ニューサイクリング 1988年1月号(No.282)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1988年1月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1988年1月号は、通巻282号です。

カラーの口絵は、「スーパークリテリウムインターナショナル'87」「魔物について」「ワンショット」「ニューグッズハンティング カンパニョーロ・コーラス」です。

282号の目次をページ順に追うと、

 24 新春恒例エッセイ集 サイクリスト形態人類学

 56 私をとらえる魔物について

 68 市川雅敏インタビュー プロフェッショナルの扉を開けた男

 76 単独タイムトライアル 2664.3km(2)自己の精神力、肉体を越えようとする冒険者のモノローグ

 94 杉野 安の舌万歩計から 世界選手権

102 モノディスプレイ

108 シマノ・サンテ&600アルテグラの印象

112 第3回八ヶ岳サイクルマラソン

114 第8回びわ湖サイクルマラソン

118 気になる風景 燃灯仏

121 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「新春恒例エッセイ集」は、1月号恒例のエッセイ特集です。この年のテーマは「サイクリスト形態人類学」です。初めに前口上と謳った「サイクリスト形態人類学入門」があり、後に11編のエッセイが掲載されています。それぞれの題名をご紹介すると「私的自転車美学論」「おしゃれタンデミスト、この指とまれ」「温泉有情、ドブンとつかる」「旅のそばから」「本場イタリアをいつも夢見るコリドーレ」「カーボンと炭焼きの関係」「ワイワイアウトドアライフ」「目立ちたがり屋の本分」「地図見ing」「新らし物好きのミーハー的エンスー論」「キレイ! きれい?」となっています。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、会社員の方がオーナーのアルプスのランドヌーズが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「山岳サイクリング用モデルに関して」です。

「市川雅敏インタビュー プロフェッショナルの扉を開けた男」は、一時帰国した際にインタビューを行っています。インタビューではプロとアマの差、日本人は目立つ存在だったこと、機材と食事のことについて聞いています。プロのレース展開については、序盤はアマチュアよりも遅いペースで、残り100kmからスピードが上がってそのままゴールまで行くのが大きな差だといっています。ヨーロッパでは自転車レースはメジャースポーツなのでミーハー的ファンも多く、プロというだけでかなり知られた存在になるそうです。機材もシビアで、特に当時のロードエンドは調整が可能な分、ストッパーのねじ位置をちゃんとしないとフレームの角度が正確に出ず、レースで結果が出せないことを知ったといいます。

「単独タイムトライアル 2664.3km(2)自己の精神力、肉体を越えようとする冒険者のモノローグ」は、1985年のNC誌に掲載された青森ー下関タイムトライアルに挑戦した筆者が、今度は鹿児島の佐多岬から北海道の稚内までのタイムトライアルに挑戦した記録です。今回は、4日目となる金沢からの日本海側沿い走行です。途中3時間半の休憩や、新潟県を走行中にスポーク切れのトラブルなどがありましたが、その後は順調に走り続けて青森に到着し、予定していた時刻の青函連絡船に乗り込みます。函館についてからは国道5号、37号、230号を辿って札幌で食事と休憩を取ります。札幌からは国道275号から233号、232号、40号と乗り継ぎ、最後は国道238号を走って宗谷岬に到達します。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「世界選手権」です。1990年の世界選手権が日本で開催されることが決まったことを受け、食べ物の話はカットして自転車競技の話に終始しています。1964年の東京オリンピックの自転車競技は、マイナースポーツがゆえに注目が集まらなかったこと。イタリアの自転車工業会は東欧の車連にレーサーをプレゼントし続け、それらの選手がメダルを独占する勢いで活躍したため、イタリー製の自転車が世界い一だというイメージ付けに成功したこと。それに倣って、日本も世界戦の場で日本製のレーサーや部品を広める活動を行うべきであることなどを説いています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、日東の「クリスタルフェロー」「B-229AA」「MT-54チタン」「B-811チタン」、アラヤ「CTL-370」、サンツアーのインデックスバーエンドコントローラー、SIDI「レボリューションワン」「ハワイ」「コンタクト」等を紹介しています。

「シマノ・サンテ&600アルテグラの印象」は、シマノ主催により軽井沢で行われたニューパーツ試乗会の取材レポートです。記事では試乗したサンテおよび600アルテグラのブレーキ、ヘッドパーツ、ペダル、トランスミッションの印象をレポートしています。

「第3回八ヶ岳サイクルマラソン」は、'87年10月に開催されたサイクリングイベントのフォトレポートです。

「第8回びわ湖一周サイクルマラソン」は、前年の11月に行われたびわ湖一周200kmを走るサイクリングイベントのフォトレポートです。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「燃灯仏」と題して、奇妙な考えについて語っています。

「NC代理部」は、ベロ出版で取り扱っている商品の紹介ページです。今回は、NCオリジナルボトルとTシャツ、NC合本用ファイル等を紹介しています。

1988年1月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

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