ニューサイクリング 1987年7月号(No.276)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1987年7月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1987年7月号は、通巻276号です。

カラーの口絵は、「魔物について」「サブリエール」「'87国際サイクルロードレース」です。

276号の目次をページ順に追うと、

 20 私をとらえる魔物について

 32 金沢から浜松へ「自分の旅」について考えた7日間

 42 ニューパスハンティング 小梨峠と炮烙峠

 52 その後のカンパニョーロシンクロ

 58 シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ (11)チクリ訪問

 68 シリーズ オールドボーイサイクリング こうして始まった僕の自転車人生

 76 越後路残暑

 89 モノディスプレイ

 90 杉野 安の舌万歩計から (6)台湾サイクルショウ

 94 ニューパスハンティング実走レポート

 98 気になる風景 イメージの峠

100 第9回丸石サイクルロードレース大会

102 NCサロン

104 '87国際サイクルロードレース大会

106 2回目に越えた峠 (3)戸蓋峠

109 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、画家の加藤一氏がオーナーのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「超軽量マシンに関する考察」です。

「金沢から浜松へ(上)」は、20代の筆者が自分なりの走り方を追い求めてツーリングに旅立ち、「『自分の旅』について考えた7日間」を綴ったエッセイです。前編となる今回は、金沢からツーリングを開始します。初日の宿に到着した時、金沢で預金を下ろし忘れたことに気づきます。その為、翌日は再び金沢を訪れることになります。無事預金を引き出してからは、ブナオ峠を越えて白川郷に宿泊、翌日は天生峠、小鳥峠を越えて高山にたどり着いたところで次号へと続きます。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「上州の静かな峠2つ」と題し、小梨峠と炮烙峠を紹介しています。コースは吉井駅をスタートし、南下して小梨峠をパスした後鮎川沿いに走って炮烙峠をパスし、林道から県道と走って上州福島駅に至る39.1kmです。

「その後のカンパニョーロシンクロ」は、4月号で紹介したシンクロについての続報です。記事は、4月の東京サイクルショーで一般公開されたことと、新たな組み合わせチャート等の追加情報を紹介しています。そして、カロッツェリア小美野の小美野氏が、4月号の記事を読んでの意見を述べています。さらに、その小美野氏の意見に対する意見を編集部員が述べています。

「シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ 」は、前年から始まった連載です。筆者の砂田弓弦氏は、イタリア滞在中の記録を克明にノートへ残していました。この連載は、その記録を元に筆者のイタリアでの体験を伝えてくれるものです。今回は「チクリ訪問」と題した、イタリアの自転車屋事情を紹介しています。筆者がイタリアについて最初に行った店は「チクリ・グエルチョッティ」で、ここからクラブ探しとライセンス取得につながっていきます。この過程で知ったことは、イタリアの自転車屋はその地域のクラブや選手に支えられているということでした。他にもチクリの名は登場しますが、それを列挙すると「ロシニョーリ」「ディロレンツォ」「ジオス」「ポリアーギ」「ロッシン」「チネッリ」「デ・ローザ」「コルナーゴ」「ペテネッラ」「カザーティ」となっています。レース関連では、夜間に行われる「ティポ・ピスタ」と呼ばれるクリテリウムを紹介しています。

「シリーズ オールドボーイサイクリング」は、前年から続く年配者のサイクリングのあり方について考える企画です。今回は「こうして始まった僕の自転車人生」と題し、51歳で初のチャレンジロードに出場した方へのインタビュー記事です。20年以上株式相場の仕事をしてきたけれども、ある日突然のように仕事を辞め、屋台そして飲み屋を始めます。そこでお客さんのすすめで自転車と出会います。インタビューでは、人生の転機とともに始まった自転車人生について語ってもらっています。

「越後路残暑」は、海水浴シーズンの終わる頃に日本海を見る旅に出たサイクリング紀行です。筆者は新幹線で浦佐駅まで行き、ランドナーを組み上げて柏崎を目指して走り始めます。しかし、暑さのために登りの途中で倒れこんでしまいます。何とか回復した筆者は、押したり乗ったりで峠を越えて小千谷の町までたどり着きます。筆者はここで泊まろうかと考えますが、結局そうはせずに柏崎まで走ります。翌日は早めに朝食を済ませて朝の日本海を眺めに行きます。柏崎を出てからは海沿いに出雲崎、寺泊を過ぎ、大河津分水を越えてから山に入っていきます。良寛ゆかりの五合庵を訪ねた後は、弥彦に向けて走り出す前の筆者の心情を綴って話を締めくくっています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、カンパニョーロのCレコードクランク工具、パナソニック・イージーオーダーシステム、日東「B225AA」、シディのスポーツシューズ等を紹介しています。

「杉野安の舌万歩計から」は、前年の9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「台湾サイクルショウ」です。普段は自転車に関連しない話題ですが、今回は台湾で開かれたサイクルショーのレポートを届けています。この時期、1年間でドル円レートが240円/ドルから140円/ドルになったため、日本の自転車業界が勢いを失ってしまった。対して台湾は対応できる範囲の為替変動だったので、十分に元気だと伝えています。さらに、日本のショーはビジネスショーではなくなっており、翌年以降は日本メーカーによる台湾への出展が大幅に増加するだろうと予想しています。
※目次や本文タイトルでは連載回数を6回目としていますが、実際は連載9回目です。

「ニューパスハンティング実走レポート」は、2月号で紹介された房総の高宕山周辺の林道の読者による実走レポートが3件寄せられています。また、編集部からはコース作りで目指すところや高宕山周辺コース設定についてのこぼれ話を紹介しています。

「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「イメージの峠」と題して、コワバッタ体質のジャーナリズムについて語っています。

「第9回丸石サイクルロードレース大会」は、福島県の白河高原で行われたロードレースの各クラスリザルト上位10名を掲載しています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、ツール・ド・ジャパン、トライシーカップ、ツール・ド・北海道の概要を紹介しています。

「'87国際サイクルロードレース大会」は、国際ロードの東京・京都・大阪の各大会各クラスの成績トップ10を掲載してます。

「2回目に越えた峠 (3)戸蓋峠」は、サイクリングを題材としたエッセイです。今回も前号に続き、埼玉の消えつつある小さな峠を越える中でのエピソードを綴っています。

「NC代理部」は、ベロ出版で取り扱っている商品の紹介ページです。今回は、NCオリジナルボトルとTシャツ、NC合本用ファイル、等を紹介しています。

1987年7月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

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