ニューサイクリング 1988年6月号(No.287)
本日の1冊
今回は「ニューサイクリング 1988年6月号」を取り上げます。
ニューサイクリングの1988年6月号は、通巻287号です。
カラーの口絵は、「BIWAKO INT'L ROAD RACE」「魔物について」「ゴールスプリント」「橋本聖子の挑戦開始」「パナソニックバイシクルカップ」です。
287号の目次をページ順に追うと、
20 ニューパスハンティング 越前西部2号林道
30 イタリアンマシン トレチャの親父の顔 シニョール・キヨの恩返えし
38 みちのく物見遊(湯)山の旅
48 私をとらえる魔物について
60 BIWAKO INT'L ROAD RACE
68 コリドーレ・シュナのイタリア再訪記 イターリア、おお!イターリア (1)前菜としてのブレーメン6日間レース
85 モノディスプレイ
88 杉野 安の舌万歩計から アンティークしたい
94 スポニチ・サイクルロード・レース
96 ニューパスハンティング実走レポート
98 井上君の台湾・新無銭旅行 食べた・見たイン タイワン
104 気になる風景 歴史とは
106 NCサロン
109 NC代理部
となっています。
主な記事を以下にご紹介します。
「ニューパスハンティング」は、林道や峠を主体に地図や写真を多数掲載して案内しているコースガイド企画の連載です。今回は「展望抜群 海の上の尾根道」と題し、越前西部2号林道を紹介しています。コースは武生駅をスタートし、氷坂トンネルを抜けて旧山中峠をパスして越前西部林道へ入ります。林道は下りながら別司峠をパス、ここからは登って城山のピークをパスした後はダウンヒルが続き、武生駅まで至る49.8kmです。
「イタリアンマシン トレチャの親父の顔 シニョール・キヨの恩返えし」は、イタリアで自転車製作の修業をしていたキヨ・ミヤザワ氏へのインタビュー記事です。はじめは、イタリアらしい自転車というものはどんなものなのかを聞いています。キヨ曰く、それは作り手である親父の顔が浮かんでくるものだと言っています。そして、イタリアへの恩返しのつもりとしてイタリアらしい自転車を日本に持ってきたいということで、トレチャのチタン製ロードレーサーを紹介しています。
「みちのく物見遊(湯)山の旅」は、秋田と青森を遊覧したサイクリング紀行です。輪行で秋田駅に着いた筆者は、いきなり知り合いと遭遇します。筆者は特に計画が無いので山岳サイクリングの同行を誘われますが、相手には連れがいたので辞退して男鹿半島を目指します。半島観光をした後は列車に乗って宿をとった深浦へ移動します。翌日は岩木山に向かって内陸を行き嶽温泉に泊まり、翌朝は岩木山へ登り午後から弘前まで走って自転車を畳んでいます。
「私をとらえる魔物について」は、'85年開始の連載企画です。「愛好家にとって自転車は魔物のようなものだろう」という一文で始まるこの企画は、オーナーにとって、そして読者にとっても魔物といえる自転車を紹介しています。今回は、消防士がオーナーのカールトンのクラブモデルが登場しています。NC誌メカニカルアドバイザー新田眞志氏による解説は「クラブモデルについて」です。
「BIWAKO INT'L ROAD RACE」は、4月に開催されたびわ湖サイクルロードレースとびわ湖国際サイクルロードレースの取材記事です。記事では、大会全体のイベントレポート、加えて国際ロードのレースレポートおよび両ロードレースのリザルトを紹介しています。
「コリドーレ・シュナのイタリア再訪記 イターリア、おお!イターリア (1)前菜としてのブレーメン6日間レース」は、当時、イタリアから帰国して宮田に勤務していた砂田弓弦氏が年末から再びイタリアを訪れたことを綴った連載です。今回は、西ドイツのブレーメンでの6日間レースの観戦記を寄せています。6日間レースは夜に行われ、建物内の飲食店の数と華やかさは日本の夏の夜店のようだと形容しています。また、このレースではシマノヨーロッパの長谷部氏の尽力によりプレスパスが入手でき、色々なところを見たり利用したりできたと言っています。
「モノディスプレイ」は、新製品情報のコーナーです。今月号は、シマノの「エクセージ」シリーズコンポーネント、モドロの「エキップKX90」「マッハ3」、IRCの「タンデム」、シディの「ツーリングストリップ」等を紹介しています。
「杉野安の舌万歩計から」は、杉野安氏執筆による連載です。これまでスギノ・レーシングチームの活動をNC誌にたびたび掲載してきた杉野安氏ですが、このシリーズはレース以外の物事にまつわる話となります。今回のテーマは「アンティークしたい」です。筆者は美術品はミュージアムで見るもので、所蔵すべきではないと個人的に思っています。その美術品の話として台湾の故宮美術館のことや近代絵画のこと、さらには仏像のことへと話が広がっていきます。最後には、スギノテクノの工場入り口に絵画や版画、スギノの選手が獲得したトロフィーやカップのことを会社の宝物だと紹介しています。
「スポニチ・サイクルロード・レース」は、4月に群馬サイクルスポーツセンターにおいてソウル五輪候補選手選考会として行われたレースのレポートです。男子および女子のトピックと結果を掲載しています。
「ニューパスハンティング実走レポート」は、読者による実走レポートです。今回は、'87年10月号で紹介された「南葉林道」の実走レポートが2件寄せられています。
「井上君の台湾・新無銭旅行 食べた・見た in タイワン」は、自転車技術研究所勤務の井上重則氏による訪台レポートの連載です。今回は、先輩のところからタイフェイというフレーム屋さんに指導に来ている知り合いの日本人の方のところへ居候します。工場見学は、タイフェイとそれに続いて台湾サンツアーにも行きます。そして、その夜はタイフェイで社員向けに車輪に関する講義を行います。翌日はロストワックスをやっている部品メーカーを見学。見学時は各社の社長などと食事を共にしますが、支払いは全て先方が払ってくれるので、ほとんどお金を使わないということです。
「気になる風景」は、筆者の気になるコトやモノについて思ったことを綴っている随想の連載です。今回は「歴史とは」と題して、現在と過去との対話について語っています。
「NCサロン」は、自転車に関する各種の情報や読者投稿などを掲載するコーナーです。今回の「INFORMATION」は、サイクリングイベント2件の紹介とサイクリスト優待キャンペーンの告知が1件掲載されています。
1988年6月号の裏表紙広告は、ブリヂストンサイクル「レイダック」でした。
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