ニューサイクリング 1987年6月号(No.275)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1987年6月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1987年6月号は、通巻275号です。

カラーの口絵は、「アレックス・サンジェ」「魔物について」です。

275号の目次をページ順に追うと、

 20 '87サイクルショー

 38 ニューパスハンティング 越知山・花立峠・銀杏峠

 48 私をとらえる魔物について

 60 シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ (10)世界選手権プロロード

 77 モノディスプレイ

 78 U氏のシングルプロムナード

 84 シリーズオールドボーイサイクリング 熟年だけのツーリストの組織

 90 気になる風景 おらが富士

 92 杉野 安の舌万歩計から (5)ロンドンのカレー

 96 かくして壮絶な決意は終った 自転車運動能力測定を受けた7人のお話

102 2回目に越えた峠 (2)茅ノ木峠

106 NCサロン

109 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「'87サイクルショー」は、4月に東京晴海の国際見本市会場で行われた展示会のフォトレポートです。当時の新素材であるカーボンやアルミを使用したフレームや完成車、またファニーバイクを多数紹介しています。ウェアやパーツは、注目製品を中心に取り上げています。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「丹生山地を行く越前自然歩道」と題し、越知山・花立峠・銀杏峠を紹介しています。コースは福井駅をスタートし、市内から旧道を行って越知山へ向かいます。越知山を過ぎてからは花立峠、銀杏峠をパスし、武生駅に至る49.8kmです。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、雑誌編集者のオーナーが所有するレニヤーノのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「60年代のレース界におけるサドル戦争について」です。

「シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ 」は、前年から始まった連載です。筆者の砂田弓弦氏は、イタリア滞在中の記録を克明にノートへ残していました。この連載は、その記録を元に筆者のイタリアでの体験を伝えてくれるものです。今回は「世界選手権プロロード」と題した、'85年大会の見聞録です。モンツァにあるテレビ局のスタッフとして同行し、試合観戦ができることとなった筆者。今回は世界戦の最終日となるプロロードのレースをレポートしています。その他にもアマとプロの違いや選手個人の話題。また、モンツァにF1がやってきた話なども披露しています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、スギノ「75ニューディスク チラノ」、セマスのカーボンディスク、メルシエのアルミフレーム等を紹介しています。

「U氏のシングルプロムナード」は、友人から散歩兼サイクリング用のシングルフリープロムナードの相談を受けた筆者が、製作過程を紹介しています。まずは製作にあたって筆者が4つ挙げた課題点を考察しています。そして、自転車をオーダーするために浦和にある工房を訪ねる道中の出来事と、工房での注文時のやり取りなどを綴っています。

「シリーズ オールドボーイサイクリング」は、前年から続く年配者のサイクリングのあり方について考える企画です。今回は「熟年だけのツーリストの組織」と題し、フランスの「シクロツーリスト・ドゥ・ドゥミ・シエクル」という団体を紹介しています。この団体は50歳以上のツーリストの集まりです。また、この団体の本部があるサンテチェンヌで開催される「ジュルジベロシオ」という年配者も多く参加しているイベントを紹介しています。このイベントは市の外れからグランボア峠の頂上まで12kmを走るもので、かつて今井編集長が参加した時の様子を紹介しています。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「おらが富士」と題して、恣意性の特に強い地名について語っています。

「杉野安の舌万歩計から」は、前年の9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「ロンドンのカレー」です。話の前半は、アラスカで見た白銀の世界が地球創生の頃を思わせるというところから地球誕生とその変遷、そして誕生から現在までの人類の歴史に触れています。本題はアラスカからロンドンに飛んでからで、イギリスのカレーをまだ食べたことが無いので、この時に最もイギリス的なカレーを賞味したいとイギリスの友人に依頼してカレーショップを訪れます。そこで食べたカレーは、日本のものとは全く似ていないけれども、その味はカレーとしては上出来だったと感想を述べています。

※目次では連載回数を5回目としていますが、実際は連載8回目です。

「かくして壮絶な決意は終った」は、筆者が他の7人とともに自転車運動能力測定を受けた時の様子レポートしています。2日間で行われた測定は、初日に最大酸素摂取量や無酸素的運動能力の測定や身体測定などを実施。翌日はバイオプシーという筋肉の質を調べる簡単な手術を受けます。それぞれのテストが終わった後は「終わったー」という感が強かったという感想と、テスト結果のデータはその選手の持つ特徴が正直に出ていたと述べています。

「2回目に越えた峠 (2)茅ノ坂峠」は、サイクリングを題材としたエッセイです。今回は、前号に続く埼玉の峠を越える中でのエピソードを綴っています。

※目次ではタイトルの峠名が「茅ノ木峠」となっていますが、本文タイトルでは「茅ノ坂峠」となっています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、サイクルイベント2件にサイクリングサポートシステム1件を紹介しています。他には注意喚起として野犬に関する情報が寄せられています。

「NC代理部」は、ベロ出版で取り扱っている商品の紹介ページです。今回は、NCオリジナルボトルとTシャツ、NC合本用ファイル、書籍は「風に描く」「三十代からの自転車旅行のすすめ」等を紹介しています。

1987年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

コメント

このブログの人気の投稿

4/27は京王閣フリマ出品です

ニューサイクリング 1985年3月号(No.247)

ニューサイクリング 1997年7月号(No397)