駅でその日の宿を池田町稲荷に確保します。宝鏡寺経由とした道はなかなか骨の折れるルートで、この日も夕方遅くなってからの宿着となります。翌朝は絶好のコンディションのなか冠峠越えに向かいます。峠はクルマと人があふれ峠の雰囲気はありませんでしたが、間近に見る冠山の山容は見事でした。この後は徳山村へ向かいます。ここはダム建設に伴って沈んでしまう村で、筆者はその前にどうしても見ておきたいと訪れます。そして、ここで見た光景とそれに対する心情を語って話を締めくくっています。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、公務員の方がオーナーのカラビンカのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「大きなサイズのマシーンに関する考察」です。
「第6回全日本実業団対抗団体100kmサイクルロードレース」は、8月に三田ウッディタウンで開催されたレースのフォトレポートです。
「市川雅敏のプロ・ロード日記 世界選手権」は、市川雅敏選手から送られてきた世界選手権のレポートを掲載しています。レポートは雨の中スタートしたレースの展開と最終番の逃げに乗れなかったこと、その要因としてレース前の移動で2日間何もできなかったために走りこんだ状態からリズムが狂ってしまったことが失敗だったと語っています。そして最後に、日本プロ車連の方々、メカニシャンの長沢義明氏、監督、コーチ他、関係者への感謝の言葉を述べています。
「第22回全国都道府県対抗ロードレース」は、8月に京都で行われたロードレースの大会レポートです。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、ルックの「KG-85ケブラーフレーム2000」「KE-75エキップ」「KR-65プレステージ」、シマノの「600アルテグラ」「サンテ」各コンポーネント等を紹介しています。
「パナソニック・オーダーシステムPOS」は、パナソニックの新たなオーダーシステムの紹介です。オーダー方法ですが、ユーザーは自転車店の店頭で採寸しながら注文書を作成します。完成した注文書は、FAXによって本社工場へ送られます。本社ではCADによってフレームを設計して製作。フレーム完成後にアッセンブル部門で組み立てられて完成した自転車車は、2週間でオーナーに届けられるシステムとなっています。取材時点での対応車種は、ロードモデル、ファニーバイク、トライアスロンモデル、ピストモデルの4車種。また、ロードとピストはフレームのみのオーダーも受けています。
「犬越路から御坂へ」は、友人のランドナーのお披露目を兼ねてダートランに向かったサイクリング紀行です。二人で新松田駅を出発して丹沢山系へ向かいます。大型車の多い国道を西へ行ってから山道へ入り、丹沢湖を経由して犬越路トンネルを抜けてこの日は同志の久保に泊まります。翌日は同志を行き山伏峠を越えて山中湖へ、さらに河口湖を抜けて御坂峠を越えて勝沼町にあるぶどうの丘センターで早めの夕食をとって今回の旅を終えています。
「秩父山地にて (3)秩父困民党 その一」は、サイクリングで訪れた場所を題材としたエッセイです。サイクリングで訪れた浜平温泉で聞いた話は、秩父事件が偶発的な暴動ではなく、自由民権運動の黎明のものであったということです。今回はサイクリングの話の前に、秩父から上州、そして信州へ駆け抜けた運動に関する背景と全容を紹介しています。
「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「カラムス・グラディオ・フォルディオル?」と題して、事大主義について語っています。
「杉野安の舌万歩計から」は、前年の9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「桃太郎」です。話は桃の伝来の話題から始まって、食べ物の好き嫌いや様々な食材の話へと移ります。最後はカーボンの話題となり、スギノのカーボン製品と今後のカーボン製品に対する期待を述べています。
※本文タイトルでは連載回数を12回目としていますが、実際は連載13回目です。
「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、サイクルマラソンとサイクルフォトコンテストの開催告知。それと「第1回ハンドメイドバイシクル展」が赤坂の自転車文化センターで開催されることを案内しています。
1987年11月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。
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