ニューサイクリング 1988年4月号(No.285)

本日の1冊

今回は「ニューサイクリング 1988年4月号」を取り上げます。

ニューサイクリングの1988年4月号は、通巻285号です。

カラーの口絵は、「魔物について」「ランボルギーニの血を引くMAZA」「ルネ・エルス フェデラル」です。

285号の目次をページ順に追うと、

 20 私をとらえる魔物について

 32 サンジェで走った東海道

 40 御霊櫃峠の金環食

 46 私作!カーボンフレーム始末記 (2)いよいよテスト

 54 ニューパスハンティング 甲州・菱山深沢林道

 64 フェデラル(Fédéral)という車種

 68 遠望、南ア紀行 丸山林道

 85 モノディスプレイ

 88 杉野 安の舌万歩計から 中国

 94 気になる風景 褓負商

 96 ニューパスハンティング実走レポート

104 市川雅敏のプロロード日記 レーススケジュール

106 NCサロン

109 NC代理部

となっています。

主な記事を以下にご紹介します。

「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、グラフィックデザイナーの方がオーナーのオールテラインバイクが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「ATB(オール・テライン・バイク)について」です。

「サンジェで走った東海道」は、筆者が注文してから半年後の'87年12月に届いたアレックス・サンジェに乗って伊勢から東京までを走ったレポートです。伊勢の実家を出発した筆者は、鳥羽市からフェリーで渥美半島の伊良湖岬へ渡ります。伊良湖岬から渥美半島の南岸を走り国道1号、旧東海道と継いで沼津で初日の走行を終わります。翌日は箱根を越え東海道を走って無事自宅へ帰着します。二日間サンジェで走った筆者は、サンジェそしてフランス流の自転車文化というものが少しわかった気がすると感想を述べています。

「御霊櫃峠の金環食」は、福島県へサイクリングに行った紀行文です。輪行で郡山に降り立った筆者は、日食を見るために御霊櫃峠を目指します。11時頃からみられるという日食に合わせ御霊櫃峠へ登り、モノクロフィルムを利用した天体観測装置を使い、地面に寝っ転がって日食観測をします。日食観測後は昼食をとって、猪苗代湖へ向かってダートのダウンヒルを楽しみます。湖畔へ出てからは勢至堂峠を越え、須賀川へと降りてツーリングを締めくくっています。

「私作!カーボンフレーム始末記 (2)いよいよテスト」は、自転車技術研究所勤務の井上重則氏がカーボンフレームを自作する過程を報告した連載です。今回は、出来上がったフレームの強度テストを実施します。結果は後三角が弱かったので補強を入れて解決。次は別セクションに依頼していたフロントフォークを自分で作成することになったので、その製作過程を紹介。フレームにフォークその他パーツを組込んで完成したら、早速試乗テストを行います。その感想は、非常に硬いフレームであるが衝撃の減衰が良いというものでした。

「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「甲府盆地の大展望」と題し、甲州の菱山深沢林道を紹介しています。コースは勝沼駅をスタートし、菱山深沢林道を走ってピークをパスして最後は県道から国道20号と継いで勝沼駅に至る20kmです。

「フェデラル(Fédéral)という車種」は、自転車の車種について今井編集長が解説しています。かつてヨーロッパから日本に移入されてきた車種名をあげ、そのほとんどは自転車の使われ方による違いを表していると説明。しかし、その中でイギリスの「クラブモデル」とフランスの「フェデラル」は異質のものであるとしています。フェデラルはフェデラシオン(協会の)という意味からきています。かつてフランスに行った時なぜフェデラルなのかという疑問をぶつけたところ、「ランドヌール」がいつしか最高級車の代名詞になってしまったので、フランスのサイクリング協会が必要最低限の機能を持った自転車を一般にPR、メーカーにも協力を求めたものがフェデラルと呼ばれたとのことでした。最後には、フェデラルとしての条件を紹介してます。

「遠望、南ア紀行 丸山林道」は、大学のクラブに所属する筆者が、友人達とともに夜叉神峠と丸山林道を目指したプライベートランの紀行です。輪行した一行は市川本町からツーリングをスタートします。丸山林道へ入り午後早い時間には林道の名の無い峠にたどり着きます。下りは寒さ対策にたくさん着込んで奈良田に取った宿へ向かいます。そして、翌日は大雪となってしまいます。一行は夜叉神峠はあきらめ波高島駅へ向かってツーリングを終わらせています。

「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、住友のチタンフレーム「マックス・チタリオン」、ザックスグループのニューコンポーネント「ニューサクセス・アリス」、吉貝の「DIA-COMPE AD-992」、ゼファール「fpX」「hpX」等を紹介しています。

「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「中国」です。中国を初めて旅した筆者は、想像よりもずっと進歩していたと感想を漏らしています。当時の中国は既に自転車大国で、年間3500万台も生産していました。経済も発達しつつあり、食べ物に関してもうまさの向上に努力しているのが感じられたといいます。しかしながら、良い食材は国外へ行ってしまうようだとも語っています。

「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「褓負商」と題して、"かつぎ屋"について語っています。

「ニューパスハンティング実走レポート」は、読者による実走レポートです。今回は、'87年9月号で紹介された「富士周回105km」の実走レポート3件が寄せられています。

「市川雅敏のプロロード日記 レーススケジュール」は、市川雅敏選手からの現地レポートです。今回は市川選手の動向と、同選手が所属するHITACHIチームのレーススケジュールを紹介しています。

「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、イギリスで開催されるイベントと、国内イベント2件にクラブ入会勧誘のお知らせ1件が掲載されています。

1988年4月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。

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