ニューサイクリング 1987年12月号(No.281)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1987年12月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1987年12月号は、通巻281号です。
カラーの口絵は、「無伴走単独長距離タイムトライアル」「第1回ツール・ド・北海道'87」「魔物について」「八ヶ岳ギャランカップバイシクルレース・イン原村」です。
281号の目次をページ順に追うと、
20 単独タイムトライアル 2664.3km(1)自己の精神力、肉体を越えようとする冒険者のモノローグ
36 ニューパスハンティング 唐松峠・明神峠・境ノ明神峠・烏帽子掛峠
46 ツール・ド・北海道 5日間、19チーム、482.9kmの闘い
54 三浦恭資インタビュー ヨーロッパ遠征報告
60 私をとらえる魔物について
72 秩父山地にて (4)秩父困民党 その二
78 八ヶ岳ギャランカップ・バイシクレルース・イン原村 見せて、魅せた男達の証言
86 杉野 安の舌万歩計から パリの味
94 スギノテクノのアルミディスク
99 モノディスプレイ
102 気になる風景 風景観
103 第13回NCラリー
104 第1回ハンドメイドバイシクル展
107 NC代理部
110 '87年総目次
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「単独タイムトライアル 2664.3km(1)自己の精神力、肉体を越えようとする冒険者のモノローグ」は、1985年のNC誌に掲載された青森ー下関タイムトライアルに挑戦した筆者が、今度は鹿児島の佐多岬から北海道の稚内までのタイムトライアルに挑戦した記録です。今回は、始めに今までの挑戦の振り返りと、今回のチャレンジにあたっての準備とトレーニングについて語っています。社会人となった筆者は5月の連休を利用して今回のチャレンジに臨みます。初日は朝7時に佐多岬をスタートし、25時間ほどで本州へ入ります。下関からは瀬戸内側のコースを取り、スタートから48時間ほどで兵庫県に入ります。さらに滋賀まで走ったところで大津から琵琶湖西岸を北上して福井県の敦賀へ抜けます。ここからは青森ー下関で走ったコースに乗り、72時間経過時点で石川県の加賀に至り、次号へ続いています。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「八溝山地南部の峠を快走」と題し、唐松峠・明神峠・境ノ明神峠・烏帽子掛峠を紹介しています。コースは那須塩原駅をスタートし、唐松峠、明神峠をパスして茨城県に入ります。さらに境ノ明神峠、こちらも県境となる烏帽子掛峠をパスして水戸駅に至る104.2kmです。
「ツール・ド・北海道 5日間、19チーム、482.9kmの闘い」は、10月に行われたロードレースのレースレポートです。初日のプロローグ、個人TTから最終第4ステージまで日ごとの展開を伝えています。
「三浦恭資インタビュー ヨーロッパ遠征報告」は、約2か月間のヨーロッパ遠征に出ていた三浦恭資選手に高橋松吉選手も同席する形でインタビューしています。話題はチームプレイの事や日本人がヨーロッパでレースをする際のハンディなどについてで、三浦選手は現地での経験を踏まえて語っています。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、自営業を営む方がオーナーのクオークのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「女性用トライアスロンモデルに関して」です。
「秩父山地にて (4)秩父困民党 その二」は、サイクリングで訪れた場所を題材としたエッセイです。今回は、もっぱらサイクリングの話です。筆者たちの一行3名は西武秩父の駅から、羊山公園へ行って駅に戻ると後続組も到着しており合流。腹ごしらえした後に出発した一行は札所にいくつか寄りながら農業祭の行われていた吉田町に入ります。ここで小一時間過ごした後は矢久峠を越えて日も暮れた7時頃に浜平温泉に到着します。宿では宴となり、次号へと続きます。
「八ヶ岳ギャランカップ・バイシクレルース・イン原村 見せて、魅せた男達の証言」は、9月に行われたレースの取材記事です。選手のコメントは、砂田弓弦・大石一夫・鈴木光広・森幸春の各選手からもらっています。他にも「縁の下の力持ち」として、3名の裏方さんにも取材しています。
「杉野安の舌万歩計から」は、前年の9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「パリの味」です。冒頭のパリの話では、この頃のフランスでは自転車界はもちろん、様々な産業界で日本が入り込んでいる様子が伺えるエピソードを披露しています。フランス料理の話では、3か月前から予約が必要というミシュラン三ツ星レストランへリムジンで乗り付けます。この後は注文した料理とワインの、筆者はお酒が飲めないゆえにごく少量を味わった、感想を述べています。
「スギノテクノのアルミディスク」は、「チラノカーボンディスク」に続く新製品「チラノアロイ」の紹介です。側板をカーボンから0.3mm厚のアルミスキンとした製品です。カーボン製に比べて重量は増しているものの、価格は半分以下に抑えられています。普及タイプとして開発され、カーボン製が決戦用、アルミ製は練習用にと使い分けが可能になりました。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、タンゲのヘッドパーツ「LEVIN CD」「FALCON CD P5000」「NOVA P3000」、デサントのサイクリングウェア、プーマ'88ニューモデルのシューズとウェア、バールの新しい工具等を紹介しています。
「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「風景論」と題して、物の見方について語っています。
「第13回NCラリー」は、10月に行われたNCラリーのフォトレポートです。
「第1回ハンドメイドバイシクル展」は、自転車文化センターで開催された展示会のフォトレポートです。このショーでは当時注目されていた24インチレーサーが多く紹介されています。また、倍賞千恵子氏がオーナーだというナガサワや、十字構造のサムソンのシティバイクも注目です。
「昭和62年総目次」は、NC誌1987年1年間の掲載タイトルをジャンル別に分類し、一覧形式にまとめたものです。
※目次では題が「'87年度総目次」となっていますが、本文では「昭和62年総目次」となっています。
1987年12月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。
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