ニューサイクリング 1987年8月号(No.277)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1987年8月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1987年8月号は、通巻277号です。
カラーの口絵は、「魔物について」「全日本アマチュア選手権」「'87国際サイクルロード 京都大会・大阪大会」です。
277号の目次をページ順に追うと、
20 ニューパスハンティング ミツモチ八方林道と塩那山岳道路
36 '87国際サイクルロードレース 京都大会・大阪大会
40 第56回全日本アマチュア選手権ロード 史上最強、全日本3勝!三浦恭資
48 シリーズ オールドボーイサイクリング 遅咲きのオールドボーイはニイモン好きの自転車マニア
54 私をとらえる魔物について
77 モノディスプレイ
80 使ってみたら 保冷袋「ポケットクーラー」と瞬間冷却材「ニューコールドン」
82 チェーンの伸び
88 金沢から浜松へ(下) 「自分の旅」について考えた7日間
98 杉野 安の舌万歩計から (7)キャバレー
102 気になる風景 異形
104 ニューパスハンティング実走レポート
108 NCラリーのお知らせ
109 NC代理部
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「走りごたえ・スケール・展望150%」と題し、ミツモチ八方林道と塩那山岳道路を紹介しています。コースは矢板駅をスタートし、ミツモチ林道、栗の木林道、ミツモチ八方林道と辿ってミツモチ山の山頂をパスして那須塩原温泉に至り、初日はここに宿泊します。翌日は塩那道路を行ってピークを二つパスして黒磯駅に至る1泊2日114.1kmです。
「'87国際サイクルロードレース 京都大会・大阪大会」は、2日連続で行われた国際ロード京都・大阪大会のレースレポートです。
「第56回全日本アマチュア選手権ロード 史上最強、全日本3勝!三浦恭資」は、山梨県で行われたロードレースの男子のレース展開をレポートしています。
「シリーズ オールドボーイサイクリング」は、前年から続く年配者のサイクリングのあり方について考える企画です。今回は「遅咲きのオールドボーイはニイモン好きの自転車マニア」と題し、60歳になってからサイクリングを始めた方の自転車ライフを紹介しています。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのクルスルートが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「プロフェッショナル供給のフレームについて」です。
「シュナのコリドーレ・ジャッポネーゼ 」は、前年から始まった連載です。筆者の砂田弓弦氏は、イタリア滞在中の記録を克明にノートへ残していました。この連載は、その記録を元に筆者のイタリアでの体験を伝えてくれるものです。今回は番外編としてイタリアチームを中心に、'87国際サイクルロードを観戦した筆者の感想と愚痴を書いています。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、日本軽金属のディスクホイール、アンブロッシオの「モントリオール」「ヌーボ・モントリオール・クロノ」「フォーミュラ20クロノ」「メタモフォーシス」、吉貝の「AGC252」「RGC220」「RC220」「AC260α」等を紹介しています。
「使ってみたら 保冷袋「ポケットクーラー」と瞬間冷却材「ニューコールドン」」は、新製品のレビュー記事です。ポケットクーラーはアルミ蒸着したポリエステル製の保冷袋で、ニューコールドンは水と薬剤を混ぜて使用する瞬間冷却材です。記事では実際にテストしており、この二つを使って350CCの缶飲料を7時間放置した結果をグラフで紹介しています。
「チェーンの伸び」は、自転車技術研究所勤務の井上重則氏によるチェーンに関する解説です。最初は、チェーンは伸びるというが、その原因は何なのか。これは摩耗が原因で、どこがどのように摩耗した結果としてチェーンが伸びているのかを説明しています。記事には、十数銘柄の走行距離とチェーンの伸び量のグラフも掲載されています。他にも当時行っていた試験と、そこからわかったチェーン伸びの傾向や伸びから見たチェーンの種類分けを解説しています。最後はチェーンの使い方として、具体的な距離を挙げて交換時期などを解説しています。
「金沢から浜松へ(下)」は、20代の筆者が自分なりの走り方を追い求めてツーリングに旅立ち、「『自分の旅』について考えた7日間」を綴ったエッセイです。後編となる今回は、高山での一夜の思い出から始まります。翌日は体調と相談しながら、野麦峠、月夜沢峠と当初予定した通りのルートを走って開田に取った宿に到着します。次の日は地蔵峠、鳥居峠、権兵衛峠を越えて高遠にある馴染みの民宿に投宿します。高遠からは秋葉街道を南下して分杭峠を越えて南信濃を目指す途中で雨が降り出します。これを避けるために大きな木の陰で一休みしながら翌最終日のことなどを考える場面で話が終わりになっています。
「杉野安の舌万歩計から」は、前年の9月号から始まった連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「キャバレー」です。今年の筆者は風邪に悩まされたという話から始まり、風邪つながりでイギリス自転車業界も風邪を引いたように元気がないと続きます。そのようななか、筆者はラレーの100年祭りに出席します。行事のスケジュールには「キャバレー」と書いてあったので期待をしていましたが、年配女性による西洋漫才でした。そこで筆者は「キャバレー」の本来の意味を知ることになります。この後はフランスに立ち寄り、TA社の社長と会食し、色々と聞いたTAにまつわるエピソードを紹介しています。
※目次や本文タイトルでは連載回数を7回目としていますが、実際は連載10回目です。
「気になる風景」は、サイクリングで訪れた場所の地名の由来や、その地域の風習などを綴る随想です。今回は「異形」と題して、神祭りとケワイとのかかわりについて語っています。
「ニューパスハンティング実走レポート」は、3月号で紹介された鷲峰山スカイラインの読者による実走レポートが4件寄せられています。
「NCラリーのお知らせ」は、この年の10月に兵庫県で開催される「ニューサイクリング読者会」の告知です。
1987年8月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。
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